小説あります の商品レビュー
アタマでこしらえた小説、って感じがしました。あまり心に響かなかったというのが正直なところです。メタ構造というのかなんというのか、構成に凝っているように思ったのですが、それもピンときませんでした。【2022年1月7日読了】
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N市立文学館が財政難のため廃館となる事が決まった。 文学館に勤務する文学青年は館の延命の為、N市に縁のあった作家・徳丸敬生の晩年の失踪の謎を解くことで活路を見出そうとするが、物語は意外な方向へ。 N市は『おさがしの本は』の舞台と同じで、一部の登場人物も重なるので本作は姉妹編的作品...
N市立文学館が財政難のため廃館となる事が決まった。 文学館に勤務する文学青年は館の延命の為、N市に縁のあった作家・徳丸敬生の晩年の失踪の謎を解くことで活路を見出そうとするが、物語は意外な方向へ。 N市は『おさがしの本は』の舞台と同じで、一部の登場人物も重なるので本作は姉妹編的作品。 本作では、小説について命題が出される。 「人間はなぜ小説を読むのか。 言いかえるなら、小説は、私たちの人生のための何の役に立つのか。」 そう言われても…。暇つぶし、疑似体験、空想、妄想、娯楽…。思いつくのはいたって貧弱。情けない。もちろん本作では鮮やかに一つの回答がなされる。 門井慶喜、巧いなあ。
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- ネタバレ
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やっぱり本はいいなと。 そして今更ですが「承前」の意味を初めて知りました。時々目にはしてましたが、なんだかわかってなかったので、あぁと思いました。
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『おさがしの本は』の姉妹編らしいと知り読んでみましたが、3年後に市役所の総務課へ異勤となった和久山隆彦はでてきましたが、話としては本がテーマとはなっていますが、別物でした。 N市立文学館でアルバイトをしながら小説の研究をしている老松郁太、29歳が神田神保町で作家の徳丸敬生(のり...
『おさがしの本は』の姉妹編らしいと知り読んでみましたが、3年後に市役所の総務課へ異勤となった和久山隆彦はでてきましたが、話としては本がテーマとはなっていますが、別物でした。 N市立文学館でアルバイトをしながら小説の研究をしている老松郁太、29歳が神田神保町で作家の徳丸敬生(のりお)のなぜかサインの入った遺稿集をみつけるところから物語は始まります。 徳丸敬生は芥川賞候補にもなったのですが、昭和55年に62歳で樹海で行方不明になりましたが、死亡が確認されていませんでした。文学館には徳丸の遺稿とされる原稿その他一式が置かれています。 しかし、文学館は廃館が決まっていて、廃館後は郁太の父の後継ぎで会社を経営している弟の勇次が買いとって料亭にすることが決まっています。 それを知った郁太は「本のなかでも小説はいちばん役に立たないものじゃないか」という弟に「もし私がお前を納得させられたら、料亭はやめるんだ」と言いだし、勇次もそれをうけてたち、二人の小説談義「人はなぜ小説を読むのか」が始ります。 一方、直筆のサインの入った、徳丸敬生の遺稿の謎、そして、徳丸の生死も途中ではっきりとします。 「人はなぜ小説を読むのか」この答えも兄弟の間で答えが出されますが、それが正論かどうかはともかく、こんな大きなテーマを作品で解答した作者には脱帽しました。
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「お探しの本は」の姉妹編。 文学館の職員である主人公が失踪した小説家の残したサイン入り遺稿集の謎を追うとともに、文学館の存続をかけ「人はなぜ小説を読むのか」というテーマを議論する話。 なぜ小説を読むのか 答えは人それぞれだと思う。私の場合は「別の人生が経験できる」が一番近い気...
「お探しの本は」の姉妹編。 文学館の職員である主人公が失踪した小説家の残したサイン入り遺稿集の謎を追うとともに、文学館の存続をかけ「人はなぜ小説を読むのか」というテーマを議論する話。 なぜ小説を読むのか 答えは人それぞれだと思う。私の場合は「別の人生が経験できる」が一番近い気がする。本書の中では否定されていたけれど。 前作主人公の和久山さんが出てきたのが嬉しい。
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人は何故、小説を読むのか。 一見、哲学的にも見える素朴な疑問。 これを追い求めて行く物語。 結論としては、孤独に耐える練習だそうです、つまり人付き合いのためだと。 これだけだと、疑問符が浮くかもしれないが、ご興味ある方は本編をご一読ください。 孤独に耐えるってのは、言い得て...
人は何故、小説を読むのか。 一見、哲学的にも見える素朴な疑問。 これを追い求めて行く物語。 結論としては、孤独に耐える練習だそうです、つまり人付き合いのためだと。 これだけだと、疑問符が浮くかもしれないが、ご興味ある方は本編をご一読ください。 孤独に耐えるってのは、言い得て妙だな。 小説。音もなければ映像も無い、あるのはただ文字だけ。読み始めると、物語の中に埋没して行き、完結させるには読み終えなければならない。その間には、多分に想像力が働く。結論を急ぎたくとも、自分一人で読み進め、我慢しなければならない。我慢という意識がなくとも。 昨今、我慢できない、堪え性のない、待てない、人を思い遣れない人間がより多いように感じる。現代ではグーグル先生なり、wikiなり、疑問に思えばものの数秒で回答をえられる。その答えが合っているかどうかは問題ではなく、瞬間的に得られるかりそめの安心。 SNSの時代、即レスがあたかも当然の様に跋扈する。 待つ、思う、堪える、考える、思い遣る、慮る。この種の行動に欠ける人間が多い気がするな。 人は一人では生きられず、好む好まざると関係なく他者と関わらなければ生きて行けない。生かされていると。 日々、謙虚に感謝感謝です。 示唆に富む一冊でした。
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置手紙を残して行方不明になった作家の遺稿集に、作家自身のサインがある謎を、文学館勤務の主人公が追うミステリーと、「人はなぜ小説を読むのか」という根本問題とが絡み合ったユニークな作品。 実在する文学賞や、作家や評論家が実名で登場し、どこからが(どこまでが)フィクションなのかと、思い...
置手紙を残して行方不明になった作家の遺稿集に、作家自身のサインがある謎を、文学館勤務の主人公が追うミステリーと、「人はなぜ小説を読むのか」という根本問題とが絡み合ったユニークな作品。 実在する文学賞や、作家や評論家が実名で登場し、どこからが(どこまでが)フィクションなのかと、思い惑いながら読み進んだ。 書中、主人公と会社経営の弟が、その根本問題について論争を繰り広げる。 「人は本能的に物語りを欲する。だから小説を読む」 「小説を読むのは、孤独であることの練習のためだ」etc そういった意義付けもある面必要かもしれないが・・・ しかし、 本読みにとって、人生に役に立つとか立たないとか(ハウツー本や自己啓発本はさておき)考えて読んでいるわけではない。ただ読みたいから読んでいるだけ。
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人はなぜ小説を読むのか? それの答えを求め進んでいく話に ワクワクドキドキしながら、最後の結末にも 驚き、とても面白い内容でやった
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「おさがしの本は」の姉妹編。 前作と同じN市を舞台に、文学館の廃止を受けて、文学館の嘱託として働いていた老松郁太が奔走する。 ある失踪した小説家が残したサイン入りの遺稿集の謎。 兄郁太を実業家に戻そうと、人はなぜ小説を読むのかと言う言葉のなぐりあいを仕掛ける弟勇次。 ...
「おさがしの本は」の姉妹編。 前作と同じN市を舞台に、文学館の廃止を受けて、文学館の嘱託として働いていた老松郁太が奔走する。 ある失踪した小説家が残したサイン入りの遺稿集の謎。 兄郁太を実業家に戻そうと、人はなぜ小説を読むのかと言う言葉のなぐりあいを仕掛ける弟勇次。 所々で前作の和久山さんが出てきて、奥さんの話しとかしちゃったり、結構ここでも頑張ってる姿が良い! でも、兄弟の言葉のなぐりあいで、郁太がなぜ人は小説を読むのかの答えをいくつか出していく過程があったらいいのに。 (あったけど読み取れなかったのかなぁ)
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