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ルーティーン の商品レビュー

3.8

15件のお客様レビュー

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2023/05/05

最初の「子羊」でカズオイシグロやっぱすげえ、と。同じ内容であれだけ引っ張り、読ませて感情移入させるのは、すごいな、と。表題の「ルーティーン」がゾッとしたかも。逃げたのに、元の場所に絡め取られる恐怖なのだと思ったよ。お金のために働いてると自由になりたい!と確かに思うけど、しがらみに...

最初の「子羊」でカズオイシグロやっぱすげえ、と。同じ内容であれだけ引っ張り、読ませて感情移入させるのは、すごいな、と。表題の「ルーティーン」がゾッとしたかも。逃げたのに、元の場所に絡め取られる恐怖なのだと思ったよ。お金のために働いてると自由になりたい!と確かに思うけど、しがらみに絡め取られて最後は戻ってしまう自分の弱さよ。 90

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2018/06/20

突如『SFの短編集が読みたい!』と思い立ち購入。篠田節子さん初読みだが、出版社の垣根を超え、著作の中から【SF】とカテゴライズされる短編をかき集めたベスト盤とのこと。正にSF!もあれば、これってSF…?と首を傾げるものもあり、改めて【SF】の広義の意味を考えさせられる。介護問題が...

突如『SFの短編集が読みたい!』と思い立ち購入。篠田節子さん初読みだが、出版社の垣根を超え、著作の中から【SF】とカテゴライズされる短編をかき集めたベスト盤とのこと。正にSF!もあれば、これってSF…?と首を傾げるものもあり、改めて【SF】の広義の意味を考えさせられる。介護問題がテーマの「人格再編」が最も衝撃的。気が重くなるリアルさと手術後のユーモラスさが混ざり合い、最終的に『老い』の意味を説く着地点には思わず唸ってしまう。サラリーマンの私には「コヨーテは月に落ちる」も表題作も諸々共感できてしまうのだ…。

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2022/05/22

短編集。SF。ホラー。サスペンス。 著者の本は『はぐれ猿は熱帯雨林の夢を見るか?』に続き2冊目。 ハッキリと言って合わない。文章かな〜? 個人的にSFとは思えない作品が多くて、イメージと違っていた。 そのなかで「世紀頭の病」は、ブラックなオチが光るパンデミックSFとして楽しめた。

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2017/04/19

篠田節子は本当に面白い。どれを読んでも面白い。この打率は驚異的であり、まさに稀有の存在であると思う。 そんな篠田さんの短編集。いやはや、変幻自在である。 「子羊」~私を離さないで、ではない。羊から人間へ! 「世紀頭の病」~因果応報。この世は喜劇。 「コヨーテは月に落ちる」~不条理...

篠田節子は本当に面白い。どれを読んでも面白い。この打率は驚異的であり、まさに稀有の存在であると思う。 そんな篠田さんの短編集。いやはや、変幻自在である。 「子羊」~私を離さないで、ではない。羊から人間へ! 「世紀頭の病」~因果応報。この世は喜劇。 「コヨーテは月に落ちる」~不条理な精神世界。人の執着はこんなにも深く、人の運命はこんなにも悲しい。そしてこの世はこんなにも滑稽だ。 「緋の襦袢」~人間の性はどこまでも業が深い。 「恨み祓い師」~オチのある怪談話。 「ソリスト」~消えぬ記憶。実態のある記憶。 「沼うつぼ」~果てのない欲望。執着と快楽の対比。 「まれびとの季節」~押しつけの正義ははた迷惑。 「人格再編」~その人はその人。束の間通り過ぎる生。 「ルーティーン」~我が人生も交換可能。 「コヨーテは月に落ちる」が衝撃的だった。

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2016/06/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

「まれびとの季節」まで頑張って読みましたが、精巧で例利な筆致にやられ、ここで放置。。。 文章力のある人が不条理を描くと、ひたひた迫りすぎて。

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2015/09/23

 篠田節子のSFチックな短編集、この中では『人格再編』が面白い、近未来の日本社会が描かれている。構造不況の日本では優秀な人材は海外に流れてしまい、日本に残っている若者は学習する習慣もないという時代が到来する。産業どころか人材と能力が空洞化してしまう、など・・・読んでいてあり得ない...

 篠田節子のSFチックな短編集、この中では『人格再編』が面白い、近未来の日本社会が描かれている。構造不況の日本では優秀な人材は海外に流れてしまい、日本に残っている若者は学習する習慣もないという時代が到来する。産業どころか人材と能力が空洞化してしまう、など・・・読んでいてあり得ないはなしではないと感じる。

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2015/08/12

いろんなテーマを持った作家さんですね。気になってたんだけど長編に手が出なくて、短編集なら、と読んでみたんだけどいいです。好きな感じです。表題作は私の知ってる範囲で言うとちょっと山野浩一的な、不条理小説。カズオイシグロのあの作品のモチーフを先取りしていたり。神、美、音楽、老い、文化...

いろんなテーマを持った作家さんですね。気になってたんだけど長編に手が出なくて、短編集なら、と読んでみたんだけどいいです。好きな感じです。表題作は私の知ってる範囲で言うとちょっと山野浩一的な、不条理小説。カズオイシグロのあの作品のモチーフを先取りしていたり。神、美、音楽、老い、文化と文化との接触…つまり人間そのものへの関心、というか。小松左京ほどスケールが大きくはなく、日常との接点を保ちながら普遍的なところにアクセスする道を模索しているような。そんな印象。

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2015/01/11

”篠田節子SF短篇ベスト”と銘打っているけれど、私としては”SF”よりも”不思議な話”に分類したい。 とても不思議な話のオンパレードなんだけど、どの話にも「そういうことあるよな」って思わせるリアリティがあって、いったいどれだけ綿密に取材をしたのだろうと感嘆しました。

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2018/09/09

10の短編が収められている。「子羊」「世紀頭の病」「コヨーテは月に落ちる」「緋の襦袢」「恨み祓い師」「ソリスト」はすでに単行本等に収録済み。「沼うつぼ」「まれびとの季節」「人格再編」が雑誌に発表のものがここに収められ、標題の「ルーティーン」は書きおろし。 「ルーティーン」は団地...

10の短編が収められている。「子羊」「世紀頭の病」「コヨーテは月に落ちる」「緋の襦袢」「恨み祓い師」「ソリスト」はすでに単行本等に収録済み。「沼うつぼ」「まれびとの季節」「人格再編」が雑誌に発表のものがここに収められ、標題の「ルーティーン」は書きおろし。 「ルーティーン」は団地に妻と子供二人がいるサラリーマンの話。ある日の帰宅途中、夢遊病のように家の前を通り過ぎる。以後名前を無くして1人で工場労働者として20年。でまたある日フラッシュがたかれるように元の団地の扉を開けると、何事もなかったかのように「おかえり」と迎えられる。「父帰る」ではなく、自分は失踪しているのに、別の自分がいる生活があった。人生も中盤を過ぎると、振り返った年月は夢かうつつかわからなくなる。そんな感慨がやけにリアルに迫ってくる。

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2014/10/10

1本目の「子羊」が超好みで、ちょっと内容確認くらいのつもりが一気に読んでしまいました。 フィクションの短編もいいですが、それ以上に、巻末のエッセイとインタビューの内容に感激。

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