昭和二十五年 最後の戦死者 の商品レビュー
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※このレビューにはネタバレを含みます
日本が現憲法体制下になって最初で最後の「戦死者」の実話を取材に基づいて示したノンフィクション。当時の関係者やその言を徹底的にさらった上でそれをまとめる形で記されており、この手の資料には珍しくあまり思想的バイアスがかかっていない。そのため淡々と事実と考えられる事項をまとめたもの、という印象で専門性が強く、軍事・政治の知識をある程度求められる。内容を読めば当時の日本がいかに苦しい立場に置かれていたか、官僚機構の傲慢さ、不服ながらも命令とあらば戦地へ赴く「職業軍人」の高潔さを垣間見ることができる。この事件は日本国民広く知るべきと思うが、その点から言えばこの著作は「難しすぎる」。
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