1,800円以上の注文で送料無料

危険な関係 の商品レビュー

4.8

5件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    0

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2020/07/20

読みだしたら止まらない。手紙を盗み見ている感覚が後ろめたい気持ちを醸す中で物語が進むせいか、悪い奴だと糾弾するには登場人物と読者である私の距離が遠い。遠いからこそ「でっ!?でっ?どうなる??」とどんどん引き込まれていく。悪い人は悪い顔で近寄ってくるのではなく味方として現れる。疑心...

読みだしたら止まらない。手紙を盗み見ている感覚が後ろめたい気持ちを醸す中で物語が進むせいか、悪い奴だと糾弾するには登場人物と読者である私の距離が遠い。遠いからこそ「でっ!?でっ?どうなる??」とどんどん引き込まれていく。悪い人は悪い顔で近寄ってくるのではなく味方として現れる。疑心暗鬼になりそう。題名もこれ以上ないほど秀逸で古典って残るには理由があるなと。やっぱりすごい。

Posted byブクログ

2016/03/12
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

誰も幸せにならない胸糞小説なのに、何でこんなに面白いんだ。 すべて書簡形式で綴られているので、展開が行間を読む(?)感じになるけど、とにかく面白かった。 ヴァルモンあっさり死に過ぎだし、後先考えずヴァルモンを出し抜こうとするメルトイユもアホだと思う。でも、そうなってしまったことに納得(笑) 狂死(憤死かなぁ)した法務長夫人が哀れだけど、その鬼気迫った狂いっぷりがまたすごいと思う。

Posted byブクログ

2014/11/05
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

[ 内容 ] 誘惑、凌辱、そして恋…革命前夜のフランス上流社交界を舞台に繰り広げられる、誘惑者と恋する者の心理戦。 「征服すること」を自らの使命とした男女二人の誘惑者のパワーゲーム。 快楽か情熱か、征服かそれとも破滅か? フランス恋愛小説の白眉、待望の新訳。 [ 目次 ] [ 問題提起 ] [ 結論 ] [ コメント ] [ 読了した日 ]

Posted byブクログ

2014/09/15

「ツンデレ男女の危険な恋愛ゲーム 」 18世紀革命前夜のフランス上流社交界。稀代の策略家・メルトゥイユ侯爵夫人は、自分を捨てた伯爵ジェルクールへの復讐のため、その婚約者である令嬢15歳のセシルを、自分のかつての恋人であり「同志」であるヴァルモン子爵に誘惑させる。名高いプレイボー...

「ツンデレ男女の危険な恋愛ゲーム 」 18世紀革命前夜のフランス上流社交界。稀代の策略家・メルトゥイユ侯爵夫人は、自分を捨てた伯爵ジェルクールへの復讐のため、その婚約者である令嬢15歳のセシルを、自分のかつての恋人であり「同志」であるヴァルモン子爵に誘惑させる。名高いプレイボーイのヴァルモンは一方で、貞淑で信心深い美しきトゥールベル法院長夫人を征服しようと画策する。「夫人を見事陥としたなら、その褒美として私はあなたのものとなる」とメルトゥイユ侯爵夫人はヴァルモンを挑発し、かくして禁断の恋愛ゲームは始った。  あまりに過激な内容で「禁断の恋愛小説」とされた本書は、主役であるメルトゥイユ侯爵夫人、ヴァルモン子爵のほか彼らに翻弄されるトゥールベル法院長夫人にセシルやその初恋の青年である初心な若者ダンスニーといった関係者の175通に及ぶ手紙のやりとりのみで書かれていきます。  その柱となるのはメルトゥイユとヴァルモンとの策略なのですが、「同志」と称するこの二人からして、甘い言葉を交わしながらも、互いの嫉妬心をあおり、時には挑発するといった具合に一筋縄ではいきません。まさにそれは恋愛をめぐる心理戦であり、常に緊張関係にある二人の手紙によるやり取りの間に、彼らの思うままに心や行動を操られていく男女の姿が浮かび上がってきます。  読者は、当事者たちが一対一で書いているつもりの手紙を全て読んでいるのですから、何が表で何が裏かということが全て見通せてしまうわけです。その全容の残酷さに震憾するとともに、これだけの手紙を見て各人のその心情を知りつつも、なおその人の心の裏にあるものを感ぜずにはいられず、それがこの恋愛ゲームをいっそう危険なものにしていることを見せられることになります。  いかなる策略をめぐらそうともゲームは彼らの思うとおりには進みません。相手に反応して刻々と変化していく心というものを持った「人」がそこに介在している限り。かくして彼らのゲームは怒涛の結末へなだれこんでいくことになるのです。

Posted byブクログ

2014/04/11

新訳で再読。人間心理を描いた最高傑作だと思う。甘い喜び、そわそわする気持ち、逢えなかった時の悲しみ、裏切られた絶望感、どす黒い嫉妬心、恋の駆け引きと恋愛のすべてがある。手紙には書かれなかったこや行間からにじみ出る気持ちを想像する楽しみ。複数の人物たちの間で手紙が乱れ飛び、省略され...

新訳で再読。人間心理を描いた最高傑作だと思う。甘い喜び、そわそわする気持ち、逢えなかった時の悲しみ、裏切られた絶望感、どす黒い嫉妬心、恋の駆け引きと恋愛のすべてがある。手紙には書かれなかったこや行間からにじみ出る気持ちを想像する楽しみ。複数の人物たちの間で手紙が乱れ飛び、省略された手紙があったり、必ずしも本心を書いているわけでもなく、出来事もまた手紙を書いた人の主観で書かれるため真実がわからない。つまりナボコフの小説のように誰も信用できないのだ。18世紀文学なのに20世紀文学のように思える不思議。 革命前のフランス貴族たちの恋愛遊戯。リベルタンたちの熱い駆け引き。喜んだり笑ったりしてるうちにヴァルモン子爵と同じくトゥールヴェル法院長夫人に恋していることに気づく。ああ、あの喜び!そして胸が痛くなった。メルトイユ侯爵夫人はコケティッシュで可愛らしいんだろうなぁ。サドのジュリエットのようだ。ヴァルモンがよりを戻したがっているように書かれるが実はメルトイユの嫉妬にヴァルモンが引きずられたと想像する。メルトイユとヴァルモンの関係は「恐るべき子どもたち」と似ている気がする。 第3部からはエンジンが点火して一気に読み進んだ。あらすじも解説にあるし、一度読んでるのに。図書館で借りて延長したので読み終わらないかと思ったけどほっとした。新訳だけど、前に読んだ岩波文庫と比べてもあまり差はないかなぁ。解説はわかりやすくてお勧め。何度でも再読したい。

Posted byブクログ