1,800円以上の注文で送料無料

ねじれた文字、ねじれた路 の商品レビュー

4.1

9件のお客様レビュー

  1. 5つ

    3

  2. 4つ

    4

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    0

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/06/05

アメリカ人と言えば陽気でパリピでという偏見も持ちつつも、BTTFみたいにいけてない若者というのはいっぱいいるわけで。と言ってもマイケルじゃあイケメン過ぎるので、本当にイケてない感じのイメージで今作の主人公である。41歳独身。 日本なら安アパートに住んでるところだけど、向こうじゃ田...

アメリカ人と言えば陽気でパリピでという偏見も持ちつつも、BTTFみたいにいけてない若者というのはいっぱいいるわけで。と言ってもマイケルじゃあイケメン過ぎるので、本当にイケてない感じのイメージで今作の主人公である。41歳独身。 日本なら安アパートに住んでるところだけど、向こうじゃ田舎のボロい一軒家で、確かにこれが似合う。そこからの酷い展開にもめげずに立ち向かうというか、けっこう流れ流されてな感じだけど、ていうか実は何もやってないくらいだけど、後は作者の語りに任せてゆるりと彼の人生を辿ってみるのも良いではないか。人生捨てたもんじゃいないよ。

Posted byブクログ

2018/10/24

某サイトで『卵をめぐる祖父の戦争』を購入した折に、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」によって知った1冊。レビュー数は少ないけれど高評価なのにつられて買いました。 田舎の町で起きた若い娘の失踪事件。同年代のラリーが疑われるも証拠がないまま25年。同じ町で...

某サイトで『卵をめぐる祖父の戦争』を購入した折に、「この商品をチェックした人はこんな商品もチェックしています」によって知った1冊。レビュー数は少ないけれど高評価なのにつられて買いました。 田舎の町で起きた若い娘の失踪事件。同年代のラリーが疑われるも証拠がないまま25年。同じ町でまた娘の失踪事件が起き、住民は再びラリーに疑いの目を向ける。町の治安官はかつてラリーの友だちだったサイラス。 ミステリーのはずなのに、それらしき話がなかなか出てきません。480頁近くのボリュームで、いったいいつになったら面白くなるのかと思いながら真ん中辺りまで。しかし振り返ってみると、つまらないわけではなくて、いつのまにかラリーとサイラスの人生に想いを馳せている。人種について何も考えることなく読んでいたため、かなり進んでからラリーが白人、サイラスが黒人と知って結構な衝撃。この町の日常は一見のどか。でも偏見や差別がはびこっていることがわかります。それゆえ、人前で友だちだとは言えなかったふたり。 読後感のとても良い作品です。いい本を読んだ、そう思えます。

Posted byブクログ

2017/04/30
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

25年は長すぎる ラリーが阻害されていた年月を思うとツライな サイラスは町民達から糾弾されてもいいんじゃね? サイラス、土下座が足りんよw ☆3.5

Posted byブクログ

2016/08/17

 短編集『密漁者たち』で、この作家をマークするようになり、妻べス・アン・フェンリイとの共著『たとえ傾いた世界でも』で、ミシシッピ川の歴史に残る氾濫を背景に壮大南部冒険小説を書き上げたことにも心打たれたと言うのに、ブラインドスポットに入ってしまったために恥ずかしながら長らく気づかな...

 短編集『密漁者たち』で、この作家をマークするようになり、妻べス・アン・フェンリイとの共著『たとえ傾いた世界でも』で、ミシシッピ川の歴史に残る氾濫を背景に壮大南部冒険小説を書き上げたことにも心打たれたと言うのに、ブラインドスポットに入ってしまったために恥ずかしながら長らく気づかなかった作品。それが本書。2011年ゴールド・ダガー賞とLAタイムズ賞を受賞しているというのも、読めば頷ける。  徹底して南部の田舎を生き生きと描く作家というと、そう多くは思い浮かばないものの信頼に値する作家たちが心の中をよぎる。ジョン・グリシャム。ジョー・R・ランズデール。バリー・ギフォード。  その意味ではトム・フランクリンは徹底したディープ・サウスの熱気や湿気を小説内に持ち込みそして詩情を謳い上げることのできる作家として、代表選手なみの扱いを受けていいほどの書き手である。  本書はどう見てもミステリーのジャンルに入る一作ではあるものの、トム・ソーヤーやハックルベリー・フィンが生き生きと走り回る世界の純文学として読んでしまっても何ら問題のない傑作であり、それなりの高貴さを湛え持つ逸品である。  登場人物は数えるほどで、しかしそれら一人一人の隔絶感や、個性の強烈さは他にたとえようもない。それらの磁力や引力が、物語に周到な磁場を作り出す。何よりも語り口は懇切丁寧で誠実ですらある。そこにこの田舎小説の書き手の気品や気位を感じる。  小説は主人公の一人ラリーが銃撃され倒されるところからスタートする。孤立した変人として知られる主人公は、自己表現が得意ではない。何やら怪しく孤独な生活を営む。町はずれの自動車修理工場を父親の代から受け継いでいるが客は一人としてここに来ることがない。しかし、だからと言って彼が撃たれていいことにはならない。  では、なぜ?  そんなミステリアスな展開から、彼の幼年時代を彩るかつての黒人の親友サイラスが登場する。彼はラリーの幼なじみでありながら、今は距離を置く存在である。そして職業は「治安官」、保安官の下で働く準警察官のような存在であろうか。限られた権限の中で町の平和を補助する役割とでも言おうか。  サイラスは恋をし、過去を引きずり、かつての親友ラリーと長い長い時間を隔てて再び人生を交錯させるようになる。そのきっかけは銃撃であり、恋人による事件の発見であり、そして到達点は、ラリーの救済であり、贖罪であり、事件の解決であり、かつての幼年期に秘められた真実の認定である。  少年期の交情、青春期の惑い、人生の立て直し、そんな純白にも似た素敵なストーリーが、凶悪で血に塗れた犯罪や森の暗い陰りや湿り気とは対照的に展開する深みこそが超一級のエンターテインメントを作り出している。曰く忘れ難い物語を是非ともご賞味あれ。

Posted byブクログ

2016/04/30

ホラー小説好きの内気な少年ラリーと、野球選手になれそうなほど才能ある少年サイラス。まったくちがう二人が育んだ確かな友情。が、ある出来事を境に関係は断絶した。25年後…自動車整備士になったラリーは、住人から疎外され、孤独の中で暮らしていた。そんな時、町の有力者の娘が失踪。ラリーに疑...

ホラー小説好きの内気な少年ラリーと、野球選手になれそうなほど才能ある少年サイラス。まったくちがう二人が育んだ確かな友情。が、ある出来事を境に関係は断絶した。25年後…自動車整備士になったラリーは、住人から疎外され、孤独の中で暮らしていた。そんな時、町の有力者の娘が失踪。ラリーに疑惑の目が向けられ、治安官になったサイラスは事件の捜査に関係していく。かつての友との再会がもたらすその先には…英国推理作家協会(CWA)賞ゴールド・ダガーとLAタイムズ文学賞を受賞 濃密な自然描写がいい。込み入った物語ではないけれど、引き込まれます。

Posted byブクログ

2014/07/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

強引にジャンル分けするとサスペンスとなる。確かに連続殺人事件?はあるが、その犯人探しが趣旨ではない。というより、犯人はおそらく簡単にわかる。しかしこの作品を最後まで読んでしまうのは、主人公二人の切ないまでに辛くそして時折光り輝く少年時代の友情、そしてそれが破たんした現在との対比が鮮やかで胸を打つからだ。一枚のコインの様に対照的な二人、黒人と白人、家族と片親、保安官と容疑者、のけ者と人気者、オタクとスポーツ選手…どこまでも孤独なラリーと秘密を抱えたサイラスの邂逅から決裂、そして現在の溝を描きながら未解決の殺人事件の投げかけた影を鮮やかに描き切っている。そしてもう一つの主人公が、背景となるミシシッピの濃厚な自然と人種差別が残る時代の人々の生活。これが見事に描きこまれたことによってこの作品は文学要素までも持った。この作者の次の作品を期待出来る。

Posted byブクログ

2014/05/10

2014年5月10日読了。 私は最初から最後まで、どうしてもサイラスのことが好きになれなかったわ。 ラリーが不憫でならない。

Posted byブクログ

2014/02/15

人種差別が色濃く残る田舎町で友人となった黒人と白人の少年。不幸な事件がきっかけで疎遠になってしまうが、成長した後に新たな事件が二人の距離を縮めていく。現在と過去のエピソードが不規則に語られながらも違和感がなく、緊張を維持しながらストーリーが展開する。事件が解決した後の数章には感情...

人種差別が色濃く残る田舎町で友人となった黒人と白人の少年。不幸な事件がきっかけで疎遠になってしまうが、成長した後に新たな事件が二人の距離を縮めていく。現在と過去のエピソードが不規則に語られながらも違和感がなく、緊張を維持しながらストーリーが展開する。事件が解決した後の数章には感情の機微が行間にあふれ、滋味深い味わいが心に沁み込んで豊かな読後感を残す。

Posted byブクログ

2014/01/04

う〜む、こういうの読むと 無性に米国の名もない田舎とかに旅したくなるな。 解錠師と賞を分け合ったというのもうなずける内容。 ただやっぱり米国における人種問題といのは僕らにはなかなか理解しきれない部分がある気がする。 結末がなんとなく微妙。もうすこしopen questionとい...

う〜む、こういうの読むと 無性に米国の名もない田舎とかに旅したくなるな。 解錠師と賞を分け合ったというのもうなずける内容。 ただやっぱり米国における人種問題といのは僕らにはなかなか理解しきれない部分がある気がする。 結末がなんとなく微妙。もうすこしopen questionというか、読者側に考えさせる終わり方のほうが良かった気もしますが。

Posted byブクログ