歴史の読み解き方 の商品レビュー
明治維新を立役者がどのような教育を受けてのかがわかる本。朱子学も学ぶが、読み書き中心ではなく、具体的実践的で先輩が後輩を指導する教育、すごい。。
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薩摩藩や長州藩が全く違う藩士の育て方をしており、気風も全く違ったというのを説明してくれています。 また最後には「司馬遼太郎の功罪」についても具体例を持って説明してくれています。 江戸時代を勉強するようになって、時代劇を見なくなり、時代小説を読まなくなりましたが、これらは史実に基づいたフィクションで、あくまでも創作であると思っていますので、まだまだ勉強する私としては、史実をフィクションがごっちゃになってしまうからです。
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磯田氏はNHKの「英雄たちの選択」で知ったのだけど、あれよあれよというまに有名人になっちゃいましたね。 遅ればせながら図書館で彼の著作を借りようとしたら、殆ど借りられていました。(^^ゞ 残っていた数少ない一冊がこれ。 寄せ集めで、内容に統一性はない。 歴史のトリビアに近い。 ...
磯田氏はNHKの「英雄たちの選択」で知ったのだけど、あれよあれよというまに有名人になっちゃいましたね。 遅ればせながら図書館で彼の著作を借りようとしたら、殆ど借りられていました。(^^ゞ 残っていた数少ない一冊がこれ。 寄せ集めで、内容に統一性はない。 歴史のトリビアに近い。 現代の日本人の特質とされる性質は江戸時代に形成されたというのは何となく分かるので、もうちょっと関連本を読んでみたくなった。 戦国時代と江戸時代では主従関係が根本のところで違っていたのは常識だろうが、再認識させられた。 彼の書きかたは面白い。 学者でありながら好奇心丸出しにし続けているのが好感を持たれる所以だろう。 古書をスラスラ読める特技があって、誰にも負けないという自信を隠していない、 本来なら埋もれてしまう才能なのだろうが、こういう歴史ヲタクが若いときから注目されるようになることは、日本にとって喜ばしいことだと思う。 今後の活躍を期待したい。
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この本も内容が濃い! 江戸の武士団と戦国の武士の考え方から江戸の武士団と奇兵隊の戦術の違いに始まり、忍者の定義や甲賀忍者と伊賀忍者の違い。 江戸の治安がどのようにして守られ、現代日本にどのように反映されているのか。 薩摩の郷中教育とはなにかを会津藩等との比較で明らかにし、歴...
この本も内容が濃い! 江戸の武士団と戦国の武士の考え方から江戸の武士団と奇兵隊の戦術の違いに始まり、忍者の定義や甲賀忍者と伊賀忍者の違い。 江戸の治安がどのようにして守られ、現代日本にどのように反映されているのか。 薩摩の郷中教育とはなにかを会津藩等との比較で明らかにし、歴史から震災を学び、さらには司馬遼太郎の文学と資料としたと思われる古文書から歴史文学に今何が必要かを語る等々。 これらの大半を古文書を一次資料とし面白くて判り易く解説してくれている。 ちょいちょい著者の他の本でも読んだ内容が含まれてはいるが、そこはその章の流れからして仕方ないので、あっ前にもこれ読んだな程度で流せばよし。 ますます著者の他の作品も読みたくなった。
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非常に面白い本でした。「歴史に興味のある方」も「ない方」も一読をお勧めします。 構成は以下の通りです。 1.江戸時代の武士の生活 2.甲賀忍者 3.江戸の治安文化 4.長州という熱源 5.薩摩の郷中教育 6.歴史に学ぶ地震と津波 7.司馬文学を解剖する この中から興味を惹いたものを一部紹介します。 1.「江戸時代の武士の生活」から 兵農一体の中世の武士団が、織田信長に始まる兵農分離の武士団に生れかわり、その形態は江戸幕府に引き継がれていった。これは、学校の教科書にも書いてある?ので、周知の事だと思います。その後、鎖国という特殊環境の下で江戸時代の戦術は火縄銃の密集隊形の重兵戦術で留まっていた。 幕末になって危機に追い込まれた長州は新式のライフル銃を元に重兵戦術から散兵戦術へと移行する。この重兵と散兵が戦場でぶつかったら一方的な虐殺が起きる。長州の指揮を執っていた大村益次郎は、幕府と戦う前から勝利を確信していたというのは凄い。 幕末~明治の一連の戊辰戦争で、幕府側が何故あのように簡単に破れたかの理由の一端が分かりました。 また、幕府や藩は行政機関に見えるが、軍隊組織だと著者は指摘する。 武士というのは何か特殊な価値観や美学を持ったイメージがあり、「軍事政権」という言葉には馴染まない感じがしていたが、言われてみればその通りというしかない。 私の関心は、昭和の戦争に突入していったのは、このDNAが引き継がれていたからだろうか? その武士には「侍・徒(かち)・足軽」という3つの身分があり、この中のうち、うすい徒士層の出身者が、幕末から明治の日本の近代化に大きな役割を果たした。 西郷・大久保・伊藤博文・山形有朋・福沢諭吉など10石~50石程度の下級武士つまり徒士出身。家柄が良いとされた高杉晋作でも150石程度。 また、日露戦争の将軍と言われる、乃木希典・児玉源太郎・大山巌らも精々50石ほどの徒士出身。 明治人は偉かったと言われるが、このほとんどが士族でしかも徒士。士族文化・徒士文化で育った特殊な人たちで、一般の日本人ではないという。 そういう意味では、我々は明治維新をどう評価すればよいのだろう? これは特殊な集団がなした革命で、こういうことは千載一隅で、奇跡としか言えないということなのか? 著者にそこをきっちり言って欲しい気がする。 6.「歴史に学ぶ地震と津波」から 「3・11」の時に地震に揺られながら「歴史学はこれまで地震や津波の研究をあまりしてこなかったから、自分がやらなけれがいけない」と思ったという思いから、南海トラフの被害の痕跡が深い浜松の大学(静岡文化芸術大学)の公募があったので、そちらへ移ったというほど、責任感と好奇心の強い人柄が滲みでる。 事実過去の南海トラフによる津波は特大クラスになると、浜松では15m、伊豆下田では30mになるという凄まじいものだそうです。 7.「司馬文学を解剖する」から 歴史を扱った小説を分類すると、歴史小説と時代小説。そして歴史小説の一分野に史伝小説という分類をしている。古くは森鴎外が書き、新しくは司馬遼太郎の「坂の上の雲」などが、これに近いという。 本著では、司馬作品の「関ヶ原」を取り上げ、その元資料の一つとして、徳川家康が、関ヶ原当日の合戦に赴く場面を書いた(家康の主治医であった)板坂卜斎の「慶長年中板坂卜斎覚書」との比較で、史実と違う点や司馬遼太郎が文学的に膨らませている点を指摘しているのは面白い。ただ著者は歴史学者であるため、やはり史実に厳格な史伝小説を求めている。 そして司馬遼太郎を越える史伝小説を書く作家が出てくることを求めているが、これはないものねだりのようにも思うのだが・・・
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「長州という熱源」で出てくるコメ以外の生産活動の記録があることで、当時の経済状況がしっかり把握できるという話は非常に面白かった.各地で様々な商工業活動が江戸時代に税法上優遇されていたことが、明治以降の工業的な発展の基礎になったという視点は重要だと思う.「郷中教育」に代表されるよう...
「長州という熱源」で出てくるコメ以外の生産活動の記録があることで、当時の経済状況がしっかり把握できるという話は非常に面白かった.各地で様々な商工業活動が江戸時代に税法上優遇されていたことが、明治以降の工業的な発展の基礎になったという視点は重要だと思う.「郷中教育」に代表されるように各藩ごとに独自の方針で教育を行ってきたことが、多様な地方文化の源だと感じており、文科省が一律的な教育を思考するのは間違えだと思っている.
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むぅ…おもしろい! 一番好きなのは会津などの学習方法と薩摩の学習方法の対比ですね。 どっちが良いとかではなく、江戸時代の学習方法が藩によって全然違うということ! 現代は情報社会で、それこそ自分に合った学習方法を選べる時代なんだから、恵まれてるよねぇ… なんて思っちゃったよ。。。 ...
むぅ…おもしろい! 一番好きなのは会津などの学習方法と薩摩の学習方法の対比ですね。 どっちが良いとかではなく、江戸時代の学習方法が藩によって全然違うということ! 現代は情報社会で、それこそ自分に合った学習方法を選べる時代なんだから、恵まれてるよねぇ… なんて思っちゃったよ。。。 …情報過多だけどね…。。。
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江戸時代および幕末時代の政治や教育について紹介している。 人を殺さない日本人は、治安が確立された江戸時代以降のこと。その確立には、五人組の制度に表されるようないわゆる世間体が影響を与えてきたこと。この辺りの話は自分たちを理解する意味において興味深い。 また、実学の大切さ。今でいえ...
江戸時代および幕末時代の政治や教育について紹介している。 人を殺さない日本人は、治安が確立された江戸時代以降のこと。その確立には、五人組の制度に表されるようないわゆる世間体が影響を与えてきたこと。この辺りの話は自分たちを理解する意味において興味深い。 また、実学の大切さ。今でいえば大学や社会で培う力を幼小から続けるなんて、効率のよいことこの上ない。今に通じる記憶学問に批判的だったのが、大隈さんということで、申し訳ない気持ちでいっぱいになる。
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歴史物を読んで勉強したい反面、日本史をずらずら並べたものには抵抗があって…というときに読んだ。最近の震災につながる読み解きは面白かった。あとはEU諸国のGDPとからめたところとか。面白く読めました。
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日本のいろんなことのルーツを知ることができた。今を知るには過去を知るべきであり、未来を予想するにも過去はとても重要だということがよくわかった。これからもこの本をきっかけとして、歴史には触れていきたいと思う。
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