本を愛しすぎた男 の商品レビュー
古書泥棒と古書店主たちとの闘い。 憎むべき泥棒は、純粋で歪んだ本への愛情をてらいなく明かす。 対する古書店主たちは、本と自分たちの暮らしを守るために力を合わせていく。 対峙する場面はスリリング。 それらにもまして惹かれるのは、人物たちの際限ない本への愛情。
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いきすぎた稀覯本コレクター、ギルキーの存在を知った著者が、彼とその周辺を取材してまとめたもの どうやって「手に入れ」たのかという当人の行動と、それを阻止すべく行動した古書店主サンダースの状況説明が合わさって展開していく。トレジャーハントにも似た古書の相場の話など、知っているよう...
いきすぎた稀覯本コレクター、ギルキーの存在を知った著者が、彼とその周辺を取材してまとめたもの どうやって「手に入れ」たのかという当人の行動と、それを阻止すべく行動した古書店主サンダースの状況説明が合わさって展開していく。トレジャーハントにも似た古書の相場の話など、知っているようで実は全然知らない世界が見えて面白い。 ただ、ギルキーの偏った思考は一度も揺らがないし、そのアクの強さに負けた著者がどんどん逃げ腰になってしまっていて、そのまま終わってしまったのが残念。 気に入った物を集めて満足する気持ちは理解できる。でもやっぱり本は読むためのものだよな、とも。「買った本はちゃんと読めっつうの馬鹿! 」っていう台詞がふと蘇った。
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ギルキーに感情移入できないばかりか、作者に対しても同じ感想を持った。実話ならではのエピソードを期待したが、ハラハラドキドキも無し。 ギルキーが常人にはあり得ない思考の持ち主であることだけはわかったけど…
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このタイトルは読まないわけにいかんやろ!と張り切って手にしたものの…。おバカな古本者の話を楽しく読めるのかと思っていたら、かなり違う内容だった。中心人物である本泥棒ギルキーにほとんどまったく共感できない。それどころか、その歪み具合に可愛げがなくて結構不愉快。 先日朝日の書評欄で...
このタイトルは読まないわけにいかんやろ!と張り切って手にしたものの…。おバカな古本者の話を楽しく読めるのかと思っていたら、かなり違う内容だった。中心人物である本泥棒ギルキーにほとんどまったく共感できない。それどころか、その歪み具合に可愛げがなくて結構不愉快。 先日朝日の書評欄で出久根達郎さんも「後味のわるい本」だと書いていた。あえて取り上げたのは「電子書籍の時代なら絶対にあり得ない内容だから」とあったが、それにしたってこれはノーサンキュー。
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カード詐欺や小切手詐欺などで、価値のある(価値の出る)古書をタダで次々と手に入れた男と、執念でそいつを見つけ出した古書店主とのインタビューを中心に構成されたノンフィクション。PR文にあるような「デッドヒート」は途中までで、犯人は逮捕され収監されるが、仮釈放されてはまた新しい手を使...
カード詐欺や小切手詐欺などで、価値のある(価値の出る)古書をタダで次々と手に入れた男と、執念でそいつを見つけ出した古書店主とのインタビューを中心に構成されたノンフィクション。PR文にあるような「デッドヒート」は途中までで、犯人は逮捕され収監されるが、仮釈放されてはまた新しい手を使って不正に本を手に入れ続ける。 犯人はわかっているため、この物語はどのように収束していくものか途中から心配になったのだが、やはりまとまりのない終わり方だった…本泥棒ギルキーも、自分のコレクションを作り上げることを切望しながらも、本選びには独自のテーマがなく、集め方に節操がない。他人を感心させることがコレクションの目的になっているからだろう。著者は最後のほうで「自分も本泥棒や古書コレクターの物語を集めるコレクターだ」といっているが、このまとまりのなさは、ギルキーの物語をとりあえず閉じるために意図的に選んだ結果なのかもしれない。というのも、実はギルキーが今も地味に犯罪を繰り返しているらしいことが暗示されており、彼の物語はまだ終わっていないのだ。 ギルキーは「本を愛しすぎるがゆえに盗んだ」ということになっているが、人をあっといわせるような蔵書を気づきたいという彼の感情は、本への執着ではあっても愛情とは違うと私には思われる。 「自分が望むような蔵書を持てないのは不公平な社会がいけないから」「タダで本を手に入れることはその社会への復讐」という本泥棒ギルキーの自己正当化は想像の域を超えている。そもそも自分を泥棒と思っていないようだ。著者は、いったいどうして罪を犯してまで本を手に入れようとするのかを理解したくて取材をはじめるのだが、その手口や、罪を正当化する理屈を聞いているうちに、自分が共犯者になっていないかと気をもむようになり、その感情も作品中で吐露している。このごく普通の感覚は、読んでいる側からすると当たり前すぎてあまりおもしろくない。 かといって、この図々しいギルキーという本泥棒も、肩入れしたくなるようなカッコよさがあるわけではないのだが。
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古書店から他人のクレジットカードの番号を使って、初版本やサイン本をだまし取る本泥棒ギルキーと、古書店組合の防犯対策室長サンダースの攻防を克明に取材。本を愛する人々のある意味究極の姿? 日本とアメリカではクレジットカードのシステムが微妙に違うようで、そんな手で他人のカード使えちゃ...
古書店から他人のクレジットカードの番号を使って、初版本やサイン本をだまし取る本泥棒ギルキーと、古書店組合の防犯対策室長サンダースの攻防を克明に取材。本を愛する人々のある意味究極の姿? 日本とアメリカではクレジットカードのシステムが微妙に違うようで、そんな手で他人のカード使えちゃうの?と思ったりもしますが、作品全体としては、本好きには興味津々のストーリーです。 取り上げられるあまたの書物にフムフムと唸ってしまします。
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本が大好きで稀覯本を収集したいという欲求が強すぎてカード詐欺や窃盗で次々と本を手に入れる男と、やはり本好きで古書店を経営し本泥棒を憎み捕まえる事に執念を燃やす男のノンフィクション。古書業界やコレクターについての話も興味深い。
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