誘蛾灯 の商品レビュー
獄中死後に本書の存在を知り購入。文庫化されてるとも知らずに。いやはや、著者も、夢中に読んだ小生もチェックメイトではなかろうか?そしてラストのケムに巻かれた感は現実の死により完全なる完成となってしまった。田舎ホラーの一種でもある。ノワール小説、ノワールフィルムにおけるファムファタ(...
獄中死後に本書の存在を知り購入。文庫化されてるとも知らずに。いやはや、著者も、夢中に読んだ小生もチェックメイトではなかろうか?そしてラストのケムに巻かれた感は現実の死により完全なる完成となってしまった。田舎ホラーの一種でもある。ノワール小説、ノワールフィルムにおけるファムファタ(ー)ルの概念すら破壊する。
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鳥取連続不審死事件の話。 ホントに何回見ても、うまくみても、上手にどーにかしても、やっぱり太った冴えない中年のおばさんにしか見えないのに、、、 なぜ、次から次へと金を貢いで、しまいには自殺に追い込む。 そして、また次の男次の男。 5人の子どもがいて、次から次へと男を夢中に...
鳥取連続不審死事件の話。 ホントに何回見ても、うまくみても、上手にどーにかしても、やっぱり太った冴えない中年のおばさんにしか見えないのに、、、 なぜ、次から次へと金を貢いで、しまいには自殺に追い込む。 そして、また次の男次の男。 5人の子どもがいて、次から次へと男を夢中にさせる何かがあるとはとても思えない女なのに。妻子持ちの有名自動車メーカーの営業マンも美人の妻を差し置いてミユキと一緒になる! と、言わしめたり。 なんと警察の刑事しかも、三課の。なぜ!!! 何回写真見ても、どーしてもわたしが男ならどんなに性格よくてとてつもなくいい子だとしても。好きになれる気がしない。 でもって二股どころか三股と、しかも、5人の子持ちで、それで持って金金金と金の亡者だった。と付き合いをしていた生きてる男たちは口々に言う割に、でも、癒された。と。 マジか。 著者はどうにもこういも絶対見たくないみたくないけどくせになる。そんな絶望的な底の底に身を沈めたくなるそんな気分でのめり込んでいったんじゃないか? って話だけども。 なんとも不可思議で仕方ない。 すごい女だってことはわかるよね。5人は殺したんじゃないかと思われてるけど、一つも証拠残してないし、ウチ二人は完全に自殺させてる。 すごくないか。この女。
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日本の司法制度の脆弱を懇切丁寧に物語る構成に感嘆する。地元住民から陸の孤島と自嘲される鳥取県で次々と起きる不審死事件。計六人の男が死に至りそれぞれが一人の女性上田美由紀と関わりを持つ。男から金を毟り取る女は果たして殺人を犯したのか。決定的な証拠も自白もなく、別件の強盗や虚言を列挙...
日本の司法制度の脆弱を懇切丁寧に物語る構成に感嘆する。地元住民から陸の孤島と自嘲される鳥取県で次々と起きる不審死事件。計六人の男が死に至りそれぞれが一人の女性上田美由紀と関わりを持つ。男から金を毟り取る女は果たして殺人を犯したのか。決定的な証拠も自白もなく、別件の強盗や虚言を列挙することで裁判員に有罪へと誘導する検察、被告人質問で黙秘権を行使する美由紀。さらに黙秘=承服&逃避だという論法で糾弾するメディア。語らない被告人はどのような真実を抱え込んでいるのか。彼女が筆者に語る言葉の中に真実を見出すことの困難が社会の縮図となる顛末にうならせる。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
日本の裁判って、こんなにいい加減なのかと、初めて知った。到底、女一人でできる犯罪と思えないにも拘わらず、単独犯罪だと結論して、不思議に思わないこの、恐ろしさ。
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フリージャーナリストが鳥取連続不審死事件を追う。警察の捜査や裁判の在り方、事件の真相を追うというよりは、なぜ刑事や新聞記者といった男性達があのような女性に惹かれ人生を狂わせたのか?というのが主題。同時期の埼玉の事件も同じような扱いでメディアに取り上げられていたが…そんなに謎か?殺...
フリージャーナリストが鳥取連続不審死事件を追う。警察の捜査や裁判の在り方、事件の真相を追うというよりは、なぜ刑事や新聞記者といった男性達があのような女性に惹かれ人生を狂わせたのか?というのが主題。同時期の埼玉の事件も同じような扱いでメディアに取り上げられていたが…そんなに謎か?殺人まで行ってしまうとアレだがそこまで行かなければ男女関係には多かれ少なかれありそうな話と言い切れないのがマスコミか。笑うセールスマンのある話を思い出したわ。
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テレビのコメンテーターとしてよく見る青木理さんの作品を読んだことがなく、とっかかりの1冊として手に取った。「木嶋佳苗」と言うと、「ああ」とわかる人でも、ほぼ同時期に鳥取で同じような事件があったことを覚えている人は、私の周りには少ない。そこに斬り込んだ作品。 書かれたのは2013年...
テレビのコメンテーターとしてよく見る青木理さんの作品を読んだことがなく、とっかかりの1冊として手に取った。「木嶋佳苗」と言うと、「ああ」とわかる人でも、ほぼ同時期に鳥取で同じような事件があったことを覚えている人は、私の周りには少ない。そこに斬り込んだ作品。 書かれたのは2013年。死刑は2017年に確定している。この女性が、「息をするようにうそをつく」のだったとしても、ちょっと食い足りない気がする。
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全国にこの誘蛾灯がどれくらいあるかを妄想する インタビューに応じたママさんは、そこいらいにいるデフォルトママ
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鳥取という日本で一番小さな人口の少ない県の風景と、そこで起きたと目される事件。事件そのものというより、鳥取の社会と人の印象が深い。 最初「えっ。なんでそうなったの?」と思うのだけれど、だんだんと、彼女に惹かれていく故人の心境が「ああ、そうなるかもしれない」と思えてくるから怖い...
鳥取という日本で一番小さな人口の少ない県の風景と、そこで起きたと目される事件。事件そのものというより、鳥取の社会と人の印象が深い。 最初「えっ。なんでそうなったの?」と思うのだけれど、だんだんと、彼女に惹かれていく故人の心境が「ああ、そうなるかもしれない」と思えてくるから怖い。 よく、確固たる信念を持て、と言われるけれど、バブル崩壊後は信念を持つのが辛い時代であり、地域性故か、余計に陰鬱で未来が見えない状況だ。その中で「自分」を手放して、彼女に振り回されたい……どうせ辛いなら、彼女のために、と思う気持ちがわかるような気もする。 私は、ノンフィクションは事実を求めていない(書き手のフィルターを通すので、事実とも言い切れないと思うのだ。また事実なんてものも、立場によっては見方が異なる訳だし)。なので、書き手の心象が描かれているものに惹かれる傾向がある。そういった意味で非常に読みがいのあるノンフィクションであると思う。 他の作品も読んでみたいと思うと共に、続編でないかなぁ。
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なぜ妻子と別れてまで美由紀と付き合うのか、美由紀には金を毟り取られるだけなのに、という問いに対して、大田が言った 「女なんて多かれ少なかれ、そんなとこ、あるやろ。あんたのカミさんかて、カネ、カネって言うやろが(笑)」 という言葉にドキッとさせられた。 自分とは接点のない女性だと思...
なぜ妻子と別れてまで美由紀と付き合うのか、美由紀には金を毟り取られるだけなのに、という問いに対して、大田が言った 「女なんて多かれ少なかれ、そんなとこ、あるやろ。あんたのカミさんかて、カネ、カネって言うやろが(笑)」 という言葉にドキッとさせられた。 自分とは接点のない女性だと思っていた美由紀が、ぐっと身近に感じられた瞬間だった。 最後の著者と美由紀の面会のシーンは、読み手も美由紀に翻弄されてしまい、イライラするけど、もっと話が聞きたいような変な感じを味わった。 弁護士ともこんな感じでやりとりしていたのかも…と想像したり。 裁判のあり方や警察、検察側の問題に対する著者の考え方も散りばめられていて、興味深く読みました。
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あー、いるいるこういう人って思った。人と話す時に優位に立とうと悪気なくウソをつく、ついてしまう。 ちょっと説明的な文章のところ(鳥取の地形的な説明とか)、飛ばし読みしてしまった。地方のこの環境が影響していつのはわかるんですが…、スンマセン。
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