明日の幸せを科学する の商品レビュー
本の内容をきちんと咀嚼するには、体調も関係する。咀嚼して消化するのも、そう。だから、この本がイマイチ頭に残っていなかったとしても、本が悪いとは言い切れない。でも正直なところ、ほとんど残っていない。理由の一つは、読み易くする工夫だろうが、妙なジョークが混じり過ぎている。書いてある事...
本の内容をきちんと咀嚼するには、体調も関係する。咀嚼して消化するのも、そう。だから、この本がイマイチ頭に残っていなかったとしても、本が悪いとは言い切れない。でも正直なところ、ほとんど残っていない。理由の一つは、読み易くする工夫だろうが、妙なジョークが混じり過ぎている。書いてある事は面白いのだが。 幸せって何だ。それに対する科学的解明の試みは分かるが、答えはない。
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人間という動物だけが未来について考えるらしい。 (未来について考えるのは脳の前頭葉で、人間ほどこの部分が発達している動物はいないのだと) テーマ自体は面白い。 ただ、この手の人の心理について科学する本(ダン・アリエリーとか、ナシーム・ニコラス・タレブとか)はなぜかみんなジョーク...
人間という動物だけが未来について考えるらしい。 (未来について考えるのは脳の前頭葉で、人間ほどこの部分が発達している動物はいないのだと) テーマ自体は面白い。 ただ、この手の人の心理について科学する本(ダン・アリエリーとか、ナシーム・ニコラス・タレブとか)はなぜかみんなジョークを交えながらの長ったらしい文章を書く。 なんなら取り上げている研究も似たような内容で、なんか読んだことある気がする本だった。(嫌いとは言わない) 結局のところ、人間が考える幸せというのはとてもあやふやな価値観に基いている。 まずはそのことを知り、自分で納得できる幸せを手に入れることなんじゃないかな。自分でこれが幸せだと騙すと言ってもよいと思うけど。 --- 70 『すべての人は幸せを求める。例外はない。』ブレーズ・パスカル 『満足した豚であるより、不満足な人間であるほうがいい。満足したおろか者であるより、不満足なソクラテスであるほうがいい。もし、おろか者や豚がこれに異を唱えるとしても、それはこのことを自分たちの側からしか知らないからだ』ジョン・スチュアート・ミル 77 二つのものの類似性を正確にはかるには、測定者が二つを並べてくらべるしかなく、それには、二つを並べて経験するしかない。 96 幸せだという主張が、すべてだれかの視点からの主張だということは言える。 いったん何かを経験してしまったら、二度とそれ以前の見方で世界を見ることはできない。 211 われわれは、ひとつの経験を何度も体験すると、得られる喜びがそのたびに減っていく。これを心理学者は「馴化(慣れ)」と呼び、経済学者は「限界効用の逓減」と呼ぶ。時間と変化はそれぞれ慣れを避ける方法であり、一方があればもう一方はなくてもいい。 つぎに経験するまでにたっぷり時間があいている場合、変化は不要なばかりか、むしろ損失になる。 281 長い目で見れば、自分がした行為より自分が行為をしなかったことをはるかに強烈に後悔する 347 想像には3つの欠点がある。 一つ目は、勝手に穴埋めや放置をすること。二つ目は現在を未来に投影しがちなこと。三つ目は物事がいったん起こると、思っていたのとちがって見えるのに、前もってそれに気づかないこと。 363 ベルヌーイら、客観的に得たもの(富)が、それを得たときに主観的に経験するもの(効用)と同じではないことに気づいていた。大事なのは効用だ。
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講義のネタ探しにKindle版を購入。 読みやすさとか親しみやすさ,読みやすさを全面に押し出そうとしているのか,アメリカンジョーク的な言い回しとか比喩が多すぎて,回りくどくて逆にわかりにくいところが非常に多い。好き嫌いが分かれそう。 幸福感の心理学書というか,行動経済学的な話が中...
講義のネタ探しにKindle版を購入。 読みやすさとか親しみやすさ,読みやすさを全面に押し出そうとしているのか,アメリカンジョーク的な言い回しとか比喩が多すぎて,回りくどくて逆にわかりにくいところが非常に多い。好き嫌いが分かれそう。 幸福感の心理学書というか,行動経済学的な話が中心。面白い研究がたくさん参照されているのに,文献リストが一つもないのが非常に残念。第1線の研究者だろうから,原著ではおそらくリストがあるのだろうけれども。いずれにしても,ほしい情報は得られなかった。
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いかに「自分の判断」というものがあやしいのかを怒涛の勢いで教えられて面食らいながら楽しんだ。 題名は切り口、とっかかり。 人間が「明日」という時間軸の未来についてうまく考察できない特性と、「幸せ」というものが想像力や感情、記憶にまつわる対象であることがあいまって、認知の歪みが特...
いかに「自分の判断」というものがあやしいのかを怒涛の勢いで教えられて面食らいながら楽しんだ。 題名は切り口、とっかかり。 人間が「明日」という時間軸の未来についてうまく考察できない特性と、「幸せ」というものが想像力や感情、記憶にまつわる対象であることがあいまって、認知の歪みが特に顕著に観察できる。しかも、明日の幸せと聞いたら興味をもたずにはいられない。 一番ヘェ〜と驚いたのは、「説明がつくと幸せ感が低くなる」という指摘。 人は、説明を強く強く求めるくせに、説明がついたらついたで納得して落ち着き、印象が弱まり、感情の起伏=記憶の強度が下がり、出来事を片付けて次のことへと関心を移してしまうから、とのこと。謎が残っている方がいいんだなんて、人生訓にお墨付きが与えられたみたいだ。 他にも、「つらい方が幸せだ」とか、しかも「少しのマイナスより多くのマイナスの方が幸せだ」とか、「終わり良ければすべて良し」は本当だとか、「脳は嘘をつく」だとか、主張の以外さ+内容の面白さ+語り口の面白さで引き込まれ続けること請け合い。
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