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とろ蜜シャッターチャンス の商品レビュー

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物語として上質ながら物足りない官能描写

写真部に属する高校生の主人公が、かつての幼馴染みであり、今は学園のアイドルにして水泳部のエースでもある同級生ヒロインや、過去にちょっとした経緯のある転校生の後輩ヒロインを被写体として次々とカメラに収めていく中で(ヒロイン達に)芽生える恋模様が可愛らしくもあるストーリー展開には主人...

写真部に属する高校生の主人公が、かつての幼馴染みであり、今は学園のアイドルにして水泳部のエースでもある同級生ヒロインや、過去にちょっとした経緯のある転校生の後輩ヒロインを被写体として次々とカメラに収めていく中で(ヒロイン達に)芽生える恋模様が可愛らしくもあるストーリー展開には主人公のコミカルな独白や振る舞いもあって大変面白く、そして充実している。扱う題材として『フォトカノ Kiss』にも通ずる世界観と甘酸っぱさがあり、一途で健気なヒロイン達は愛おしくもなるほど魅力的ではあるが、この2人はサブである。 本作は、写真部の顧問でもある10歳年上の女教師との恋物語である。 この教師へ恋心を抱いている主人公が、周りの協力もあって遂に告白する、その演出がニクい。写真部という設定を上手に活かしており、その瞬間に限っては憎らしいほどカッコ良い主人公である。しかも、教師が抱えていた哀しい過去を一瞬で拭い去って振り向かせてしまうとは「どんだけ上手くキメてんだコンチクショー!」とのツッコミも禁じ得ないほど。 だがしかし、本作の官能描写は、その場面こそ少なくない割に何故だかあまり興奮しない。年上お姉さんな教師と年下生徒な主人公の逢瀬など、そのシチュエーションは決して悪くないし、終盤では乱入に次ぐ乱入といった3Pから4Pへの発展的な官能も盛り込まれているのだが、主人公の恋のベクトルが当初からはっきり見えていることや、あるいは最後にあっては、ある意味で勝負がついてしまった後でいやらしさよりも切なさが先に立ってしまったからであろうか。こうした官能面が肉欲煩悩琴線にはあまり触れぬまま結末を迎えてしまったようである。 その物語としての結末がまたキマっているだけに官能小説としては皮肉である。

DSK