私の愛、ナムジュン・パイク の商品レビュー
20世紀を代表するアーティストにしてテレビやビデオカメラなどの映像という手法をハイアートの世界に持ち込んだ創始者であるナムジュン・パイク。その妻にして自身もアーティストとして活躍した久保田成子が、ナムジュン・パイクへの溢れる愛に基づき彼の死後に綴った評伝。 いわゆる映像を軸にし...
20世紀を代表するアーティストにしてテレビやビデオカメラなどの映像という手法をハイアートの世界に持ち込んだ創始者であるナムジュン・パイク。その妻にして自身もアーティストとして活躍した久保田成子が、ナムジュン・パイクへの溢れる愛に基づき彼の死後に綴った評伝。 いわゆる映像を軸にしたメディア・アートの創始者として知られるようになる以前のナムジュン・パイクは、ハプニングなどのパフォーマンスアートの分野から自身のアーティストとしての活動を本格化させたが、まさに久保田成子との出会いはそこからであり、どれだけ彼の作品が当時の日本アート界に刺激を与えたかがよく理解できる。そうしたパフォーマンスアートの世界から、徐々にメディア・アートという表現技法を見つけ、どのように世界的なアーティストとして活躍していくのかが、妻という最もそばにいた立場からつぶさに描かれていく。 ちょうど久保田成子の回顧展「Viva!Video!久保田成子展」が東京都現代美術館で開催されており、その会場で展示の余波と共に購入したのもあり、タイムリーな1冊であった。
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