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月日の残像 の商品レビュー

3.7

15件のお客様レビュー

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2014/09/08

若き日の松竹撮影所時代の思い出など 故人を偲び、自身も年を重ねた今をどのように生きているのか。 35篇からなるエッセイ集。 「時代はその時代を生きる誰に対しても時代の限界を強いるものだし、誰に対してもなにかを託すものだといえなくもない」 木下恵介さんとのエピソードが書かれた「七...

若き日の松竹撮影所時代の思い出など 故人を偲び、自身も年を重ねた今をどのように生きているのか。 35篇からなるエッセイ集。 「時代はその時代を生きる誰に対しても時代の限界を強いるものだし、誰に対してもなにかを託すものだといえなくもない」 木下恵介さんとのエピソードが書かれた「七回忌もすぎて」が秀逸。 年下の人からの指摘にも耳を傾け そのことに思いを巡らせる「ひとりカラオケ」も良かった。

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2014/04/19

羞恥心を持ち、謙虚さを身にまといつつ、それでいて「大衆的なもの」を容赦なく攻撃する。というのが著者の印象だが、その背景・経緯のようなものが垣間見えた気がした。内容的には自分の死について相当覚悟しているようなので、かなり諦観が漂う。 時代を経るに従い、TVで大衆を攻撃するような内容...

羞恥心を持ち、謙虚さを身にまといつつ、それでいて「大衆的なもの」を容赦なく攻撃する。というのが著者の印象だが、その背景・経緯のようなものが垣間見えた気がした。内容的には自分の死について相当覚悟しているようなので、かなり諦観が漂う。 時代を経るに従い、TVで大衆を攻撃するような内容のドラマを放映するのは憚れるようになり、著者の活躍の場もどんどんと狭まっていったのではないのかと感じた。 大原麗子と母の葬儀の話が印象的だった。やはり人は人の死にイチバン心を動かされるのだろうか。が、自分が死んだ後は周囲の人にとっては自分無き新しい世界の始まりでもあると。

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2014/03/07

山田太一『月日の残像』新潮社、読了。若き日の自身の思い出から、寺山修司論、木下恵介論まで35編。日本を代表する脚本家の良質なエッセー。老いとは「自分には憶おぼえのない自分に出会う」こと。そこに小さな興奮がある。日々を一新しながら丁寧に生きることを諄々と綴る名著。

Posted byブクログ

2014/02/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

著者が埼玉の溝ノ口に住み続ける理由が、浅草育ちでそこにこだわっていたのかと、山の手に住もうと思えば住めるのにあえて郊外に住むのは著者の矜持なのかもしれない。 後妻にきた女性が杉並区のどことなく品のある女性で、でも父親とは最後まで、相性が合わず結局出ていってしまったこと。 その継母に対しての何か割り切れない気持ち。 随分、経ってから電車の中で偶然見かけて、向こうも確かに気づいたのに、お互い声もかけずに別れたエピソードが、心に残った。

Posted byブクログ

2014/02/20

全く筋違いかも知れないが、この作家こそ「不良」かもしれない。何だかそんな気がする。少し怖いところがある、群れない、分かりずらいのを立男にも分かるように表現してくれる。

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