素湯のような話 の商品レビュー
取り上げる題材もだが、この人の文章に完全にやられてしまった。世俗の欲にあくせくせず、超然と落ち着いた人となりが行間に溢れている。
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このころの文壇の人の話を読むとかならず上野界隈は出てくるものだと思いましたが、この人は散策(かなり遠くまで散策)がお好きなので、散策しながら眺める筑波山を誉める話があったのが面白かった
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しみじみと、じわりと心に染み渡る文章でした。 面白かったです。 ふらりとどこまでも散歩にいったり、そこでもなんでもない小路や裏道を通ったり。好きなものを眺めたり。戦火で焼け出されたりしても、なんだか穏やかで楽しそうな暮らしです。 「まことに生き難い世ではあるが、如何なる処、如何な...
しみじみと、じわりと心に染み渡る文章でした。 面白かったです。 ふらりとどこまでも散歩にいったり、そこでもなんでもない小路や裏道を通ったり。好きなものを眺めたり。戦火で焼け出されたりしても、なんだか穏やかで楽しそうな暮らしです。 「まことに生き難い世ではあるが、如何なる処、如何なる物の中にも美しさと味いとを見出だしたい。物の上にも心の上にも。ーーーそんな希望だけでも残って居るうちは、私もまだ打ちひしがれずに生きて行かれるかもしれない」 「人というものは「愛する心」を失わない中は、如何なる境遇にも堪えて行かれるものである」 「然し私は天下に無駄というものはないのだと信じて居る」 心を鎮めたいときにめくるのに良い本でした。
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缶入りのクッキーを味わうように、ゆっくりと読んだ一冊。 この本を読んで知ったのが、岩本素白も散歩ものであったと言うこと。 ほぼ同時期を生きた永井荷風の江戸憧憬と似ているものの、ちょっと違うかな。 その違いをじっくりと考えてみたい。 戦中、疎開先の信州で詠んだ歌が、何ともいえぬ喪...
缶入りのクッキーを味わうように、ゆっくりと読んだ一冊。 この本を読んで知ったのが、岩本素白も散歩ものであったと言うこと。 ほぼ同時期を生きた永井荷風の江戸憧憬と似ているものの、ちょっと違うかな。 その違いをじっくりと考えてみたい。 戦中、疎開先の信州で詠んだ歌が、何ともいえぬ喪失感を孕んでいて、心打たれた。
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とても引き締まった文章。東京の地理が分かっていれば、もっと面白いんだろうと思う。 枕草子と徒然草に関する文章が興味深かった。原文を読みたくなる。 (2014.10)
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