スウィッチ の商品レビュー

アマンダ・ホッキング(著者),裕木俊一(訳者)

2023/06/26

望まれない子供として生まれ、6歳の誕生日に「ニセモノめ」と母親に切りつけられたウェンディ。伯母のもとで兄と育っていくが、学校で転校生のフィンからの視線を感じる。ある日夜歩いていると、謎の集団に襲われる。そこに現れたフィンとある宮殿に訪れた。「おかえりなさい」と。

ハリー・ポッターほどでもないが、ティーン向けのファンタジー小説である。難しい家庭環境、自分が特別な何かで、ちょっとした特殊能力を持っている。今の環境にも満足しているが、本当の自分の居場所とは…という、日本でいうところでは「異世界もの」みたいな感じだろうか。というか、最初ウェンディが転生するのかと思ったが、生きてました。

少し不気味な(ウェンディほどではないが)生徒、フィンが、途中からとてもいい男になってしまい、自分と入れ替わったリースや過激なほどの妹思いのマットなど美男子に囲まれ、少し古い少女アニメ的な展開でなかなかにげっそりする。

文庫本の厚み、マチのないページぎっしりな印刷で長いと思いきや、良い紙を使っているらしくページ数はさほどでもない贅沢仕様のため、ようやく事件が起こりかけたら残り40ページ?ええー?しかも事件の描写がグダグダだし、これがJKローリングを抑えて売れに売れている小説…?

というところで終わり、どうやら三部作だったみたいだ。一応調べたが、10年前に1作めの本作が出てから人気が出なかったからか、2作目以降は日本で出版されていない模様。イントロとして長すぎるやろと。

女子中学生くらいなら、読める作品かなあ。超能力の発揮もないままであったし、なんとも中途半端だ。