物語の法則 の商品レビュー
序盤の口述筆記のような書きぶりに「どうした、マニュアル化大国アメリカ」と思ったが、第6章からは実に読みやすい、さすがの抽象度の高さ。ありきたりでもパクリでも、本書に沿って一本書き切ればかなり腕を上げることができるだろう。
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二人の筆者というのがよかった。独りよがりにならず、実践的で。 知っていることは復習し、知らなかったことは今の作品から生かせるようにマインドマップにまとめた。 特に『シーンは重要な取引』と『キャラクター = 求めるもの + 動き + 障害 + 選択』、『相互アクション』(テニスのポ...
二人の筆者というのがよかった。独りよがりにならず、実践的で。 知っていることは復習し、知らなかったことは今の作品から生かせるようにマインドマップにまとめた。 特に『シーンは重要な取引』と『キャラクター = 求めるもの + 動き + 障害 + 選択』、『相互アクション』(テニスのポイント争いで表現していた)が勉強になった。
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本書は映画のストーリー分析のためのツールをとおして、よい脚本、ストーリーを書くための観点を紹介する内容である。作者は、映画の脚本分析で「英雄の旅」理論を適用して有名になった、クリストファー・ボグラーと、その旧知の仲の演出家、デイビッド・マッケナ。ボグラーは、「神話の法則」という前...
本書は映画のストーリー分析のためのツールをとおして、よい脚本、ストーリーを書くための観点を紹介する内容である。作者は、映画の脚本分析で「英雄の旅」理論を適用して有名になった、クリストファー・ボグラーと、その旧知の仲の演出家、デイビッド・マッケナ。ボグラーは、「神話の法則」という前著が、物語作家の必読書といわれているが、残念ながら絶版になっている。 その「神話の法則」の元になった英文7ページのメモ「覚え書」が掲載されているだけでも、購入の価値がある。 もちろん他の部分も、実用的だし新しい視点が多い。また、実際にプロの物書きになるための心構え、習慣化するべきことなど、大切なことを教えてくれる。
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2つの軸から、storyの建て方とキャラクターの開き方と。 ・ハリウッドはのるかそるかの業界で、めったに何かを教える時間など割いてはくれないが、私は自分のキャリアの初期、オライオン・ピクチャーズのリーディング担当者をやっていたころに、有益な教えを受けた経験がある。 あるストーリ...
2つの軸から、storyの建て方とキャラクターの開き方と。 ・ハリウッドはのるかそるかの業界で、めったに何かを教える時間など割いてはくれないが、私は自分のキャリアの初期、オライオン・ピクチャーズのリーディング担当者をやっていたころに、有益な教えを受けた経験がある。 あるストーリー編集者がリーディング担当者ミーティングの席上で、あなたたちは誰ひとりとしてシーンというものの意味がわかっていない、と告げたのだ。 私は驚いた。わかっていたつもりだった。 シーンとは、映画の短い断片で、ある場所で一定の時間に起きたある動き、そこに与えられた情報を描いているものだと思っていた。 しかしその編集者は言った。ちがいます。 彼女は、シーンというのは、“ビジネス取引”の場なんだと説明した。金は絡んでいないかもしれないが、キャラクターのあいだでの政治的便宜、もしくは権力のバランスの変化がつねに絡むものなのだと。二人かそれ以上の人物が、そこにある一種の取引の処理に介入し、交渉なり闘いなりを繰り広げる。新しい契約が結ばれた時点で、そのシーンは終わらなければならない。 >>/> 変化の取引が意識されていないシーンは、無意味なのか。観客的視点ではシーンの意味など見えない。強烈なプロフェッショナリズム。 ・この研究の過程で、キャンベルは、世界の英雄伝説が基本的にすべて同じだということに気がついた―無限のバリエーションのなかで、同じ物語が何度も繰り返されているのだということに。 意識的か否かはともかく、すべての物語構成は神話の古くからのパターンに従っており、粗野なジョークから至高の文学作品まで、すべての物語は英雄伝説に置き換えて理解できる。 これが、キャンベルがこの本に示した、“貴種流離譚(モノミス)”の原理である。 ①日常世界→②冒険への誘い→③冒険の拒否→④賢者との出会い(冒険世界の先達からの指導)→⑤戸口の通過→⑥試練、仲間、敵→⑦最も危険な場所への接近→⑧最大の試練→⑨報酬→⑩帰路(冒険世界との別れ)→⑪復活(故郷の入口での再びの試練)→⑫宝を持っての帰還 >>/> 貴種流離譚に大きな原型があると語ったのでは “無く”て、すべての物語がそれだと言ったのか!そうか、それはすごい。「千の顔を持つ英雄」を読まないと。 ・ホッジ教授は、僕に自作の台本をさんざん読み返させ、そこにある秘密を掘り出させようとした。いくつかの “環境的事実”について、まとめ文を書かせるのだ。 “環境的事実”とは、日付、場所、社会的環境(ex一般的価値観)、政治的環境(ex権力構造)、宗教的環境(ex信念)、経済的環境のことである。ひとつにまとめた全体像ではなく、書く環境的事実について個々の短文を書く。 …ホッジは僕に確約した。もし僕が、自分の書いた“環境的事実”のまとめや、“求めるもの”“相互アクション”“両極対立”の調査から手がかりを見つけだし、正しく解釈できれば、ライターが最初にイメージしていた特別な三次元の世界に入ることができ、その世界を理解できるはずだと。 二次元の脚本をそのままの形で、魅惑的な生き生きとしたパフォーマンスに変えることができるはずだ、と。 >>/> 二次元の脚本の前に三次元のイメージがあるのですよね。ああ、本当にそうだ。
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ジョセフキャンベルのヒーローズジャーニーやプロップの物語論によるハリウッド映画の脚本の分析。 紹介されている映画は、ヒット映画だけあって実際に 観てみるとハズレがない。 キューティブロンドとか、自分では絶対に手に取らない作品だが、観てみるとすごく面白かった。 ただ、実践的なワーク...
ジョセフキャンベルのヒーローズジャーニーやプロップの物語論によるハリウッド映画の脚本の分析。 紹介されている映画は、ヒット映画だけあって実際に 観てみるとハズレがない。 キューティブロンドとか、自分では絶対に手に取らない作品だが、観てみるとすごく面白かった。 ただ、実践的なワークの部分がわかりづらい。 ハリウッドの映画分析系の本や創作系の本はどれも 引用や例や体験談が多く、実践部分がわかりづらいのが やや難というかとても難である。 ほとんど自画自賛だし。よくやったぜディビット!とか 著者二人がお互いに褒めあっている。しかもアメリカンなノリで…(笑) この手の話になると必ず出てくる大塚英志があとがきを書いていて面白かった。 映画が好きな人にはおすすめ。脚本の骨組みが見えてくる。
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物語を構成する要素・機能をシステマティックに分析、物語を書く人、物語をさらに楽しみたい人のための書。 子どもの頃、戦闘機乗りの物語を読むのが好きだった。初期の物語は個人が輝く物語で溢れている。しかし、やがてその物語は変質していく。初期の個人の物語が終わり、ロジックに支配されるシ...
物語を構成する要素・機能をシステマティックに分析、物語を書く人、物語をさらに楽しみたい人のための書。 子どもの頃、戦闘機乗りの物語を読むのが好きだった。初期の物語は個人が輝く物語で溢れている。しかし、やがてその物語は変質していく。初期の個人の物語が終わり、ロジックに支配されるシステムの世界へと変化していくのだ。 国によって考え方のプロセスは異なる。どちらかが優れているというものでもない。けれど、物事をシステマティックに分解し再構成する能力をプロセスとして持つかどうか、そして、そのようなプロセスを習慣化するほど身につけているかで、彼我の差は生まれていく。 本書は、物語を構成する要素・機能をシステマティックに分析し、自らの物語を構築するための道具群について述べている。本書は、物語を書く人だけではなく、物語をさらに楽しみたい人のための書だ。 内容が目新しいというわけではない。多くの部分はすでに語られたものかもしれない。けれども、ここまで振り切って、道具として割り切り、システマティックに、ある意味、愚直に、物語の要素と機能を再整理したことの価値は高い。 ましてや、物語に対する視点が少ない私のようなものにとっては、物語をいままでとは異なる視点で眺めることができる。
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