1,800円以上の注文で送料無料

チェレンコフブルーの月 の商品レビュー

4

2件のお客様レビュー

  1. 5つ

    0

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2016/05/01
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ユキコ=ワタシ? アキラ=ワタシ? タエコさん=ワタシ? 郁美=ワタシ? 放射能事故。 独居老人。 社会派小説。 何となく敷居が高く感じてみたり 近いんだけど遠い社会問題。 そんな頭でっかちな私が 献本の紹介に 引き込まれてしまい その気持ちが伝わったのか 献本で頂く事が出来ました。 内容については この本の詳細項目に 紹介されているので 私は ただただ感想を書き記します。 上記でも表現したように 何度となく、首を傾げました。 37歳独身の主人公のユキコさんは 本当に “私じゃないの??”って。 甘えたいんだけど 甘えられない。 オンナノコなの! 自分の強さは 仕事や知識(頭脳)で表現させる。 女性としての美を保ち 母性も慈しみの心も自信もある。 頭は良いからこそ 女としての幸せは何なのかとの 答えはわかってるはず。 だけど なのに だからこそ それを素直に受け入れられない。 それを素直に甘えられない。 そんなユキコは私みたい。 それをひとりで受け入れる。 ひとりでも前に進み続ける。 強い信念と気持ちとを持って! そんなユキコは やっぱ 私とは全然違うな・・・ 復讐だとか卑怯な男性なんだけど 自分を責める事を 生きる目標としているアキラ。 私にとっても惹かれる男性。 葛藤の中でも 復讐の火を加熱させる。 それが愛する人の為だとしても しっかり自分の幸せをみつけだした 郁美。 許嫁、疎開、大空襲。 愛する夫の喪失。 幸せな日々から孤独な毎日。 そんな瞬間を 幾度となく経験したはずであろう 資産家タエコさん。 やっぱり生きていく為には 金だけではなく温かさ。 人恋しく 何かにすがりたくなる そんな素直な気持ちを受け入れて 愛のある 安定した生活を手に入れた。 なのに アキラの若さを犠牲とした生き方に 報いたいと。 そう この物語の人たちは みんな みーんな 優し過ぎるんだよね。 人の気持ちが わかり過ぎちゃうんだよね。 だけど みんな 強い!! それぞれの幸せを 自分でちゃんとみつけられて 良かった良かった♪ と 自分に都合よく捉える私は 今 スッキリしてほんわかしてます。 本当ならば 物語の中で出てきた 〝無人島での日本人の姿〟 全てが込められているのでは!! と突っ込んで書くべきかも 知れないけど この本を読んだ方々が それぞれ感じる事考える事が 大切かな?と思うので 書かずにおきます。 敷居は高く感じられたけど 工藤家の玄関先の四季の花々には 日本ってやっぱり素晴らしいな♪ と感じさせられますよ。 放射能事故や独居老人問題 全然、遠くありません。 すぐ近くの問題です。 誰もが主人公になり得ます。 素敵な本に触れあえて 素晴らしい作者に出逢えて とても嬉しく幸せです。 献本ありがとうございました。 多くの方々にも このような本を通して 社会問題に対しての メッセージが届きますように。

Posted byブクログ

2014/02/12

物語の背景色はブルー 物語は淡々と流れていく。でも、そのブルーはとても深く、物語にも語られない深い思いがある。 チェレンコフブルー それは核分裂で発生した中性子が、水の中を通るときに見えるブルー。 人間が直接見てはいけないブルー。 主人公のユキコが暮らしていた町で起きた放射線漏...

物語の背景色はブルー 物語は淡々と流れていく。でも、そのブルーはとても深く、物語にも語られない深い思いがある。 チェレンコフブルー それは核分裂で発生した中性子が、水の中を通るときに見えるブルー。 人間が直接見てはいけないブルー。 主人公のユキコが暮らしていた町で起きた放射線漏れ事故。 作業員は、そのブルーを見た。 放射線漏れ事故発生。しかし、当事者である工場と政府はなにが起きたか、どんな状態になっているかについての情報を住民に伝えなかった。 不正確な情報を持った住民たちは、放射線防護されていない無防備な状態で避難行動を行い、そして完全に被爆した。 ここまでの話は、物語の背景に過ぎないが、本書が書かれたのはおそらく2011年3月の福島第一原子力発電所の事故が発生した以後。そして、情報が隠ぺいされ政府によって騙された住民たちが被曝し人災による被害者を生み出した事実が、この物語の主人公たちの行動の理由になっていると思う。 もうひとつの題材は、つれあいに先立たれた独居老人。最後まで看取る責任を負うというのはどういうことか。 肉親ではない、老人を最後まで看取る理由とは、そして、その動機は表に現れている直接的な理由だけなのか。 物語の背景色はブルー 物語は淡々と流れていく。でも、そのブルーはとても深く、物語にも語られない深い思いがある。

Posted byブクログ