現象数理学入門 の商品レビュー
ざっと眺めています。対象は、全くの素人、というよりは、ある程度基礎がある人、かな。いろいろな話題があって面白そうです。
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生命、自然、社会の複雑系を数学的アプローチで解明を試みるのが現象数理学である。現象数理学そのものの技法を解説するというよりも、現象数理学を使って何ができるかに重きを置いた内容となっている。そのためアリの行動や渋滞、バブル経済と広範にわたるトピックの解析が試みられている。 現象...
生命、自然、社会の複雑系を数学的アプローチで解明を試みるのが現象数理学である。現象数理学そのものの技法を解説するというよりも、現象数理学を使って何ができるかに重きを置いた内容となっている。そのためアリの行動や渋滞、バブル経済と広範にわたるトピックの解析が試みられている。 現象数理学ではモデル化が重要であるが、そういった手法についてはそれほど深く解説がなされてはいない。というのも汎用的なモデルがまだそれほど存在せず、また、分析対象の特徴を捉えて組み立てていくものだからである。単にモデルの雛形を求めているのであれば本書はそれほど役に立たないと感じるかもしれないが、そもそも現象数理学はモデルをいかにして構築するかが肝要であり、何らかの雛形はあるにせよそれをそのまま使って解析するようなアプローチは間違っていると言わざるを得ない。実際に冒頭で簡単なモデルで検証を行い、必要に応じてモデルの組み立てを行い解析を進めるというアプローチで論が進められている。 現象数理学の入門であるが、技法の入門ではなく考え方の入門である、と捉えることができれば、現象数理学に限らず様々な分野への応用も効くような内容となっている。
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