コラプティオ の商品レビュー
約570ページもある大作のため読み疲れもあるが、政治とは何か?正義とは何か?と色々と考えさせられる。日本のODAなど自身の勉強不足についても学んで行きたいと思った。
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政治は言葉ー政策を自らの魂を込めた言葉で語る事で、思いの丈が相手に伝わり、そこで初めて相手が納得してくれる可能性が出てくる。当たり前のことだと思いますが、長らく忘れていた感覚かも知れません。 政治は思想・信条の異なる者同士が集う以上、互いがそれぞれの意見を懸命に語り合い、落とし所を見つけていく作業に他ならないはずです。 故に自分の言葉に力を込めざるを得ないと思います。 「言葉とは力ー私はそう思って闘っている。だから、私は語り続ける。(中略)思いの丈をぶつけて、語る。その時、言葉が力となるんだ」(9頁) 政治家は言葉を扱う仕事と言われていますが、まさしくその通りです。政治に必要な駆け引きなどドロドロし部分は避けて通れませが、まず、言葉がありきと言うのが政治の原点だと思いました。 コラプティオ(corruptio )はラテン語で「汚職・腐敗」の意味だそうです。最後のページに書いてありました。 「権力は腐敗する、絶対的権力は絶対に腐敗する」という有名な言葉がありますが、そのプロセスがうまく描かれていたと思います。どんな聖人君子も権力をもつと腐敗する。それは歴史的教訓で、故に腐敗しても国が成り立つように様々な装置をビルトインさせているのが現代の統治機構であり、第四の権力と言われるジャーナリズムの存在価値です。 この作品の概要を一言で乱暴に言ってしまうなら、衆議院議員の宮藤隼人が、総理大臣になり権力を掌握してから、腐敗していくまでのプロセスと言えるかも知れません。言葉の力で国民の支持を得て、やがて腐敗していきます。一方で暁光新聞社の取材によって腐敗が暴露されていきます。 政治の基本は言葉、また権力の腐敗とその監視等々、政治のあるべき姿をそのまま描いてくれたとも言えます。 第二次安倍政権はモリカケを始めとして、公文書改竄や桜を見る会等々腐敗の案件に事欠きません。それを監視するマスコミの力も弱まっており、一部の記者や新聞社の奮闘で、ギリギリ持ち堪えているのが現状ではないでしょうか。一昔前なら内閣総辞職と言われる腐敗が何度も新聞紙上を賑わせています。 また、安倍首相の国会答弁は、常にメモを見ながらの答弁に終始し自らの言葉で答える事には程遠いです。おまけに質問に誠実に応えるという姿勢にも乏しいです。言葉を蔑ろにしています。 至極当たり前であった政治の姿が、今は過去のモノになってしまったことを痛感させられたのがこの作品です。また、登場人物全てが大人の振る舞いしているように感じました。それぞれが自らの立場で動いていくわけですが、最低限のモラル持って行動していますし、本来ならこんな事には言及しなくてはならないぐらい、今の政治は幼稚化してると思います。 東日本大震災後の経済復興に原発輸出を絡めていくという刺激的なストーリーの中で、官邸の動きや、新聞記者の取材風景等々が、リアリティを持って描かれています。著者が新聞記者出身という事もあり、その説得力は十二分にありました。原発の発電方式に2種類あることなど知らない事も多く、勉強にもなりました。 真山仁氏の作品は他にも読みましたが、どれも徹底したい取材を感じさせる読み応えのある作品ばかりで大好きです。
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実際には文庫ではなくハードカバーを読みました。 職場の人が教えてくれて初めて真山さんの本を読みました。 現実的で重みがあり読み応えのある本でした。
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震災による原発事故により低迷する日本経済。再び強い日本を取り戻す為、首相の宮藤は破産寸前の原発メーカーに公的資金を投入し政府主導での再建を進めようとする。その背景には、日本の技術力の象徴としての原発を中国、アメリカに販売すること。受注をめぐり必要となるアフリカでのウランの利権をめ...
震災による原発事故により低迷する日本経済。再び強い日本を取り戻す為、首相の宮藤は破産寸前の原発メーカーに公的資金を投入し政府主導での再建を進めようとする。その背景には、日本の技術力の象徴としての原発を中国、アメリカに販売すること。受注をめぐり必要となるアフリカでのウランの利権をめぐり腐敗に手を染めていく。。。。 苦学しながら東大に入学し首相秘書官になった正義感の溢れる青年白石。その同級生で新聞記者になった神林の二人の目線からストーリーは展開される。正義とは何か、真実とは、必要悪とはを主人公の心境描写を通して何度も問われる作品だ。
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出版年を見てから買ったので、「東日本大震災後に書かれた、現代日本の本だな」と思って読んだら、なんとその前からの連載だったとのこと。さすがは真山さん、先見眼が鋭すぎていらっしゃる、、、 統率力のあるリーダーに、人間はついつい流されるようについていってしまうけれど、本当にそれは自分の...
出版年を見てから買ったので、「東日本大震災後に書かれた、現代日本の本だな」と思って読んだら、なんとその前からの連載だったとのこと。さすがは真山さん、先見眼が鋭すぎていらっしゃる、、、 統率力のあるリーダーに、人間はついつい流されるようについていってしまうけれど、本当にそれは自分の意思なのか?と問うことの大切さ、そしてそのリーダーは、権力を手にしたことによって、当初の目標をおざなりにして、自らの私利私欲に走ってしまってはいないか?と冷静に見つめることの大切さがひしひしと伝わってきた。 メディアの発信力も相まって、とても読み応えのある作品。
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カリスマ総理と言われる総理大臣に仕える官邸秘書官が活躍する話。 アフリカの国のウランを採掘する権利、原発事故、大手電機メーカーの国有化など、色々とリアルさを感じさせながらドキドキしながら楽しめました。 一方で、新聞記者のタイヘンさも垣間見ることができ、秘書官ともどもたいへんな仕事...
カリスマ総理と言われる総理大臣に仕える官邸秘書官が活躍する話。 アフリカの国のウランを採掘する権利、原発事故、大手電機メーカーの国有化など、色々とリアルさを感じさせながらドキドキしながら楽しめました。 一方で、新聞記者のタイヘンさも垣間見ることができ、秘書官ともどもたいへんな仕事だと感じました。
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「コラプティオ」とはラテン語で「疑獄」を意味するとのこと。本書真山仁の『コラプティオ』は原発を取り上げて3.11以降をイメージした物語である。しかも、ポピュリズムやカリスマが生まれる土壌と、登場人物にそこに楔を打たせることで、真山仁は読者あるいは国民に対し、政治への関心と、今何をなすべきなのか?問うていると思わせる。 「福一」が発生したことで、これまで週刊誌で連載していた内容を変更して書籍として発表したとのこと。作者としても原発あるいは政治をこれまで以上に強く意識するきっかけであった。そして、本書を通じ、改めて読者に対して問題意識を投げかけたのではないだろうか。 今の日本では、ヒトラーのような国民を煽動して取り込んでいくという手法は通じない、ということを断言できるだろうか?政治への無関心の蔓延とそこを突いたV字回復的な煽動手法は簡単に国民を熱狂に包み込んでしまうのではないか。現時点ではだいぶ過去のものとなりつつあるが、民主党への政権移行時にはそうやってなにかの期待感が高まったようにも見える。 現在は、異なる意味で閉塞感と安倍一強時代が継続しているが、これが崩れた次の次にまた歴史は繰り返されるような気がする。3.11が薄れてきた今こそ本書が本当に伝えたかったことの一つである煽動政治への恐れを思い返すべきなのだ。
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外交で、他国を出し抜いてなんて、 まー日本がそんなことはできるばすねーじゃん ありえねーと思いつつも、 読みやすいので読んでしまった。 そこそこ面白いのだが、なんかこう設定に無理が ありすぎて楽しめなかった。
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3.11の後に現れたカリスマ総理。復興の槌音がまだまだこだまする僅か数年後、禁断の原発政策を日本復興の切り札として提示する。国民の反対を一蹴させたのは類稀なるスピーチ。反対派を抱き込み、虜にまでしていく演説。その裏には無私の若きスピーチライターが控える。その仮面を剥ぐべく巨大権力...
3.11の後に現れたカリスマ総理。復興の槌音がまだまだこだまする僅か数年後、禁断の原発政策を日本復興の切り札として提示する。国民の反対を一蹴させたのは類稀なるスピーチ。反対派を抱き込み、虜にまでしていく演説。その裏には無私の若きスピーチライターが控える。その仮面を剥ぐべく巨大権力の驕りとカリスマに執拗に食らいつく敏腕記者。この三人の運命がこれからの日本を左右する…。3.11から明日で6年。反原発・脱原発について回る代替エネルギー、その一方には原子力ムラ。原発に巣食う人・団体・組織と原発問題をあくまでもイデオロギーの範疇でしか語れない反原発派。この膠着する政治課題に切り込んだポリティカルエンターテイメント。
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