東西ミステリーベスト100 の商品レビュー
「東西ミステリーベスト100」は、1985年に『週刊文春』で実施された推理小説のオールタイムベスト選定企画。推理作家や推理小説の愛好者ら508名がアンケートに回答し、結果は同年『週刊文春』で発表された。1986年12月には文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』として文春文庫より...
「東西ミステリーベスト100」は、1985年に『週刊文春』で実施された推理小説のオールタイムベスト選定企画。推理作家や推理小説の愛好者ら508名がアンケートに回答し、結果は同年『週刊文春』で発表された。1986年12月には文藝春秋編『東西ミステリーベスト100』として文春文庫より刊行(旧版)。 本書は、2012年に同様のアンケートで387名からの回答を元に選定され、『週刊文春』2013年1月4日臨時増刊号として、27年ぶりにリニューアル。その内容が文春文庫より刊行されたのが本書(改訂版)。国内•海外全202作品のあらすじとうんちくが紹介されている。 私はこの手のブックガイドが大好きで、(旧版)ももちろん所有。ミステリにハマり始めた2000年代初頭、ブックガイドで気になった作品を発掘しに、古書店巡りをしたものだ。読書欲を所有欲が上回って、その多くは積読本になってしまうんだけど… さて本書、国内編でいうとベスト102のうち、旧版から引き続きランクインしているのは36作品で、約3分の2が入れ替わっている。(旧版)が刊行された1985年は、綾辻行人らが登場する「新本格」以前で、冒険小説やハードボイルドの全盛期。(改訂版)ではそれらの多くは抜け落ち、代わりに「新本格」以降の本格ミステリが数多くランクインしている。オールタイムベストだけあって名作傑作が目白押し。 ちなみに私の国内編既読は102作品中68作品。“三大奇書”は読まず嫌いだったり、乱歩や横溝正史といった“古典”は読み落としているものもあったので、そのうち手を伸ばしてみたい。103位以降の作品リストもあって、私のようなランク好きにとってはありがたい。読みたい本がまた増えてしまった… これからミステリを読み始めようという読者にはうってつけのブックガイド。気に入った作品ができたら、そこから同じ作家を深掘りするもよし、違う作家の作品に手を伸ばすのもよしだ。無限に広がるミステリ読書の指南書として最適な一冊。惜しむらくは、本書がもはや新刊では入手できないこと。古書店やメルカリ等で入手すべし。
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ミステリガイドは図書館で借りて読んでいたけど、やっぱり手元に1冊欲しくて購入。 既読は2016年10月8日時点で、国内15冊、海外14冊。 もう少し書評家さんのコメントが多くても良かったかも。
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ランキングをパッと見ると1986年の前回と変わっていないように見えたが、座談会や個々のレビューを読めば入れ替わりは随分ある。それにしても海外ミステリは古いのが多い。オールタイムベストの最新版として大いに評価するが、1980年、2000年あたりで区切った時代別ランキングも見たい。無...
ランキングをパッと見ると1986年の前回と変わっていないように見えたが、座談会や個々のレビューを読めば入れ替わりは随分ある。それにしても海外ミステリは古いのが多い。オールタイムベストの最新版として大いに評価するが、1980年、2000年あたりで区切った時代別ランキングも見たい。無署名解説とはいえ、出版社側にも1986年版で誰が書いたか記録が残ってないのはいただけない。今回は残してほしい。
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既読、未読、よく耳にするタイトルから 初めて目にするものまで 古今東西の珠玉のミステリを網羅し、 紹介する一冊。 次何を読もう、これからどんな作品を どんな順番で読もうかと考える時に 役に立つ。
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けっこう古典が残ってるものなんですね。 作者に偏りがあるよにも見受けられるが、今後の読書の指針になります。
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【伝説のミステリー・ガイド四半世紀ぶり大改訂!】ファンによる最大級のアンケートによって決めた国内・国外オールタイム・ベストランキング! 納得のあらすじとうんちくも必読です!
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1986年週刊文春誌上に発表されたミステリーオールタイムベストランキングをもとに編集されたもの。日本推理作家協会、SRの会、各大学のミステリー・クラブ、各地の読書会、国内外のミステリー通等々、総計795名が投票しています。国内外ベスト100他、103~200位のリスト、1985版...
1986年週刊文春誌上に発表されたミステリーオールタイムベストランキングをもとに編集されたもの。日本推理作家協会、SRの会、各大学のミステリー・クラブ、各地の読書会、国内外のミステリー通等々、総計795名が投票しています。国内外ベスト100他、103~200位のリスト、1985版「東西ミステリーベスト100」も収録されているので、指南書として格好の一冊だと思います。ただ、ミステリーといってもサスペンスものやらハードボイルドものまで幅広いので、自分で精査する必要があるかと思います。 また、本書は特別座談会が収録されていますが、ネタバレがあるので要注意です。せめて注釈を入れるべきだと思います。
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『東西ミステリーベスト100』をひと通り読了。本作は、1986年12月に旧版が発売されたミステリーガイドの新版である。日本推理作家協会、ミステリー愛好家の会であるSRの会、各大学のミステリークラブ、各地の読書会、国内外の読書通など総計795人に、すべてのミステリ作品からベスト10...
『東西ミステリーベスト100』をひと通り読了。本作は、1986年12月に旧版が発売されたミステリーガイドの新版である。日本推理作家協会、ミステリー愛好家の会であるSRの会、各大学のミステリークラブ、各地の読書会、国内外の読書通など総計795人に、すべてのミステリ作品からベスト10を選んでいただく趣旨で行われ、内387人より回答を得たというもの。 流石に100位までは載せられないので、国内外共に上位10作品を載せたいと思う。それではまず国内編。 1位『獄門島』横溝正史 2位『虚無への供物』中井英夫 3位『占星術殺人事件』島田荘司 4位『ドグラ・マグラ』夢野久作 5位『火車』宮部みゆき 6位『点と線』松本清張 7位『大誘拐』天道真 8位『十角館の殺人』綾辻行人 9位『魍魎の匣』京極夏彦 10位『本陣殺人事件』横溝正史 この中で読んだことのある作品は、『獄門島』と『占星術殺人事件』、『十角館の殺人』、『魍魎の匣』、そして『本陣殺人事件』。いずれの作品も、ベスト10入りするのも納得出来る面白さ。個人的には『十角館の殺人』が1位でもいいのだが、それでも10位以内に入っていたから大健闘だろう。 3位の『占星術殺人事件』は言わずもがなの面白さ。あのトリックは素晴らしかった。 それにしても横溝正史は流石である。10位以内に二つも作品が入っている。どちらも金田一耕助シリーズで、『本陣殺人事件』は金田一が初登場した作品。 2位の『虚無への供物』と4位の『ドグラ・マグラ』は、14位にランクインしている『黒死館殺人事件』と共に「三大奇書」と呼ばれている。「奇書」ということであって、必ずしも面白いという訳ではない。食べ物で例えるなら珍味のようなものだろうと解釈していいと思う。 9位の『魍魎の匣』も百鬼夜行シリーズではかなりの人気のようだ。 では次に海外編のランキング。 1位『そして誰もいなくなった』アガサ・クリスティ 2位『Yの悲劇』エラリー・クィーン 3位『シャーロック・ホームズの冒険』アーサー・コナン・ドイル 4位『幻の女』ウイリアム・アイリッシュ 5位『アクロイド殺し』アガサ・クリスティ 6位『長いお別れ/ロンググッドバイ』レイモンド・チャンドラー 7位『薔薇の名前』ウンベルト・エーコ 8位『ブラウン神父の童心』G・K・チェスタトン 9位『羊たちの沈黙』トマス・ハリス 10位『火刑法廷』ジョン・ディクスン・カー 海外のランキングトップ10以内では、『そして誰もいなくなった』と『長いお別れ』しか読んだことがない。 『そして誰もいなくなった』はミステリというジャンルにおいてあまりにも有名。クローズド・サークルものの代表作と言える。この作品に影響を受けている作品は数多くある。国内編ランキングの1位『獄門島』や、8位『十角館の殺人』もその範疇だろう。 2位の『Yの悲劇』もかなり有名。他に『Xの悲劇』と『Zの悲劇』、『レーン最後の事件』というものがあり、これらを総称して悲劇四部作という。作家のエラリー・クイーンもまた、後世の作家たちに影響を与えている1人。 4位の『幻の女』は積ん読してあるので、後で読んでみたい。 6位の『長いお別れ/ロンググッドバイ』も、ハードボイルドの金字塔的作品として素晴らしい1冊。 国内外共に上位の結果はある程度予想どおりだったが、一つひとつの作品のうんちくなども載っていて、ミステリファンにとって素晴らしい1冊。今後何を読むかの指標にもなるのでないかと思うので、持っていて損はない。
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座談会やら対談やらが読みどころですね。 時間をおいたベスト企画ならではの比較の楽しみがあります。 国内外両方入っているのも魅力ですね。 東西共にベスト 10 の半分以上読んでいるのが意外だったかも。
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先日、第150回直木賞を受賞した姫野カオルコさん。 新聞取材の受賞コメントで、 「読者を楽しませるという一点に眼目を置いた『エンタテインメント』というジャンルに命を賭ける」 という意のことをおっしゃっていて、とても感銘を受けた。 僕は、その「エンタテインメント」の最たるものが「...
先日、第150回直木賞を受賞した姫野カオルコさん。 新聞取材の受賞コメントで、 「読者を楽しませるという一点に眼目を置いた『エンタテインメント』というジャンルに命を賭ける」 という意のことをおっしゃっていて、とても感銘を受けた。 僕は、その「エンタテインメント」の最たるものが「ミステリ」だと思っている。 いわゆる純文学や海外文学も好きで読むのだが、ここ数年はミステリにはまっている。 読者を楽しませる、驚かせるというサプライズに注力し人工的に構築された物語だからこそ、ときおり滲み出てくる人生の真理にクラクラきたりもする。 虚構の中の真実である。 昨年の夏くらいから個人的な事情や体調、タイミングなどいろいろあって、本が読めなくなっていた。 必然的にブクログからも離れてしまって、随分とご無沙汰していた。 今年の正月、妻の実家に帰省する時にひまつぶしにと、この本を持っていったのだがこれが良かった。 ミステリ通たちの投票によって、国内、海外の作品がランキング形式でベスト100(国内は102)選出されている。 各作品、あらすじとうんちく合わせて3ページ程度で紹介してあり、気が向いた時に手に取ってちょこちょこ読める。 未読の作品にはやはり興味が湧き、既読のものには簡潔な文章の中で巧みにネタバレを回避しながら(中にはきわどいものもあるが)も、読みどころを押さえてあることに感心したりニヤニヤしたり。 また、大森望さん、大矢博子さん、杉江松恋さん、千街晶之さんらの読み巧者四人による座談会。北村薫さん、折原一さんの対談も楽しい。 現在入手困難な1985年版『東西ミステリーベスト100』のランキング表が収録されているのも貴重で、これだけでも読書の指針になるのではないだろうか。 とにかく、ふたたび「本を読みたい」「読書は楽しい」と思えるきっかけになった本。 今年の読書生活のスタートを切るには良い巡り合わせの一冊だった。感謝している。
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