路上のストライカー の商品レビュー
先輩司書さんにお勧めされたSTAMP BOOKSシリーズ。 その中でもこの本は、心を揺さぶられました。 さくまゆみこさんの翻訳のおかげで、こうしてアフリカの現状を知ることができるのは幸せだと思います。 日本人にとっては想像を絶するような過酷なことばかり起こりますが、とにかく先...
先輩司書さんにお勧めされたSTAMP BOOKSシリーズ。 その中でもこの本は、心を揺さぶられました。 さくまゆみこさんの翻訳のおかげで、こうしてアフリカの現状を知ることができるのは幸せだと思います。 日本人にとっては想像を絶するような過酷なことばかり起こりますが、とにかく先へ進むしかない、といった展開にハラハラしながらも読むのを止められませんでした。障害者の兄イノセントと主人公デオの関係も、傍から見たらデオがイノセントの面倒を見ていることになるのでしょうが、デオにとってもイノセントはなくてはならない存在だったのだということが、イノセントがいなくなってからの場面で強く伝わります。 世界には、どれだけ過酷な生活を強いられている人たちがいるのでしょうか。 また、外国人を憎む気持ちは、日本人の一部の人にもある感情だと思います。 今はそれほど大きくなくても、この先日本経済や治安がもっと悪化すると、大きな問題が起こるかもしれません。 読書感想文コンクール高校の部の課題図書だったということですが、10代のうちからこういった問題を知るきっかけとして読んでもらいたいと思います。
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外国人憎悪だったり貧困だったりといった内容、とても深く考えさせられました。 一度は麻薬や自分の弱みに溺れたデオが、大好きなサッカーで人生を切り開いていく姿がとても印象的でした。
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突然やって来た兵隊に村を滅ぼされたデオは、兄のイノセントと共に南アフリカを目指す。トラックの荷台に隠れ、国境の川を歩いて渡り、野獣のいる自然公園を駆け抜けて辿り着いた南アフリカで待っていたのは、外国人に対する憎しみの眼差しだった。 ここ数年、難民や移民をテーマにした物語をよく読...
突然やって来た兵隊に村を滅ぼされたデオは、兄のイノセントと共に南アフリカを目指す。トラックの荷台に隠れ、国境の川を歩いて渡り、野獣のいる自然公園を駆け抜けて辿り着いた南アフリカで待っていたのは、外国人に対する憎しみの眼差しだった。 ここ数年、難民や移民をテーマにした物語をよく読んでいます。そこには想像を絶する状況が書かれています。死と隣り合わせの行程の先に辿り着いた新天地。そこでめでたしめでたしとはならないのですね。 ゼノフォビアという言葉があると知りました。「外国人憎悪」と訳された言葉が表わすものは悲壮なものです。南アフリカでは2008年に外国人への襲撃が行なわれました。そこで殺された人は60人以上だったそうです。 物語の中でもこの暴動が描かれ、そこでデオは兄のイノセントを喪ってしまいます。 イノセントは出生時の事故により「普通」ではなくなってしまう。デオはそんなイノセントを守るのが自分の役割だと思う。でもその関係は一方的なものではなく、デオもまたイノセントに守られていた。だからイノセントを喪ったデオは、今までのどんなことよりも深いキズを負ってしまう。 そんなデオを救ったのがサッカーだった。ホームレスによってチーム編成されたストリートサッカーのチームにデオは誘われる。 故郷を家族を居場所をそして兄を、何もかもを奪い取られたデオはサッカーによって、仲間を居場所をそして自分自身を得ることになる。 遠い国の出来事かもしれない。でも決して異世界の話ではなく地続きのこの世界で起こっている出来事なのです。翻訳小説はそんな遠い国の出来事を眼前に差し出してくれます。そのことによって、自分とは関係のない話ではないことを伝えてくれるのです。それが物語の持つ力なのでしょう。
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「外国の本っておもしろい! ~子どもの作文から生まれた翻訳書ガイドブック」の「1. 外国のくらし」で紹介されていた10冊のうちの1冊。
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デオのたどってきた道・・・ハードでつらい。南アフリカと言えば、アパルトヘイト政策しか知らないでいました。今回、この本を読んだきっかけで、政治状況や歴史経緯など調べたのですが。今現在、こんなに混乱しているのですね。ゼノフォビア(外国人憎悪)、日本の最近のヘイトスピーチにも通じると思...
デオのたどってきた道・・・ハードでつらい。南アフリカと言えば、アパルトヘイト政策しか知らないでいました。今回、この本を読んだきっかけで、政治状況や歴史経緯など調べたのですが。今現在、こんなに混乱しているのですね。ゼノフォビア(外国人憎悪)、日本の最近のヘイトスピーチにも通じると思います。
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アフリカが舞台となった小説は初めて読んだ! 2008年にアフリカで、南アフリカで起こった外国人への襲撃を知らなかった。 南アフリカのチームは確かにどのチームよりも精神的に強いんだろうな。経験していることが他の国と違いすぎる。 21世紀はアフリカの世紀 この言葉を強く強く戒めたい ...
アフリカが舞台となった小説は初めて読んだ! 2008年にアフリカで、南アフリカで起こった外国人への襲撃を知らなかった。 南アフリカのチームは確かにどのチームよりも精神的に強いんだろうな。経験していることが他の国と違いすぎる。 21世紀はアフリカの世紀 この言葉を強く強く戒めたい 2016.4.7
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人種問題や貧困問題をベースに、スピーディーにストーリーが展開。 アフリカを舞台にした物語は、日本では考えられないような生活の存在を教えてくれます。 おもしろかった。 高校生の読書感想文の課題図書です。 この本を選んだ人、素晴らしいと思います(^^)b
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自分と他人は違う。それを認識するのは大切なことです。 憧れたり、尊敬したり、逆に反面教師にしたり。 そして羨んだり。 それがやる気や向上心につながったりする。 でも、それがゆがむと、こんなことが起こる。 自分と他人は違う。でも同じ人間なんです。 生きてます、考えてます。 同じ人...
自分と他人は違う。それを認識するのは大切なことです。 憧れたり、尊敬したり、逆に反面教師にしたり。 そして羨んだり。 それがやる気や向上心につながったりする。 でも、それがゆがむと、こんなことが起こる。 自分と他人は違う。でも同じ人間なんです。 生きてます、考えてます。 同じ人間なんです。 立場が違っても、国が違っても。 今もなお、続いている。 同じ人間であることを忘れた行為。
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今年の中高生向け読書感想文課題図書 原題 Now is the Time for Running 今ワールドカップまっさかり ストリートサッカー アフリカの現実 つらい場面が多かったけれど、たくさんの若者に読んでもらいたい 《 さまよって 憎悪におびえ 今走る 》
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中高生向け読書感想文課題図書~デオは14歳,ジンバブエのマシンゴ州で祖父・母・10歳離れた兄のイノセントと暮らしている。楽しみはサッカーだ。ある試合の日,兵隊が乗ったトラックが広場に入り,食料を出せと命じた。僅かな食料を出したが無論満足しない。イノセントは兵士に掴みかかって拘束さ...
中高生向け読書感想文課題図書~デオは14歳,ジンバブエのマシンゴ州で祖父・母・10歳離れた兄のイノセントと暮らしている。楽しみはサッカーだ。ある試合の日,兵隊が乗ったトラックが広場に入り,食料を出せと命じた。僅かな食料を出したが無論満足しない。イノセントは兵士に掴みかかって拘束され,袋を被されて杭に縛り付けられている。目を離した僕が悪かったと考えたデオは母がアメリカの教会に頼んで届いた食料を奪うことに夢中な兵士の裏を搔いて,イノセントを救い出したが,住民の虐殺が行われて,村に居ることは不可能になった。母と親しいワシントン警部に救いを求めたが,大統領支持派の若者に乱暴を働かれ,早々に国境の町,ベイトブリッジ行きのトラックに乗せられた。マイ・マリアを探しだし,ポーチ代わりのサッカーボールからなけなしの十億ドルを渡して,国境の川を越える道案内を依頼することができた。漸く川を渡り,南アフリカ側に来たが,自然保護区は駆け続けなければならない危険地域だ。一番の危険はライオン。フェンスまで皆で行き着き,電流をかいくぐって,ぐったりしていると,拾いに来たトラックはトマト農場へ連れて行った。寝る場所と無料の食事が出て,日曜には村までサッカーに行けるが,そのサッカーで弟がゴールを決めて,はしゃぐイノセントに村人が切れ始めた。難民を拾って安い賃金で働かせる農場主によって,村人は職を失ったのだった。農場に居られないと感じた兄弟はジョハネスバーグに移り,橋の内部に住まいを見つけたが,アレクサンドラ・タウンシップで起きたゼノフォビア(外国人憎悪運動)で,イノセントは焼き殺されてしまった。自棄になってケープタウンでかっぱらいの生活を続け,シンナーに溺れるデオが腰を落ち着かせた橋の下に,サッカーボールが降ってきた。高速道路を走るトラックの荷台から,南アフリカのストリートサッカーのコーチがネット入りのボールを落としたのだった。テクニックを認められ,難民ながらも代表チームに入ったデオは,ブラジルとの決勝に臨む~ホームレス・サッカー・ワールドカップの話はニュースで見知っていたが,南アの成功で毎年開催されるようになったとは知らなかった。日本でホームレスと言えば,中高年!とイメージしてしまうが,子どもの路上生活者が世界にはたくさん居るんだよね。日本代表は野武士ジャパンと銘打ったが,落ち武者のイメージだよね・・・そう・・・若者に希望を与える催しであって欲しいね。中高年にも夢や希望があって良いけど。ま,そこらへんを読み解かせようという意図がありありの課題図書でした。このシリーズは10代からの海外文学というキャッチコピーで岩波書店が考えたもので,目印は切手(stamp)。ティーンの喜びや悩みを綴った作品のシリーズだというが,今の若者が手を伸ばすだろうか。まあ・・・図書館の職員は岩波”神話”を見知っているだろうから,セールスに引っ掛かるだろうけど
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