希望学あしたの向こうに の商品レビュー
幸福学の前野先生に続き、希望学の玄田先生にも興味を持って読んでみた一冊。幸福と希望を対比させながら読むことができて両方読んでみてよかったというのと、確かに似てることでも意図しているところは違うなと感じました。そして福井県の魅力溢れる地域の人たちを丁寧に取材し、取り上げていると思い...
幸福学の前野先生に続き、希望学の玄田先生にも興味を持って読んでみた一冊。幸福と希望を対比させながら読むことができて両方読んでみてよかったというのと、確かに似てることでも意図しているところは違うなと感じました。そして福井県の魅力溢れる地域の人たちを丁寧に取材し、取り上げていると思いました。他の地域に活かせるような取り組みもそうだし、何歩か先を行っているような営業努力も伝わってきました。この一冊を読んでから、都内でも目にするあれもこれも、どんなやりとりがあったのかな~とか考えるようになったオススメの一冊です。
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県民幸福度が高い福井県。 裏腹に、未来・将来に対して「希望」を持っていると答える人は少ないのではないか。 現在に幸福を感じている人は、未来に希望を抱いてはいない。或いは、今、何かに向けて挑戦している、目的達成のための途上に居る人は未来に希望を持っている。 大事なのは物語である...
県民幸福度が高い福井県。 裏腹に、未来・将来に対して「希望」を持っていると答える人は少ないのではないか。 現在に幸福を感じている人は、未来に希望を抱いてはいない。或いは、今、何かに向けて挑戦している、目的達成のための途上に居る人は未来に希望を持っている。 大事なのは物語である。村・町・県・地域・コミュニティの過去から未来への歴史としての物語。そこに自分個人の物語を重ねて意識することで希望を持つ未来を想像・創造することができる・・・とかなんとか。 凄く魅力的な導入と、まとめの締めの部分だけ読んで、あとはそこで引用された部分と、自分の興味のある分野についての箇所を補足的に読めば十分かな、と。 福井県内にお住まいの方。福井県に知り合い、故郷を持つ方にとっては、近年の福井事情が広範的に見えてくる良い本だと思います。 あくまで問題意識を持つための啓発として。 また福井に行きたい、ちょっと勉強するつもりで。 と思わせてくれる本でした。
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往復の新幹線のなかで、何冊か読んだのだけど、東大社研・玄田有史編『希望学 あしたの向こうに―希望の福井、福井の希望』東京大学出版会、がものすごく面白かった。今年の1番かもしれない。 東大社研・玄田有史編『希望学 あしたの向こうに―希望の福井、福井の希望』東京大学出版会。とりたてて不満はないけれども、実際は満足していないのが日本社会の特色とすれば、そこに挑戦するのが希望学。 読了して実感したのは……福井県に対する批判ではありませんよ……本書で表象されるメンタリティが、実はこれが否定的な日本的エートスを表しているのだろうと思いますが、この国のマジョリティというのは「不満はないけど、満足していない社会」なのじゃないかなと思いました。 幸福という指数は現在への評価だから現状維持へ傾く。希望という指数は未来への評価なので漠然としている。だけど、wish for something to come ture by action というものだとすれば、それを明確にしていかなければならない。そこを面倒がり、じり貧をごまかしていくのが私たちに刷り込まれた馴致なのだろうなあと実感しました。 本書は、そうしたドクサをうち破る挑戦の示唆に富むと同時に、痛感したのは、香川県ともにているなあとおもいました。幸福度(法政大学/2011)でいくと12位、学力でいくと福井県が2位ですが香川県は、5位。 同じように、(福井は豪雪で香川は水不足という天災はありますが)風土にめぐまれた穏やかな性格は、ややもすると、「不満はない社会」だから現状肯定のずるずるべったりへ傾く。しかし一人一人には可視化されていない「満足していない」ことがそれぞれあるのだから、それをどう未来に切り結んでいくのか。 非常に参考になりました。 http://d.hatena.ne.jp/ujikenorio/20131001
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