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卯月の雪のレター・レター の商品レビュー

3.6

27件のお客様レビュー

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2024/07/26

傷ついた心やしんどい時に読みたくなる短編集だ。 いずれの作品も少女や女性を主人公にしているが、優しく、そっと寄り添ってくるような暖かみがある。 日常の謎が主体になっていて小品ながらも読ませる短編集となっている。 「狼少女の帰還」がよかった。

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2023/09/06

思春期の揺れ動く気持ちと、それを見守ったり一緒にあたふたしたりする大人の気持ち、両方が知れる本。いつか子どもと一緒に読みたい。

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2023/04/23

 ゆらゆら、揺り籠みたいに。  今はもう少し、眠っていよう。(p.86) ■簡単なメモ 【内容】五つの短編。少女たちの感性を描きつつもミステリでもある。 【一行目】「このばかっ!」 【小生意気リゲット】二人暮らしの妹シホがよそよそしくなり何を考えているかわからなくなって落...

 ゆらゆら、揺り籠みたいに。  今はもう少し、眠っていよう。(p.86) ■簡単なメモ 【内容】五つの短編。少女たちの感性を描きつつもミステリでもある。 【一行目】「このばかっ!」 【小生意気リゲット】二人暮らしの妹シホがよそよそしくなり何を考えているかわからなくなって落ち込む姉。 【こそどろストレイ】サキ(島崎水葉)と加奈は雪の中、同級生の百織(しおり)さんの豪邸でタコパー。雪上密室盗難事件に出逢う。 【チョコレートに、躍る指】入院しているヒナ、友人のユリとスズ、どこかにズレがありどういう状況なのか? 【狼少女の帰還】小学校の教育実習に来た琴音は、奇妙に落ち着きがない咲良という少女がクラスメートのまいなの家で家政婦が窃盗を働いたのを見たと言い嘘つき呼ばわりされているのを知った。 【卯月の雪のレター・レター】本好きの小袖は法事で母の実家に行くと従妹の千尋が、祖母からのシゴフミが祖父に届いたと言う。 ========================= 【生き方】どんなに過酷で、どんなに押しつけられたものでも、自分の生き方を選ぶのは、あたしたち自身だから。その選択に後悔することがあっても、自分で選んだ道だもの。前に進まなくちゃいけない。生きるって、きっと、そういうことなんだ(p.242) 【遺伝子】わたしの遺伝子は、壊れている。(p.155) 【嘘】わたしの嘘が、あなたを騙す。苦しい現実が、これ以上、溢れ出ないように。(p.95) 【笑顔】自分の笑顔は嫌い。/ だから、笑わない。/ だから、怖いと思われる。怖いと言われる。あの子は暗い。あの子は不機嫌そう。あの子はなんだか怒っている。(p.150) 【屋上】よくわかんないけどさ、屋上って不思議な空間でしょう。(p.101) 【男の子】女の子と男の子というのは相反するものなのだ(p.50) 【思い出し笑い】思い出し笑いは私の悪いくせだな。(p.51) 【期限】どんなものにも期限があって、そしてそれは定期的に更新の約束をしなければ続かないのだと知った。(p.96) 【気力】けれど、なにをしようかまよう間に、そのどれもが興味の対象から消えていく。(p.27) 【精神】身体の仕組みが完成していくように、その精神の構造もまた、運命付けられるのだとわたしは考える。(p.99) 【喪失】わたしはそのときに、なにかを失ってしまったような気がする。(p.116) 【バレンタイン・チョコレート】可愛らしくリボンでツツマレタほうそうしの中身は、攻撃的な勝堂の結晶だ。(p.115) 【本】ページを捲る度に躍る活字が、わたしという人間に言葉をタイプして、わたしをかたち創るのだから。(p.181) 【本好き】本を読んでいるから頭がいい。読書をしているから真面目そう。賢い。すごい。勉強ができる。そうした偏見ともとれる言葉を耳にする度に、どう反応したらいいのかわからなくなって、戸惑いを覚える。だって、この身体の内へと物語を消化することは、わたしにとっては単なる娯楽に過ぎない。(p.193) 【野菜】一つは、これを使って、どんな料理を作ろうかと考えに浸る。もう一つは、この色彩豊かな商品群を、どんなふうに描こうかと、夢想する。(p.30) 【わからない】歳を重ねる度に、わからないことが一つ一つ増えていく。それが少しばかりもどかしくもあった。(p.19) 【わたし】どう足掻いたって、わたしは、わたしなのだから。(p.242)

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2021/02/04

短編集。登場人物が学生なので若者向き 面白い作品が多いが、途中で結末が分かってしまうので、確認作業感あり。

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2020/06/22

好きな作家さんの短編集。全体評価は三つ星だけど、書き下ろしの表題作は、不安に向けられた優しい視線が結構良かったです。

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2019/05/22

「小生意気リゾット」 擦れ違う二人の心。 両親がいなくなると必然的に歳上のものが夢などを諦めて自分の姉妹の面倒を見ることになるが、少しは悔しい気持ちもあるだろうがそれよりも自分の叶えられなかった夢を叶えて欲しいと思うのではないだろうか。 「こそどろストレイ」 密室で消えた花瓶。...

「小生意気リゾット」 擦れ違う二人の心。 両親がいなくなると必然的に歳上のものが夢などを諦めて自分の姉妹の面倒を見ることになるが、少しは悔しい気持ちもあるだろうがそれよりも自分の叶えられなかった夢を叶えて欲しいと思うのではないだろうか。 「こそどろストレイ」 密室で消えた花瓶。 悪気があってした事ではないが高価なものを壊してしまった後どうしたらいいのか分からなかったのかもしれないが姉の機転により助かったが、その後本当の事を話謝罪出来たら一番だろうな。 「チョコレートに、踊る指」 彼女に隠していた嘘。 何故こんなにもちぐはぐな内容なのかと思ったら大切な情報が隠されていて、ただその現実はきっと誰もが簡単には受け入れられない内容だったからこんな事になったのだろうな。 「狼少女の帰還」 個性を潰して普通に。 沢山の子供の面倒を見るのは確かに大変で疲れることだが、だからといって人それぞれの個性を大人が否定し皆の輪に入れない子供の方が悪いと決めつけるのは間違っていると思うな。 「卯月の雪のレター・レター」 何十年もの時を超えた手紙。 似たような漢字で名前をつけるというのは昔ながらによく有る話だが、彼女たちがしっかりと名前を覚えていれば当時ではありがちな切ない恋物語だったのだろうな。

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2017/02/04

短編集。小生意気リゲットと狼少女の帰還が好きだった。狼少女~の坂下のことなかれ主義な性格に腹が立った。対して、子どもたちと正面から向き合おうとする琴音には好感が持てた。

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2016/11/29

(収録作品)小生意気リゲット/こそどろストレイ/チョコレートに、躍る指/狼少女の帰還/卯月の雪のレター・レター

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2016/10/27

最後の章の物語が、胸に突き刺さるほど強くそして痛みにも似た感情として、わたしの心に深く刻まれた。主人公があまりにも自分に似すぎていて、思わず泣きそうになったシーンがいくつもあった。この本、手元に置いておきたい。

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2016/03/04
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

小袖は読書が好きなおとなしい高校生。 法事で祖父のもとを訪ねた際に、従妹から奇妙な質問をされる。 「死んだ人から、手紙って来ると思う?」 祖父宛に最近届いた手紙は不可解な内容だったが、六年前に亡くなった祖母が昔に書いたもののようだ。 それがなぜいまごろになって? 誰かの悪戯なの? 思い悩んだ小袖は、その手紙の謎をある人物に話すことに…。 (アマゾンより引用) う~ん… 面白くないことはないけど、面白いこともない(´・ω・`) 短編集です。 3番目のお話はわりと良かったな(*´∀`*)

Posted byブクログ