入試現代文へのアクセス 完成編 の商品レビュー
同シリーズの『基本編』『発展編』と同様の構成で、より難易度の高い問題が16題収録されています。 近代的な個人の自由の見なおしをテーマとする論考や、オリエンタリズムにかんする文章など、現代思想の主要テーマをあつかったものがいくつか見られます。そのほか、坂口安吾や花田清輝のややレト...
同シリーズの『基本編』『発展編』と同様の構成で、より難易度の高い問題が16題収録されています。 近代的な個人の自由の見なおしをテーマとする論考や、オリエンタリズムにかんする文章など、現代思想の主要テーマをあつかったものがいくつか見られます。そのほか、坂口安吾や花田清輝のややレトリカルな文章もあり、『発展編』にくらべるとややむずかしい内容ではありますが、やはり設問は比較的すなおで、妙なクセはありません。記述式の問題も、40字から80字程度でまとめることを要求する問題がおおむね1問ないし2問含まれているだけで、あまり負担に感じられることはありません。現代文の読解力をまっすぐに伸ばすことを企図した良問だと思いますが、シリーズ最難関という位置づけには、すこしそぐわないのではないかという気もします。 なお巻末には、小説問題の2題をのぞいて、200字の要約が示されています。解説は簡略ですが、本文の解説が手厚いので、とくに問題なくつかえるのではないかと思います。
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