ヨーロッパ覇権以前(下) の商品レビュー
13世紀にユーラシアで成立していた交易ネットワーク(世界システム)について述べる中で、下巻では紅海、インド、マラッカ海峡、中国に言及する。 世界は各エリアごとに中心となる勢力があり、それら異文化が互いの存在を認めつつ交易していたとする。 その世界システムが(ペストをはじめとする...
13世紀にユーラシアで成立していた交易ネットワーク(世界システム)について述べる中で、下巻では紅海、インド、マラッカ海峡、中国に言及する。 世界は各エリアごとに中心となる勢力があり、それら異文化が互いの存在を認めつつ交易していたとする。 その世界システムが(ペストをはじめとする理由で)衰えた後になって、ヨーロッパによる覇権が始まるが、それは質的優位による必然的なものなどではなくタイミングの妙みたいなものだとされる。 他地域に対して侵略的に振る舞う勢力(ヨーロッパ)に対して耐性がなかったという意味ではヨーロッパの異質性が効果的に機能したのだといえそうだが。 上巻に比べると史料の少なさもあって概観にとどまっている印象で、エキサイティングさには欠けるけど、面白いことは確か。
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