小説を読む、ことばを書く の商品レビュー

金井美恵子【著】

2014/04/21

お楽しみのエッセイコレクション。３は「小説を読む、ことばを書く」と題して、作家評、書評などを中心に収録されている。無防備に読み出すと毒でクラクラしそうになるものもあるので、気合いを入れて一つずつ読んでいったら、えらく時間がかかった。なんとも濃密な時間だった。

最も震撼したのは、最終Ⅳ章に収められた「たとえば（君）、あるいは、告白、だから、というか、なので、『風流夢譚』で短歌を解毒する」という、なんともタイトルからして人を食った、そして、毒に満ちた一篇。こんなふうにしれっと短歌界にケンカを売る人は、まあ他にはいますまい。これには思いっきり胃もたれして、まだ消化できない。金井さんの書かれるものを読むと、いつもいつも無傷ではいられないのだった。

2013/10/30

エッセイ・コレクション第3巻は『小説を読む、ことばを書く』。
雑誌に掲載された書評、個人全集の月報などを収録している。
月報への寄稿が多いのは意外だった。吉田健一は知っていたが(著作集を買ったから)、それ以外にも書いていたのね。
矢張り意外だったのは山田風太郎について書いたエッセイがあったこと。金井美恵子と山田風太郎……ぜんぜん結びつかないから驚いたw
あとは12月刊行の第4巻を残すのみ……。