ウルフ・オブ・ウォールストリート(下) の商品レビュー
上巻の支離滅裂具合と比べると引退を迫られたあとを語る下巻はなかなか趣深い。とはいえ相変わらずぶっ飛んだ内容だし破天荒な行動である。当然ながら一人称で毒づきながら物語は進むが、「収監、矯正施設、そして死」「病膏盲に入る」の章あたりから正常と言い張る麻薬中毒者の恐ろしさを痛感させられ...
上巻の支離滅裂具合と比べると引退を迫られたあとを語る下巻はなかなか趣深い。とはいえ相変わらずぶっ飛んだ内容だし破天荒な行動である。当然ながら一人称で毒づきながら物語は進むが、「収監、矯正施設、そして死」「病膏盲に入る」の章あたりから正常と言い張る麻薬中毒者の恐ろしさを痛感させられる。このあたりで読者は一線を引き、享楽に溺れるビリオネアの淋しさや哀しさを感じさせられる。 本作品、意外とファイナンス的に面白い話が散りばめられているが、異様な文体とテンポの良さも相俟って極めて内容が薄い。映画版は徹底的に振り切った2時間を楽しめたが、800ページ近くの大作で終始このノリなので読み終わった後に「で、なんだったんだっけ?」という気分が残ってしまった。結局ドラッグ狂乱記であったが、最後の日本語解説を読むとなんとなく腑に落ちた。読書時間が勿体なかった気がしてしまった。
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株式市場の専門用語が解説なしにどんどん出てくるので株に詳しくない人はちょっと読みにくいかもしれないけど、著者である主人公が証券詐欺で得た巨額のマネーで桁外れの豪遊をする姿は痛快で面白い。解説にあるが著者は実際には作品に描かれているほどの有名人ではなく無名の犯罪者だったようだけど8...
株式市場の専門用語が解説なしにどんどん出てくるので株に詳しくない人はちょっと読みにくいかもしれないけど、著者である主人公が証券詐欺で得た巨額のマネーで桁外れの豪遊をする姿は痛快で面白い。解説にあるが著者は実際には作品に描かれているほどの有名人ではなく無名の犯罪者だったようだけど80年代に起こったウォール街の熱狂の影で稼ぎまくった男のストーリーとしては犯罪だった事を差し引いても夢がある。
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