黒い白鳥 の商品レビュー

鮎川哲也(著者)

2023/06/18

アリバイ崩し。鉄道を使ってのトリック。その当時のリアルな世界でありながらフィクションである。鬼貫シリーズが好きな人もそうでない人も一読の価値あり。

2016/12/14

鬼貫警部はよく働く人です
　鉄道の時刻表を利用したアリバイトリックものです。2サスでよく見かける倒叙形式ではなく、中盤まで犯人不明のまま話が進みます。時刻表トリック自体に驚きはないですが、それを補強するサブトリックが秀逸で、伏線もちゃんと記述されていることが分かります。読了後に振り返ってみると、全体のバランスが優れているなと感心。
　ただ、古典作品には仕方ないかもしれませんが、女性に対する表現には少々げんなり（りら荘はあまり気になりませんでしたが）。また、エピローグの俳優の話はあまり嬉しくない種明かしでした。

2014/02/19

時刻表トリックの名作、と聞いて。
鮎川哲也さんの小説をはじめて読みました。
登場人物が男女ともにそれぞれクセがあって
面白く、時刻表トリック以外の部分にも
読み応えがある謎ときが見事。

鬼貫警部シリーズということだけれども、
語り手のキャラクターが何度か変わるせいか
警部のキャラがいまいち立っていないようにも思った。

カバーデザイン：盛川和洋