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自己が心にやってくる の商品レビュー

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6件のお客様レビュー

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2024/02/24

ダマシオさんの文章が思弁的で読み取りづらいというのはそうなんだが、大枠のエッセンスだけでも汲み取れたかなという感触。 山形さんの解説が良い意味で砕けた表現でまとめてくれており、最後に自分の読解とのすり合わせとチューニングができます、みなさん諦めずに読み進めてほしい。 ソマティ...

ダマシオさんの文章が思弁的で読み取りづらいというのはそうなんだが、大枠のエッセンスだけでも汲み取れたかなという感触。 山形さんの解説が良い意味で砕けた表現でまとめてくれており、最後に自分の読解とのすり合わせとチューニングができます、みなさん諦めずに読み進めてほしい。 ソマティック・マーカー仮説から波及して、意識・心・自己とは何かを解き明かす探究。心踊る取り組みですし、自分とは一体なんなんだろうという究極の問いに哲学とは異なるアプローチ、人文学と科学の交差点は魅力的なテーマ。

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2024/01/09

本書でダマシオが試みたこととは(むろん、ぼくの「粗い」読みから来る推測・憶測にすぎないが)「哲学」と「脳科学」をつなぐことではないかと思う。「自己」というある種自明の、だからこそきわめて扱いが難しい対象に「意識」「心」という側面と、そして「脳」という側面から迫ってみる。これはもち...

本書でダマシオが試みたこととは(むろん、ぼくの「粗い」読みから来る推測・憶測にすぎないが)「哲学」と「脳科学」をつなぐことではないかと思う。「自己」というある種自明の、だからこそきわめて扱いが難しい対象に「意識」「心」という側面と、そして「脳」という側面から迫ってみる。これはもちろん、かなりの野心とそれを裏打ちする蓄積がなければできないことだ。精緻な議論が展開されていて、ぼく自身は楽しむことができた。そしてここから何かを生み出すべく――それこそダマシオがやったように――果敢に領域を横断して練り直してみたい

Posted byブクログ

2019/04/16

読むのにとても時間がかかった。難解な部分が多い。ただとても面白かった。 子供時代が異様に長いのは無意識プロセスを教育して、意識の意図や目的に従うようにするため。そうすることで他の計画などにリソースを使える 収斂分散構造 記憶は知覚と同じメカニズムを利用して生じる というあたり

Posted byブクログ

2014/06/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

山形浩生の訳すままにいろいろと読み散らかしている自己とか精神とかこころとかの本。この本の特徴は、訳者あとがきに書いてあるけど、脳の内部とかをとってもよく理解している著者が書いた本だということ。それで、脳のいろいろな部署の日本語訳がいろいろと出てくるんだけどいけてないよね。なんか、いつごろの訳語なんだろう。こういう変な訳語によって日本の優れた知性が専門としての脳科学とかを選ばなかったらやだねえ。でもそもそも英語でも変な単語がついてるのかもしれない。 ハードウェアからのセンサー情報はある種のミドルウェアを通して脳に接続されている。(脳の部署の名前とかは本に出てきたけど忘れた。確かなんとかの丘みたいなやつ)それらは無限縮退するデカルト小劇場とは違う。意識を介在しない自動的な処理も行われている。進化的に必要なので無意識レベルでのSWアルゴリズムがまず生まれてそれが意識のもとになった。 で、自己は、そのようなMW処理を経た信号(これには個体内部からのフィードバック信号を含む)の内部からの不変部分が基盤となる。 そこらあたりがきもの議論かなと。 あと、線虫は300本くらいしかニューロンがないけれど動作をみると心があるように見えるってのが、ゾウリムシに心はあるのか?の議論と結びついてよかった。つまり、心とは、社会性(限られたリソースを同一のクラスの複数の固体が分け合う)という一般的な問題を解く際に現れるアルゴリズムに名前をつけたものなのじゃないのかな?と。

Posted byブクログ

2014/04/30

ダマシオの本は何冊か読んできたが、相変わらず難しい。一般読者向けに書かれているのだが、決して入門書のレベルではなく、かなり頭脳を動員しないと読み通すことが難しい。そう感じるのは、私がやはり自然科学にややうといからかもしれない。脳科学に関しては、他にも幾分読んできたのだが。 ダマシ...

ダマシオの本は何冊か読んできたが、相変わらず難しい。一般読者向けに書かれているのだが、決して入門書のレベルではなく、かなり頭脳を動員しないと読み通すことが難しい。そう感じるのは、私がやはり自然科学にややうといからかもしれない。脳科学に関しては、他にも幾分読んできたのだが。 ダマシオの難しさの根幹は、あまりにも独特な用語の使い方にもあるかもしれない。それらの用語を注意深く押さえていかないと、たちまち混乱してしまうのだ。 たとえば彼の「自己」概念は、哲学者たちが使うそれとも、心理学者たちが使うそれともかなり違っている。一般に「自己」と考えられているのは、意識の俎上にのぼってくるイメージなのだが、ダマシオの概念では、もっと生理学的・身体的(といっても視覚イメージのことではない)なレベルで稼働・生成されるものなのだ。 こうした独特さは、むろん仮説の状態にあるので、すべてを鵜呑みにすることはできないが、それでも、膨大な科学的データに基づいて構築されているため、決して軽視することはできない。読むのは疲れるが、知的刺激に満ちた本である。 「精神」が「身体」とゆるぎなく結びついた脳科学の知見は、じっさいのところ、20世紀までの哲学、カントやヘーゲルやハイデッガーなどすべてを、部分的には無効化してしまう。哲学者たちにいま必要なのは、脳科学における数々の発見を経て、従来の哲学を徹底的に検証し直し、再解釈することだ。 とはいえ、脳科学はまだまだ完成形にはほど遠く、わかっていない部分のほうが非常に多い。しかし数十年後にはさらに「心」や「自己」の解析は前進しているだろう。 われわれど素人は、わくわくしながら、しかし性急な解釈は抑制して、待つしかない。

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2014/01/02

原文のせいなのか、訳が良くないのかわからないが、文章が読みにくかった。 脳の構造の説明にあたってはもう少し図があったほうがわかりやすいとも感じる。 私の様に、概略を理解しておけば良いと考える者には、末尾の訳者による解説を読んでおけば、十分とまでは行かないが本書を全部読むことの半分...

原文のせいなのか、訳が良くないのかわからないが、文章が読みにくかった。 脳の構造の説明にあたってはもう少し図があったほうがわかりやすいとも感じる。 私の様に、概略を理解しておけば良いと考える者には、末尾の訳者による解説を読んでおけば、十分とまでは行かないが本書を全部読むことの半分くらいの価値はあるのではないかと思う。

Posted byブクログ