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拝啓 静生百句 の商品レビュー

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2024/03/08

俳人で「岳」主催の宮坂静生さんの百句を、「岳」編集長の小林貴子さんが解説した本である。ありがたいのは、それぞれの句のどこがポイントか、詳しく説明してあること。例えば、同じ取り合わせの句でも、「石壁に“Love is Art”夕虹濃し」は観念象徴、「そのかみの麻績御厨(をみのみくり...

俳人で「岳」主催の宮坂静生さんの百句を、「岳」編集長の小林貴子さんが解説した本である。ありがたいのは、それぞれの句のどこがポイントか、詳しく説明してあること。例えば、同じ取り合わせの句でも、「石壁に“Love is Art”夕虹濃し」は観念象徴、「そのかみの麻績御厨(をみのみくりや)梅雨穂草」は気分象徴というように大変勉強になる。「神棚に祀る鋸雁渡し」「年の夜やポストの口のあたたかし」「一片の夢も信ぜず狩人は」「白菜を翼はづせるごとく剝く」「はらわたの熱きを恃み鳥渡る」「わたつみにみたりとられし夏爐守」「草引くと子どものこゑが地中より」「こひびとのはだか描きて戦没す」「捕虫網白きは月日過ぎにけり」「わらび折るたび新しきわれなりし」「白萩や妻子自害の墓碑ばかり」「たましひも洗いたてなり水鳥は」「するすると白鳥が解け白き紐」「一日がたちまち遠し山ざくら」

Posted byブクログ