家族喰い の商品レビュー
★角田美代子がみせた「民事不介入」と「集団心理」の闇 尼崎連続変死事件のルポ。ルポライターの著者が、手探りで事件の情報を集め断片がどんどん繋がる形で話が展開するので、臨場感はあるが、解釈や学術的な観点はない。ルポなので当然と言えば当然だが、期待していた部分もあったので少し残念。...
★角田美代子がみせた「民事不介入」と「集団心理」の闇 尼崎連続変死事件のルポ。ルポライターの著者が、手探りで事件の情報を集め断片がどんどん繋がる形で話が展開するので、臨場感はあるが、解釈や学術的な観点はない。ルポなので当然と言えば当然だが、期待していた部分もあったので少し残念。 主犯格である角田美代子を中心にした家系図、すなわち親族の誰がどう関係して誰が誰を殺したのか、を整理して説明されているのが良い。この事件は、それが複雑すぎてその闇の深さがなかなか見えない側面があるが、この本を読むことで家系図がある程度頭に入った状態になるので、話を読み進めたり他の記事を見るとさらに理解が深まりやすくなる。 読んでいると、角田の直感的な「他人の足元を見る才能」をビシバシ感じる。おそらく、角田は考えてこの方法を編み出したのではない。 警察に何度かお世話になりながら、本能的に警察がどこまで自分が起こす問題に介入し、介入できないのかを掴んできたのだろう。いわゆる「民事不介入」だ。 最近DV法などが出てきてはいるが、それでも未だに家族・親族間の問題に対しては司法も行政(警察)も<役に立たない>ということは、この国の殺人事件の半数以上家族・親族間のものであるということが証明している。強い絆が生み出すのは愛だけではない。愛は憎しみと両輪だ。そういう意味で、ストーカー法も同じだ。ここ数年でこの手の法律が立て続けに出てきたということが、この「民事不介入」の闇に飲み込まれ犠牲になってきた人間が今までいかに多かったのかを象徴している。 警察に対する直感と同じように、自分以外の人間をどのように自由にし服従させるのかも本能的に学んだのだろう。どこまで踏み込み、どこまで自由にすれば、どんな風に自分の都合の良いように操れる人間に「教育」できるか。角田の用いた相手を徹底的に恐怖と緩和で服従させる人心掌握術は、ミルグリム実験で証明された人間の本質的な心理を、巧妙に利用している。しかし、彼女は集団心理学を学び論理的に戦術としてそれを取り入れたのではないだろう。 「家族」と聞いて思い描くイメージ。世の中には「家族」や「絆」という言葉に対して良いイメージを持つ人が、想像以上に多いと感じる。そういう人には、角田やこの事件は理解できないものなのかもしれない。 「民事不介入」という恐さを身をもって経験しているか否かは、この事件の恐怖を理解する上である程度必要な素養なのかもしれない。家族・親族間でなくても良いが、どうやら「民事不介入」と直面した時にようやく人は「社会は自分を守ってくれるわけではない」という重大な真実に気が付くらしい。非常に愚かだが、この感覚は犯罪に関するルポを読みく際には役立つ。 格差は、産まれた時から始まっている。どんな場所に、どんな家庭に、どんな身体と能力を持って産まれるか。角田は、自分がうまれたその場所で、最低な方向に才能を開花させたのだろう。いや、劣悪な環境の中だからこそ開花した才能なのかもしれない。その才能で、彼女は本当に恐ろしい事実に辿り着いたのだ。「最も効率の良く安全な金の儲け方は、家族や親戚からむしり取ること」だと。
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とりあえず人物関係図見て下さい。どんな大河小説にも勝てるよこの奇っ怪さ。 「脳が殺す」の、被虐待経験と精神疾患が殺人鬼を生む論をちらりと思い出したり。ただ角田美代子は自分で殺さないし、殺すのが目的じゃないから違うのだけど…でもネグレクトで被暴力な中で育てば素養はあろう。愛着に多大...
とりあえず人物関係図見て下さい。どんな大河小説にも勝てるよこの奇っ怪さ。 「脳が殺す」の、被虐待経験と精神疾患が殺人鬼を生む論をちらりと思い出したり。ただ角田美代子は自分で殺さないし、殺すのが目的じゃないから違うのだけど…でもネグレクトで被暴力な中で育てば素養はあろう。愛着に多大な問題があるのだろうね。人格障害に近いのかもしれない。そのへんの原因を追究できなかったのは本当にもう…中で散々語られてるけど言わせて下さい。兵庫県警。呆れる。すべてがなんつーかもう…抑止する気があるならこんな顛末にはならないよ。 総じて、ルポとしての語り口はあまり肌に合わなかったし凄惨すぎて読み苦しかったけど、悪を知ることができたこと、そして何よりこんな悲痛を語ってくれた方のために読みました。ありがとうございました。
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虚しい、本当に。 美代子が自殺して終わってしまってるなんてな…。 どれだけこの事件が解明されるのか。
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真相、というには外側からだなぁという印象。 書き手の調査の過程や、一筋縄ではいかない人間関係は垣間見えるのだけれども、あまりにも事件は遠くにある気がする。 警察が後手に回ったことは事実なのだが、じゃあなぜそれが起きたのか、警察に対しての調査はできないもんなんだろうか。できな...
真相、というには外側からだなぁという印象。 書き手の調査の過程や、一筋縄ではいかない人間関係は垣間見えるのだけれども、あまりにも事件は遠くにある気がする。 警察が後手に回ったことは事実なのだが、じゃあなぜそれが起きたのか、警察に対しての調査はできないもんなんだろうか。できなかったんだろうなぁ。
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こんな事件なんで起こるの? 何人も殺されてるのに、警察はどうなってるんでしょう。 角田美代子も恐ろしいけど 角田瑠衣も怖いな、まったく理解できない。
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尼崎連続変死事件がどのように起こったのかを時系列ではなく、筆者視点で追うノンフィクションです。 筆者の事実が徐々に明らかになっていきますが、主犯とされる角田美代子の心理は結局闇の中で終わります。 ボクら一般人が凶悪犯罪の心理を知る目的は、単なる好奇心でしかないので、この事件をモデ...
尼崎連続変死事件がどのように起こったのかを時系列ではなく、筆者視点で追うノンフィクションです。 筆者の事実が徐々に明らかになっていきますが、主犯とされる角田美代子の心理は結局闇の中で終わります。 ボクら一般人が凶悪犯罪の心理を知る目的は、単なる好奇心でしかないので、この事件をモデルとした小説を期待しています。
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あの尼崎連続変死事件の角田美代子を周辺人物を含め、取材したノンフィクション。 首謀者が被害者同士を総括させたり、痛めつけあったりする手法は日本赤軍のそれに似ていると思った。洗脳することで、見えない鎖で雁字搦めにすることもできるのだろう。 深すぎて、底の見えない井戸を覗き込んだよう...
あの尼崎連続変死事件の角田美代子を周辺人物を含め、取材したノンフィクション。 首謀者が被害者同士を総括させたり、痛めつけあったりする手法は日本赤軍のそれに似ていると思った。洗脳することで、見えない鎖で雁字搦めにすることもできるのだろう。 深すぎて、底の見えない井戸を覗き込んだような、不気味さ、果てのない恐怖を感じた。
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うーん。虚しい。 美代子が悪いのは百も承知。ここまで、事件が深刻化する前に、歯止めがかけられたはず。相変わらずのジャパニーズポリス品質。 亡くなられた方のご冥福をお祈り致します。
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残忍・狡猾・執拗、どれか一つ持っているだけでも怖しいのに、角田美代子は全て持っていました。家族を人質に取り、暴力で支配する。警察が「民事不介入」を理由に放置することを知ると、凶行をエスカレートさせます。15年以上にわたる事件のさなか、幾度となく警察に駆け込んだ人たちがいます。警察...
残忍・狡猾・執拗、どれか一つ持っているだけでも怖しいのに、角田美代子は全て持っていました。家族を人質に取り、暴力で支配する。警察が「民事不介入」を理由に放置することを知ると、凶行をエスカレートさせます。15年以上にわたる事件のさなか、幾度となく警察に駆け込んだ人たちがいます。警察は、自らの職務を煩わしいと思い、できればやり過ごしたいと思っているようです。でなければ、再発防止手法ができているのでしょうね。あの地区には、まだ同様の犯罪が広く深く進行しているといいます。今度こそ、警察への信頼を回復して下さい。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
フィクションのエンタメもや純文学も好きなんだけど、 ノンフィクションも好きなんだよね。 東電OLや婚活殺人、 オンナが起こした事件が、あたしは特に気になるのだ。 「ホラー小説も逃げ出すくらいの気味の悪い本だった!」と 百田尚樹が帯によせているが、まさにその通り。 鬼畜の所業としか思えない。 何十年も平和に生きて暮らしてきた家族が あっという間に他者に破壊され、駆逐され、 乗っ取られていく。 小説でもこんな陰惨な話なかったことだろう。 つまり、本来の情を持つ人間には 思いもよらない恐ろしいことばかり。 婚姻や養子縁組で縁戚関係になっている人たちとの トラブルは 『民事不介入』といって警察は助けてくれないそうだ。。。 恐ろしい。。。 恐ろしすぎて結婚なんてできない。。 惚れた相手すらほんとうに正しい人間かもわからないのに その遠縁すべてをたどって全員が まっしろな人間だって言い切れる? だってここに出てきてこなごなにされた人々は、 あたしのように毎日、 めんどくさいなあと思いながらも会社に行って、働いて、 そんな人々のはずだ。 やっぱり他人と関わるのはコワいわあ・・・
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