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多種共存の森 の商品レビュー

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4件のお客様レビュー

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2020/11/23

森林において複数の樹種がなぜ共存するのかを、森林生態学の視点から解説する。その上で日本にあった林業のあり方を述べている。 森林の多種共存のメカニズムといった研究紹介はおもしろく、納得のいくものでした。 そこから発展して理想の林業のあり方について述べています。 多種共存型の林業...

森林において複数の樹種がなぜ共存するのかを、森林生態学の視点から解説する。その上で日本にあった林業のあり方を述べている。 森林の多種共存のメカニズムといった研究紹介はおもしろく、納得のいくものでした。 そこから発展して理想の林業のあり方について述べています。 多種共存型の林業を実現するという目標の為に、どのような事をするべきか、特に公益サービスの視点からは参考になる考え方が多かったです。長期的な利益が分からない中、公益サービスを重視するべきというような考えには強く納得しました。 ただし、経済性については〇〇な気がする、〇〇だと思うといった文章が多く、証拠をベースにした話の展開にやや欠けていたと思います。多種共存型の林業の結果がまだあまり無いため憶測になってしまうのかも知れませんが、そのため現実性に欠けてるように思ってしまいました。

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2019/06/20

建材等を「効率よく収穫」するための、単種の針葉樹による人工林への反省と、針広混交林のメリットやその作り方を説く本です。 スギ花粉の問題なども単一種で大規模な森を作った弊害のひとつだと思いますが、このほかにも、その森の生物多様性、水源の涵養性などが失われたり、害虫や病害がはびこっ...

建材等を「効率よく収穫」するための、単種の針葉樹による人工林への反省と、針広混交林のメリットやその作り方を説く本です。 スギ花粉の問題なども単一種で大規模な森を作った弊害のひとつだと思いますが、このほかにも、その森の生物多様性、水源の涵養性などが失われたり、害虫や病害がはびこったり、どう転んでも人の憩いの場にはならなかったり、あまりいいことはないようです。 木材資源の活用でも、短期的にはともかく長期的視点から見ると単種の人工林は不利なようですね。 いわゆる原始の森が多様な種の混交で成り立っていることを考えても、著者の主張は大変合理的で、好ましく思えます。森林行政も、人々の意識もそういう方に向けばいいのに・・・という意味で、みなさんに読んで欲しい本ですね。 目先の経済学、の前ではなかなか一足飛びには行かなそうですが、こうした健全な思想を実現することが、持続可能な人間社会を作って行くことにもなるのではないでしょうか。 好著でした。

Posted byブクログ

2014/02/08

日本は国土に対する森林の割合が、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第三の森林大国と言われている。であるにもかかわらず、その日本の森林は、それも特に針葉樹の人工林は、その多くが荒廃の危機に瀕していると指摘されている。それはなぜか。森林が持つ本来の多様な役割をよみがえらせるために、...

日本は国土に対する森林の割合が、フィンランド、スウェーデンに次ぐ世界第三の森林大国と言われている。であるにもかかわらず、その日本の森林は、それも特に針葉樹の人工林は、その多くが荒廃の危機に瀕していると指摘されている。それはなぜか。森林が持つ本来の多様な役割をよみがえらせるために、我々はどうすればよいのか。その答えを、実在する各地の森林の調査や、研究成果をもとに探りつつ、針葉樹と広葉樹の混交林による林業や森林づくりを提案していく。

Posted byブクログ

2013/11/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

ブログに書きました。 http://t-katagiri.blogspot.jp/2013/11/1000.html

Posted byブクログ