悪魔の家系図 の商品レビュー
イギリスを舞台にしたミステリ。タイトルから想像したほどにはおどろおどろした事件が起こるわけではありませんでした。非常に論理的な本格。 毒殺の手段よりもむしろ、犯人を絞り込むための心理的条件、ってのはちょっと珍しいところかも。動機も結構意外だけれど、ああそういえば伏線はかなりあっ...
イギリスを舞台にしたミステリ。タイトルから想像したほどにはおどろおどろした事件が起こるわけではありませんでした。非常に論理的な本格。 毒殺の手段よりもむしろ、犯人を絞り込むための心理的条件、ってのはちょっと珍しいところかも。動機も結構意外だけれど、ああそういえば伏線はかなりあったんだな~。
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息があり心臓が動いている状態で心臓マッサージと人工呼吸って危険だって習ったのだけれど。狭心症だとアリなのでしょう。 時代的に吸入器はないのかな? ここが一番気になってしまった。 会話を閉じることなく、同一人物の台詞を新たに書き括弧をつけて表現することに違和感を覚えました。行替えを行っても閉じてなければ付ける必要はないですし、話し手が変わったのだろうかと読者を混乱させるだけですね。 さらに、作品の半ばに進むと会話はまるで無くなります。説明文で進んでいきます。小説である以上、後々重要になってくる証言と前後は会話として書くくらいの作者としての余裕は欲しかったです。 「つまり」や「因みに」と言ったくどい言い回しが作中に多く長々しい。もう少し削って欲しいです。 ありがちですが序盤の建物描写が本当にくどい。事細かに説明されてもイメージが涌きにくく、またかと疲れてしまうのが残念。そして推理に関係ない……。 小説としての完成度はイマイチで、登場人物に血が通っている気がしない。ひとえに会話で感情・心理描写が少ないからです。 推理を披露する場はただただ、なぜ削らなかった。と何度も文句を言いたくなるほど長い! 冗長的で無駄な情報も多いため飛ばし読みしました。 なんであんなに長いの?! 最後に、作中で大して存在感のなかった人物が犯人だったことにがっかりしました。 極端に少ない情報しか出さないのは正統派本格を名乗る上でどうなのでしょうね。犯人の過去にしても事件中に散りばめるでもなく、探偵役が追求段階で初めて語るって、酷い。 帯に出てきた作者の目標なのか「エラリー・Q」は読者も推理できるよう最低限の情報は開示しています。彼の名前を出したせいで読者がハードルをあげてしまうので、この程度の出来では出さない方が賢明でしょう。 所々、詰めが甘く拙い作品ですが、鮎哲、福ミス両賞で一次選考を通過した物を自費出版したそうです。
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