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明治哲学の研究 の商品レビュー

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2020/06/19

著者は西田幾多郎の研究者です。本書では、西田幾多郎もとりあげられていますが、それよりもうすこし早い時期に、日本に哲学を導入した思想家たちがテーマになっています。 本書は三部構成となっており、第一部では西周がとりあげられています。著者は、いちはやく西洋の哲学を日本に導入した彼の哲...

著者は西田幾多郎の研究者です。本書では、西田幾多郎もとりあげられていますが、それよりもうすこし早い時期に、日本に哲学を導入した思想家たちがテーマになっています。 本書は三部構成となっており、第一部では西周がとりあげられています。著者は、いちはやく西洋の哲学を日本に導入した彼の哲学観について検討をおこない、『百学連環』に見られるその思想の全体像を明らかにしています。 第二部では、優れた才能を示しながらも早世し、「忘れられた思想家」となった大西祝がとりあげられています。『良心起源論』を中心に、カントの倫理学への深い理解を示した大西の「批評主義」の立場を検討し、その問題点にもふれています。 第三部は「現象即実在論の系譜」というタイトルで、井上円了、井上哲次郎、清沢満之、西田幾多郎があつかわれています。著者は彼らの思想を「日本型観念論」と呼んで、その諸形態を紹介しています。 専門家以外にはあまり注目されることのないテーマをあつかった本ですが、日本において西洋哲学が受容された最初期について知ることができる内容で、興味深く読みました。

Posted byブクログ