1,800円以上の注文で送料無料

貴族と奴隷 の商品レビュー

2.8

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    1

  2. 4つ

    1

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    3

  5. 1つ

    1

レビューを投稿

2021/12/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

で?っていう……。 スタンフォード監獄実験を元に独自の展開が繰り広げられるのかと思いきや、別段そんなこともなく、山田悠介のホラー作品特有の気味が悪くて得体が知れないただただ悪意の塊みたいな要素も薄くて、だからなんだ?というレベル…。 そもそも主人公を全盲という設定にした意味もわからない程に特徴がなく、描写が抽象的になり過ぎてただ状況の想像がし難いだけだった。周囲が見えないからこそ生ずる緊迫感や恐怖が描き切れていない印象。 優しく協力的な存在が失われてしまうのはよくある展開だし、それによって何かが壊れるというのもありきたりで特に何という事もなく…。 ラストもまあそうなるよねって程度で、良い意味での後味の悪さすら残らない呆気ない最後でした。 寧ろ主人公だけは清廉潔白のまま堕ちていく周囲に絶望していく、とかの方がまだなんとも言えない感覚を味わえたんじゃないかと…。そこすらも中途半端で、全く感情移入も共感も出来なかった。 もしかすると作品が変わったのではなく、自分の思考や嗜好が変化して楽しめなくなっただけかも知れないので、次は以前読んでそこそこ印象的だった話を読み返してみようと思う。

Posted byブクログ

2021/04/14
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

新しい本かと思ったら古かった~全盲の僕と仲のよい直也とともえさんもある日突然拉致されて、奴隷の扱いを受けることになった。貴族役も13,14の同学年の者だ。貴族は屋敷を与えられ、奴隷は貴族が鍵を持つ檻に入れられ、植物の収穫をやらされる。同い年ながら真面目で暗く不登校だった貴族たちはそれらしく振る舞い、奴隷にされた者は不満を募らせるが、貴族が生殺与奪の力を持っているので逆らえない。その中で、直也は貴族の館に連れ込まれ、帰ってくるとふらふらしている。収穫しているのはピンクの花と緑の草、直也は大麻を吸わされていたのだ。粋がっていた奴隷の一人が貴族によって物置に閉じ込められ、水を与えられずに死ぬと、貴族同士の力関係も生じてきた。何人かが死んだ十日後、関係を清算し、奴隷の中から新たな貴族を選ぶと告げられると…~図書館にポップが立っていたからだけど、奥付で確認しましょう

Posted byブクログ

2020/01/02

シミュレーションから始まる地獄。 何故このような実験を行ったのかは不明だが、人間であり意思がある限り支配され生き続ける事は不可能ではないだろうか。 数日間は今まで通りだとしても、どこかで立場を理解した途端に崩壊してしまうよな。

Posted byブクログ

2019/11/05

実験として無作為に集められた生徒たちに、貴族と奴隷という立場が与えられる。 権力が与えられた貴族たちの横暴な様や、人権を迫害される奴隷たちの憐れな様は、人間の嫌な部分を感じずにはいられない。 立場の逆転、ある者の死など、少年少女の心がかき乱される出来事が次々とハイスピードでおこ...

実験として無作為に集められた生徒たちに、貴族と奴隷という立場が与えられる。 権力が与えられた貴族たちの横暴な様や、人権を迫害される奴隷たちの憐れな様は、人間の嫌な部分を感じずにはいられない。 立場の逆転、ある者の死など、少年少女の心がかき乱される出来事が次々とハイスピードでおこる。 特に立場が逆転したときの元貴族の現実を受け入れられない様や、それを嘲笑う奴隷たちの姿は人間味を大いに感じさせるものである。 人間のもろく弱い部分をひしひしと感じさせ、最初から最後までハッピーエンドを期待できないこの作品は、山田悠介らしさが満載だといえる。 ハッピーエンドが好きな人にはおすすめできないが、バッドエンドが好きな人や、読書に興奮を求める人にはおすすめの作品といえよう。 蔵書なし ハンドルネーム ちょす

Posted byブクログ

2019/01/15

山田悠介さんらしい作品でした 映画「es」の看守と囚人みたいでしたね 本質が善良でも力を手にしたらおかしくなってしまうんでしょうね 人間はどこまでも残酷になれるというお話でした

Posted byブクログ

2017/04/04

理不尽な悪意。でも無駄がなさすぎて、逆に本質的なものを突きつけられた恐ろしさが。絶対にフィクションとは言い切れない。戦争中の実験の話とかを思い出しました。

Posted byブクログ

2017/03/23

1971年にアメリカのスタンフォード大学心理学部である実験が行われた。 刑務所(模型の実験監獄)を舞台に看守役と受刑者役に分け、7日間に及ぶ実験が始まった。 参加者は新聞広告などで集められた21名。 11名を看守に、10名を受刑者にとグループ分けがされた。 やがて禁止されていた暴...

1971年にアメリカのスタンフォード大学心理学部である実験が行われた。 刑務所(模型の実験監獄)を舞台に看守役と受刑者役に分け、7日間に及ぶ実験が始まった。 参加者は新聞広告などで集められた21名。 11名を看守に、10名を受刑者にとグループ分けがされた。 やがて禁止されていた暴力行為が開始され、結局6日目に実験は中止された。 この物語はこの実験をモチーフに書かれたのかもしれない。 拉致された中学生たちは貴族と奴隷に分けられる。 貴族の言うことは絶対で、生きていくために必要な食事を与える権利さえ貴族の自由とされた。 視力障害のある伸也は作業から外され、食事も満足に与えられない。 徐々に歯止めを失っていく貴族たち。 しかし、踏み込んだ心理描写はなくあっさりと出来事だけが語られていく。 想像力の問題なのかもしれないが、共感も反発も登場人物たちに感じることが出来なかった。 読者の年齢層を選ぶ作品なのかもしれない。

Posted byブクログ

2015/01/12

さすが山田氏。全くブレない作風です。1時間もかからずに読破できてしまう軽さと薄さ。もはやこの人の武器です。マンネリ感が半端無い。そこそこに本を読み重ねていくと、山田氏の力の無さが露呈します。いや、それも山田氏の武器です。書く力がないことが武器になる。逆転の発想です。

Posted byブクログ

2013/12/31

銃を拾うくだり以降をもっと書き込んでいれば、もっと良かったのに。 オチは嫌いじゃないけど、少し唐突な気がしました。

Posted byブクログ