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いのちと重金属 の商品レビュー

3.8

4件のお客様レビュー

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2015/02/26
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

テーマとしては非常に重要なものであるのは分かるがこの作品でこそ訴えられているものというのが薄い気がする。重金属は人間にとって重要だよ、けど歴史を見れば健康被害も出てるよとか他の作品でも言っていることが多い。真実の羅列はどの本にでもあるのでそこからどうすればよいのか、作者はどう思うのかをもっと切実に訴えてほしかった

Posted byブクログ

2014/08/03

水俣病に関する記述はよく整理されており、改めて再確認ができた.行政や企業の非人間的な行為は人間の弱さを表しているのかな.第2章の地球の生い立ちを細かくしかも分かりやすく説明しているのは素晴らしい.重金属との折り合いをどう付けるかが、これからの人類に課せられた課題だろう.

Posted byブクログ

2014/05/21

おもしろくて、分かりやすい。地球と人類の歴史を「重金属」を中心とする化学物質の数の拡大という側面から教えてくれる。 地球の誕生とともに生まれた元素は、元素番号82の鉛まで。以降の物質はその後の環境変化などで生まれたものだ。もちろん人間が作り出した物質が一番多いわけだけど。 最初の...

おもしろくて、分かりやすい。地球と人類の歴史を「重金属」を中心とする化学物質の数の拡大という側面から教えてくれる。 地球の誕生とともに生まれた元素は、元素番号82の鉛まで。以降の物質はその後の環境変化などで生まれたものだ。もちろん人間が作り出した物質が一番多いわけだけど。 最初の環境破壊は、酸素がもたらしたというのは目から鱗の事実だ。何より、利益の前ではリスクを過小評価するというヒトの性には首を垂れるばかりだ。

Posted byブクログ

2014/01/22

人類の生活を飛躍的に豊かにした一方で、時に公害の原因となって人類を苦しめる危険な物質、重金属。本書は重金属の入門書(という言い方も変だが)でありながらも、著者の知的射程は科学技術や環境問題と人間のあり方に至るまで広く及んでいる。 重金属と人類の歴史を振り返りながら、著者は「危険...

人類の生活を飛躍的に豊かにした一方で、時に公害の原因となって人類を苦しめる危険な物質、重金属。本書は重金属の入門書(という言い方も変だが)でありながらも、著者の知的射程は科学技術や環境問題と人間のあり方に至るまで広く及んでいる。 重金属と人類の歴史を振り返りながら、著者は「危険なものほど利用価値が高くなる」という一般原則を引き出す。すなわち「人類が文明の躍進を期待し続ける歴史を刻むかぎり、危険な物質を利用していくことから逃れられない」(p.180)のである。 危険な物質を実際に使用するかどうかは、リスクとベネフィットを天秤にかけて判断すれば良いのだが、莫大なベネフィットが得られると想定されるとき、リスクを過小評価してしまう「人間の業」が、その判断を歪めてしまう。そこで著者は、「天秤にかけられているのは他でもない”いのち”です」(p.182)という基本認識に常に立ち返るよう読者に喚起する。 重金属を賛美するのでもなく、また全否定するのでもなく、公害の被害者に寄り添いながら重金属ひいては科学技術との上手な付き合い方を模索していこうとする著者の姿勢には好感が持てる。アカデミックな啓発力が存分に発揮された好著。 それにしても、重金属から見た宇宙誕生〜生命誕生までの物語は、思わずうっとりしてしまうくらい美しくドラマチックだ。

Posted byブクログ