ヘイトスピーチ の商品レビュー
ヨーロッパ諸国ではナチの人種差別的プロパガンダの影響を受けて、戦争終結までに先導的言論を全面的に規制する律法を行ったが、これはごく当然と思われるかもしれないが、実際は必ずしもそうではない。ほとんどの西欧諸国は、その後数十年間何もしなかったのである。ただしドイツとオーストリアではナ...
ヨーロッパ諸国ではナチの人種差別的プロパガンダの影響を受けて、戦争終結までに先導的言論を全面的に規制する律法を行ったが、これはごく当然と思われるかもしれないが、実際は必ずしもそうではない。ほとんどの西欧諸国は、その後数十年間何もしなかったのである。ただしドイツとオーストリアではナチのレトリックや象徴を禁止るする反ナチ法が作られている。しかし法律が他のヘイトスピーチにまで対象を広げるようになったのは1960年代になってからのことである。ここでも先頭に立ったのはドイツだった。1960年には、憎悪を扇動したり、特定の人々を秩序を乱すようなやり方で侮辱したりすることを違法とすることが、全会一致で可決された。こうした規定はヘイトスピーチだけに商店をあてたものではなかったが、その意図と拝啓にはユダヤ教の集会や墓地に対する冒とくが続いたことや、国境を超えるユダヤ民族の活動を非難するパンフレットを配布したハンブルグの実業家を裁判所が罰することができなかったことなどがあった。また1970年代初めには、人種的、宗教的な集団を直接攻撃する出版物を金するという規定が刑法に追加された。
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エリック・ブライシュ『ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか』明石書店読了。「我々は自由を愛し、レイシズムを憎む。しかし、そうした価値が衝突したとき、我々はどうすればよいのだろうか」。本書は欧米における表現の自由それへの規制を幅広く渉猟し、「人種差別主義者になる自由?」...
エリック・ブライシュ『ヘイトスピーチ 表現の自由はどこまで認められるか』明石書店読了。「我々は自由を愛し、レイシズムを憎む。しかし、そうした価値が衝突したとき、我々はどうすればよいのだろうか」。本書は欧米における表現の自由それへの規制を幅広く渉猟し、「人種差別主義者になる自由?」(原題)の問題を明らかにする。 規制の代表はイギリスに見られるように厳格に望む立場。自由の代表はアメリカだが州によって対応が異なる。規制と自由の軌跡、そして市民運動の現在を報告する本書を読むと、どの立場をとろうとも、日本に置ける対応の遅れは明らかになる。自由の擁護と差別の是正は固定的立場で捉えることは難しい。その緊張関係に対して実践的に対応する必要があるのではないだろうか。「人種差別主義者になる自由?」そんなものは存在しない。
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理屈っぽい話はあんまりなくて私にはあれだけど、事実関係が豊富で勉強になる。国内では類書あまりおもいつかないので貴重。訳出したのはえらい。簡略だけど索引もついている。
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