営業推進のための信用金庫の「現場力」 の商品レビュー

小宮啓二朗【著】

2015/10/28

営業推進のための信用金庫の「現場力」
2013/12　著：小宮啓二朗

著者は、1992年信金中央金庫入庫。各地の信用金庫への出向のほか、信用金庫部コンサルティング第2グループ、関東営業第1部等を経験、信用金庫のビジネスに関する考察を深める。

本書は、信用金庫のすべての職員に向け、営業推進へ向けた「日常の営業活動」と「組織的な取り組み」に関する16のテーマを取り上げ、その「課題」と「改善のヒント」についてまとめ、現場の声を事例として全80項目に整理されたものである。

16のテーマは以下の通り。
①事業性融資の推進
②住宅ローンの推進
③個人ローンの推進
④定積集金の活用
⑤預金の推進
⑥投資信託の販売
⑦店頭セールスの取組み
⑧CS顧客満足度の向上
⑨取引先企業の支援
⑩女性職員の活躍・キャリア支援
⑪支店長の活動
⑫研修による人材育成
⑬店舗の立地と設計・管理
⑭店頭ディスプレイの工夫
⑮ホームページの活用
⑯自金庫の現状分析と経営戦略

どうしても毎日の仕事に追われてしまうと長期的な目線や鳥の目である俯瞰する視点が抜け落ちてしまう。突き進むことも大切でやるべき時に必死にやることも非常に大切。

しかし、少し立ち止って本書のような視点に気づかせてくれる本を片手に考えながら進むことも非常に大切である。

仕事を行う上で色々な問題にぶち当たり課題を認識する。なんとなく思っていることも本書ではそれが体系的に網羅的に取り上げられている。そして各自の環境に合わせた解決策を探す前段階迄のヒントが盛りだくさんに用意されている。

営業活動という行動面だけではなく、それを行うための組織体制の在り方など営業店から本部までの全体が紹介されており、痒い所に手が届く指南書となっている。

本書は自分が仲の良い身近な人に是非進めて読んでもらい、それについて一緒に考えそして一緒に行動するそんな新しい行動を起こすきっかけとなることを願う。

現場に身を置く人間として忘れてはいけないことや気付かないといけないことがぎっしり詰まった一冊であった。