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亡霊クラブ怪の教室 の商品レビュー

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2024/03/28
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恐怖や不安や、悲しみといった負の感情。それらが集まるといわれる怪の教室には不思議な子供達がいます。負の感情に疲れたならば、彼らが振る舞ってくれるお茶を飲んで存分に癒されて行ってください。 *** ポプラ社から出ているホラー小説を探していたところ発見したこちらの一冊。ポプラポケット文庫の存在は知っていたがこのレーベルは初めて見た。『ポプラポケット文庫”ガールズ”』となっていることから少女向けの怪談集かな?ほかの本は恋愛系だったり友情系だったりするのでこのレーベルでは異色の存在の様子。全3巻のシリーズものとは知らなかったので、2巻から先に読んでしまう形となってしまった。 さて、内容であるがあらすじに「マイナスな気持ちが集まる場所」とあるだけあって人間の嫌な気持ちが引き金となって起こる怖い話が多かった。特に一番最初の話である「パソコンからのびる手」とその話に関連している「ゆれるろうそく」。中学受験戦争をめぐる「パソコンからのびる手」だけでも蔑みや嫉妬などの負の感情が渦巻き、ライバルを排除するために怪異を利用するという主人公のあくどさに驚き辟易したものだが、「ゆれるろうそく」を経て別視点からこの物語を再度読んで更に恐怖した。この話に出てくる主人公は一話目に出てくる主人公より冷徹だ。今まで溜まっていた鬱憤や騙され命に危険が迫ったという恨みあるので、仕返しされた側の自業自得だとは思うが、それにしても徹底的に排除してやるという姿勢が怖い。最近の子はこういう感じの人間関係なのだろうか。全部が全部そうだとは限らないが、打算で付き合ったり表面だけ仲良くしてたりという事はあるのか……? 大人の様な駆け引き(あるいはそれ以上)が繰り広げられ、それが恐ろしく感じるのは、後先も考えず、取り繕わずそのまま負の感情をあらわにしているからか……。 仲良くしているはずの友人の腹の中がこんな具合だったら心が折れそう。そんなに互いを小馬鹿にして心の中で罵り合うなら、さっさと縁を切ればいいと思うのだが、そうはいかないところが人間関係の難しいところなのかもしれない。なんだか、人間の縮図をそこに見たという感じで、怪異より人間のマイナスエネルギーを持った感情の方が怖かった一冊だった。

Posted byブクログ