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誰に見しょとて の商品レビュー

3.4

11件のお客様レビュー

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2018/01/12

人の美に対する情熱から人類の進化まで話が広がる連作短編集。 人工と天然の境界線が曖昧になる、気がする。

Posted byブクログ

2015/11/06
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

上手い!小説としての組立て、文章の勢い、伏線の畳み方、どれをとっても納得の出来。書きたいことを書いているというパワーと読者にそのパワーをしっかり伝えるテクニックがばっちり噛み合わさっている傑作。 ラストは少々情熱あふれすぎの気配もあるけど、それがまた妙にエエ味付けになっていて。 人間の文明は同族の殺戮部分(戦争)以外を除いて「便利に・楽に・美しく」を目指して発展してきた一面はあると思う。 特に自分を美しく見せたいと言う欲求は、原初は生殖行動に起因するものであったかもしれないが、次第にその範ちゅうを外れ、それそのものが目的となって発展し再分化していってる様相もあり。 では、その欲求の行きつく先はどこなのか? 登場する企業「コスメディック ビッキー」の異常な発展、この企業の社長山田キクと専属モデル山田リル母娘の気持ち悪いまでのポジティブさ、とにかく怪しさ満載。 彼女らの言動一つ一つは決して間違ってないし、むしろ彼女らをとりまく周囲の方が嫉妬羨望の出る杭は打つ的なアカン感情を持って動いているはずやのに、こ新興宗教の勧誘員にも似た作られた感溢れる「満たされ」面した母娘に違和感感じまくり。 その違和感と怪しさが頂点に達してのラストで、前述の「溢れた情熱」が効いて、この作品をグイっと引き締めている。その他の伏線も「溢れた情熱」に絡めとられて収束する物語。これスゲーわ。 人生40年以上ヘタれで過ごしてきたので、せめてこれからはポジティブに生きたいし、倒れるなら前向いて倒れたいし、くじけてる暇あったらスクワットの一つでもしたいと思ってる俺なんだけど、この本を読んで「行き過ぎたポジティブって人間から離れていくのかもなぁ、ウチュージンになるのかなぁ」と思ってしまった。

Posted byブクログ

2015/04/08
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

とてもまとまっていて、すごくよくできた連作短編集だと思います。 身近な化粧というものが主軸なこともあって、一気に読みました。 一つの化粧品会社が徐々に頭角を現して次第に世界を変えるまでになっていくのを、それぞれの短編のキーパーソンの目線で見つめていきます。 何がすごいって、話が進んで規模が大きくなるにつれて会社自体の胡散臭さがどんどん増していくこと。しかもそれは決して否定的には描かれません。非常に前向き。なのに空寒い。むしろ少し恐怖すら感じました。 物語は、作中のある人物のように、最後まで否定することを拒否して進みます。 読後は不思議な余韻と疑問に包まれました。 作中の人物たちが感じたように、彼女の本当の心の在り様、このまま人類はどこへいくのか。いい意味でもやもやすることばかりです。 ただ一つ間違いないのは、その執念に圧倒されたということ。 各伏線も含めて全体でまとまっていて、とてもきれいな小説だったと思います。 おもしろかった。

Posted byブクログ

2015/02/14

美容整形のSF。 近未来の美容整形はこうなるんだろうなという予想。目線が女性感覚のため、ついて行けず。 どれも同じようで変化、トリックに欠け飽きる。

Posted byブクログ

2014/09/24

近未来SF 後から、あ〜、こうつながるんだあって思うところが結構あった。 でも根本的に気持ちが理解できない部分があるなあと言う感じです。

Posted byブクログ

2014/07/10

点から天へ  時は近未来。化粧の話から知的生命へと登りつめる。義足の話からアンドロイドに飛躍するような展開といえばイメージしやすいかも。  凝りすぎの感があるけど、ストレートでシンプルな展開に注目すればかなりユニークな作品だ。寝る前に一気読みしてしまったよ。

Posted byブクログ

2015/06/12

これの直前に、美容整形をテーマにした小説「テティスの逆鱗」(唯川恵)を読んで、こりゃ怖いなぁと思ったけど・・・ 「美しさの追求」にはこの小説のような、化粧品の進化という可能性もあるんだなーと気づく。アイシャドウやアンチエイジング、香水など今ある商品の進化を描いていたかと思えば、最...

これの直前に、美容整形をテーマにした小説「テティスの逆鱗」(唯川恵)を読んで、こりゃ怖いなぁと思ったけど・・・ 「美しさの追求」にはこの小説のような、化粧品の進化という可能性もあるんだなーと気づく。アイシャドウやアンチエイジング、香水など今ある商品の進化を描いていたかと思えば、最終的には宇宙へ行ってしまう飛躍にはちょっとびっくりした。 「きれいになりたい」という望みが、「自由でありたい」ということへ繋がり、それは生きる場所さえも自由に選び取れることを意味する・・・ 極端だけど、夢がある。SFならではの飛躍ということかなぁ。

Posted byブクログ

2014/05/27
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

これは良い意味で、ドラえもん小説だと思う。『永遠の森 博物館惑星』のムネーモシュネーに引き続き、化粧品ビッキーという万能の科学技術を中心に、人間ドラマが展開している。帯に『永遠の森』が引っ張り出されているのも納得だ。 ただし、『永遠の森』が胸の奥にそっとしまっておきたいような心温まる物語だとしたら、『誰に見しょとて』はSFらしい警鐘や示唆に富んでいる。とくに、介護の匂いの不快感を軽減したり、アスリートやモデルの身体を改造したりすることで起こる人間の心の変化には唸らされた。また、短編ひとつひとつの書き方には工夫が凝らされ、著者はもう確固たる地位を築いているにも関わらず、初期作品のような野心さえうかがわれる。物語が古代日本のヒミコ譚から宇宙エレベーターにまで飛躍するのにも驚かざるをえない。 それほどに実験的でありながら、読後が爽やかなのは、本作が人間の善に対する著者の信頼でしめくくられているからだろう。そこがバラ色といえばバラ色だが、「夢だっていいじゃない」と呟きたくなる。 個人的には、後からじわじわとくる『永遠の森』を抜くことはできなかったので星は4つ。だが、SF世界を少し押し広げるような作品として、また化粧というものを見つめなおさせてくれる作品として、心から敬意を払いたい。

Posted byブクログ

2014/03/28
  • ネタバレ

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【収録作品】流浪の民/閃光ビーチ/トーラスの中の異物/シズル・ザ・リッパー/星の香り/求道に幸あれ/コントローロ/いまひとたびの春/天の誉れ/化粧歴程

Posted byブクログ

2013/12/15

菅浩江、久しぶり。 うーん…そもそもSF慣れしてないからかもしれないけど。なんともいえない、不思議な話。古代の話がどれだけどう関連してるのか、最後までいまいち分からず。おまり好みではなかった。

Posted byブクログ