少国民戦争文化史 の商品レビュー
おもしろい。実は図書館から借りたが、ぜひ手元に置いてゆっくり読み返したい本。国家権力によるプロパガンダには注意だ。奴等は平気で美談をでっち上げるのだ。
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久々の大著完読。疲れました。 昨年来、交感神経が何となくおかしくなってしまったような気はしているのだが、本書に掲載された少国民向け童話を読んで感動してしまう自分がいる。山中峯太郎、南洋一郎、吉川英治などの大衆派を読んでいた著者は、子どもながらに芸術派の童話、読み物は面白くないと言う(確かに面白くはない)。もし自分があのころを過ごしていたらやはり天皇陛下万歳、兵隊さん万歳の少国民だったろう。 戦争に協力した文化人は、どのように自己批判や反省をすればよいのだろうか? 軍人であるならば、阿南や大西のように自決。今村のように自ら進んで部下とともに外地で受刑し、さらにその後は自宅に蟄居謹慎するという方法もあるが。 その意味で第一章で触れられる『マル秘/出版界粛清報告書(第一)』は、当時の左翼思想に大きく影響されてはいるものの、自己批判、総括が行なわれていたのかと興味深かった。 そういえば最近亡くなった詩人 まど・みちお は、老年になって編纂された『まど・みちお全詩集(理論社/1992)に”戦時中に戦意高揚のために書いた戦争詩を全詩集に収め、「私のインチキぶりを世にさらす」と読者に謝罪した。”(〈本の舞台裏〉まどさんと編集者/[文]白石明彦/[掲載]2014年03月16日 book.asahi.comより引用) 過ちは過ちと素直に認めて謝り、そのことを忘れずに、創作活動を続けていくことがその答えのように思える。
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戦中、児童を対象に出版された書物について、 いかにして戦争礼賛に走ったか、 またその内容はどんなものであったかを記す一冊。 筆者の一貫した批判的態度はすがすがしいまでであるが、 引用が非常に多く当時の雰囲気がとてもよく伝わる。 火野葦平の書籍については折を見て触れてみたい。
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