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自閉症スペクトラムとは何か の商品レビュー

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12件のお客様レビュー

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2024/01/14

ASDと定型発達の特性の違いが詳細に理解できた。やはり社会性という観点から考えるとASD特性は不利に働くことになるだろう。ASD特性を差別ではなく特徴、個性と認められる事を理想としているが実際は難しく思う。やはり障害者として配慮され庇護されながら生きていくことになるだろう。あとは...

ASDと定型発達の特性の違いが詳細に理解できた。やはり社会性という観点から考えるとASD特性は不利に働くことになるだろう。ASD特性を差別ではなく特徴、個性と認められる事を理想としているが実際は難しく思う。やはり障害者として配慮され庇護されながら生きていくことになるだろう。あとは本人がそれを認めて自己肯定していけるかが問題である。定型発達症候群というワードは初めて聞いた。多数派だから聞き慣れないが少数派のASDからしてみれば少し奇異に映るのだろう。

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2017/04/11

発達障害に興味がある人は、まずはこの本から読むべきだとお薦めできる良書です。 特に最終盤、いわゆる「健常者」に『定型発達症候群』という”レッテル”を貼ることで、『定型発達症候群』の人々が如何に奇妙な行動を取っているか指摘する下りは、つまり「自閉症スペクトラム」は圧倒的大多数の『定...

発達障害に興味がある人は、まずはこの本から読むべきだとお薦めできる良書です。 特に最終盤、いわゆる「健常者」に『定型発達症候群』という”レッテル”を貼ることで、『定型発達症候群』の人々が如何に奇妙な行動を取っているか指摘する下りは、つまり「自閉症スペクトラム」は圧倒的大多数の『定型発達症候群』の人々で構成された社会では、困難を伴う”個性”の持ち主なだけであるというアンチテーゼは、心に留めておきたい。

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2016/07/23

自閉症の基礎研究者による本。 自閉症研究の流れを紹介し、障害と環境について言及している。 支援者の本にありがちな押し付けがましさがない。

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2015/05/06

 基本的なことをわかりやすく丁寧に書いてある。心の動き、脳とのかかわり、発達からみる自閉症、社会とのかかわりから見る自閉症、自閉症という「鏡」映るもの、個性と発達障害。鏡の中ででてきた定型発達者に満ちた現代社会の特徴など・・・。

Posted byブクログ

2014/12/21

自閉症とは他者との関わり、社会との関わりに困難さを抱える障害であり、スペクトラムとは連続したものという意味。境目がぼんやりしたまま連続的に分布する症候群と考えられている。発達障害の基盤となっている脳の働き方、心の働き方それ自体は良いものでも悪いものでもなく個性の一つにすぎない。と...

自閉症とは他者との関わり、社会との関わりに困難さを抱える障害であり、スペクトラムとは連続したものという意味。境目がぼんやりしたまま連続的に分布する症候群と考えられている。発達障害の基盤となっている脳の働き方、心の働き方それ自体は良いものでも悪いものでもなく個性の一つにすぎない。ところが発達障害の場合、その個性が社会参加を妨げるハードルとなり、日常生活や学業などに困難さを齎す。個性は発達とともに変わるものであり、本人の努力や環境とのめぐり合わせ次第では様々な職業に繋がる才能として開花する可能性がある。時代や場所によって、また科学技術の進展により人間を取り巻く環境は大きく変わっていく。どのような個性が役に立つかのかも変化するということである。自閉症やADHDに伴う行動について本人の我が儘と切り捨てるのではなく、背景にある脳の働き、心の働きを理解し、有効な介入方法を開発するなど、適切な支援に繋げていくことが肝要となる。社会環境を整え社会参加を容易にすることは発達障害を抱えた本人だけの問題ではない。多様な個性が共存し、才能を開花できる社会制度や社会環境を整えることは社会全体に大きな利益となる。発達障害者が社会から保護される存在ではなく社会の一員として参加し、新たな価値を生み出し、自らの可能性を存分に実現する社会。そういう社会が実現すれば、これらの個性を発達障害と呼ぶ必要はなくなる。

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2014/10/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

自閉症の「弟・妹研究」は初めて知った。自閉症児の弟妹の10-20%は自閉症となるため、彼らを研究することで、3歳以前(自閉症は3歳くらいにならないと診断できない)に見られる自閉症に特徴的なものはないか探る研究。

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2014/07/06

自閉症に関して知っておきたい知識がわかりやすくまとまっている最新の本。これから勉強したいという人には今なら間違いなくこれをおすすめすると思う。 ※ただし、筆者がいわく、「発達支援の現場に明日から使える」といった、いわゆる”役に立つ”本ではないかもしれません。 DSM-5という...

自閉症に関して知っておきたい知識がわかりやすくまとまっている最新の本。これから勉強したいという人には今なら間違いなくこれをおすすめすると思う。 ※ただし、筆者がいわく、「発達支援の現場に明日から使える」といった、いわゆる”役に立つ”本ではないかもしれません。 DSM-5という米国精神医学会が2013年に出版した新しい診断基準に対応しているところもポイント。「対人コミュニケーションや対人行動の困難さ」と「限局的、反復的な行動や興味のパターン(こだわり)」という二つの診断基準に沿って、それぞれの背景にあるかもしれない心の働きについての客観的な研究結果をわかりやすく紹介してくれている。その他にも、遺伝子とか脳とか文化とか、自閉症をとりまくさまざまな知見や議論もきちんと抑えてある。 千住先生の本は、「社会脳の発達」も「社会脳とは何か」もそうだったけど、とにかく文章がわかりやすくて、話の展開がスムーズなので本当に読みやすい。専門用語をなるべく使わず、使うときにも丁寧でかつすっきりとした説明しているところが毎回すごいなあと思う。 これくらい自分のことばできちんと説明できるようになりたい。

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2014/04/20

過度にポリティカルコレクトネスに気を使った話は好きではなかったが、発達障害系は社会との関わりにおいて障害が生じるものであって相対的なものであるというのは発見であった。重要な考え方は何度も繰り返され、しつこくはあったが、知的誠実さはよく感じられた。

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2014/04/15

最新の情報を含めた自閉症に関する知見を知ることができる。 自閉症、アスペルガー、ADHDなどと症例を分けることに対する意見に賛否があるだろうが、それぞれの特徴を知ることで定型発達者・否定型発達者が共に生きやすい社会が築かれることにつながると思う。そう考えると、著者のような基礎研究...

最新の情報を含めた自閉症に関する知見を知ることができる。 自閉症、アスペルガー、ADHDなどと症例を分けることに対する意見に賛否があるだろうが、それぞれの特徴を知ることで定型発達者・否定型発達者が共に生きやすい社会が築かれることにつながると思う。そう考えると、著者のような基礎研究の意味は大きいと感じた。 著者は、定型発達の人も、自分たちが無意識のうちに(複雑で素早い脳の働きに支えられて)自然なコミュニケーションができていることを知る必要があるのではないか、と書いています。賛成です。 自分でも分からない複雑なことをやっている自分を知ると、自分の中に思いやりや謙虚さが浮かび上がるのではないかと思いました。

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2014/03/01

人には個性がある。生まれた時から多少なり出来が違う。 放っておけば生命を侵しかねないなら病気、生活に著しく支障をきたすのであればその個性は障害と捉えうるかもしれない。 小中学校時代、私の周囲にも重度ではないが学習障害や自閉症傾向の友人はいた。子ども相手に働く今もそういった児童は...

人には個性がある。生まれた時から多少なり出来が違う。 放っておけば生命を侵しかねないなら病気、生活に著しく支障をきたすのであればその個性は障害と捉えうるかもしれない。 小中学校時代、私の周囲にも重度ではないが学習障害や自閉症傾向の友人はいた。子ども相手に働く今もそういった児童は少なくない。 叱られると一時間はフリーズしてしまう、大人数で遊んでいてもピンチになるとその場しのぎの自分ルールを作ってしまう、諍いとなれば自分の非を絶対に認めず武器をもって相手を痛めつけようとする… こうして列挙するとまるでモンスターのようだが、落ち着いているときや一人遊びに夢中になっている間は大して問題にはならない。 大人からすればこうした子どもの一人二人は気にかけていれば、対処できる(親御さんの立場になれば大変とは思うが)。では子ども社会ではどうか。 いじめっ子からはもちろんのこと、いじめられっこにも「弱いもの」として目をつけられる。憂さ晴らしのターゲットにされてしまう。自閉症傾向が強いと友だちづくりが上手くないこともあって、「仲間」や自分を守ってくれる「味方」が少ないため、「一対多」はもちろん「一対他」の構図になりやすい。 ケンカやいじめをめぐっては、親にもいろいろなタイプがいる。「やられたらやり返せ、絶対に負けるな」と促すもの、「やられても絶対にやり返してはいけない。先生や大人に頼るように」とエスケープを教えるもの、「やられてるひとがいたら守りなさい」と正義を諭すもの…親の立場になれば泣かされて帰ってくる我が子は情けない、強さをもってほしいと願う気持ちもわかる。子ども社会では(自称)仲裁者の子どもが火に油を注ぐ場面も少なくない。 こうした方針や信念、衝動によって自閉症児も定型発達児も日々を過ごしている。お互いが隔離された環境で生まれ育ち幸福を得る社会は幻想である。傷つき、こすれ合いながら、少しずつ相手に見えている世界を想像し、思いあう環境を育むことができれば今より少しいい社会になるのかな、と思う。

Posted byブクログ