自閉症の倫理学 の商品レビュー
まず後ろの方の「監訳者解説」を読むのがよいと思う。 その解説の中で監訳者の一人の柴田先生が、「本書の前提はあくまで、「かりに<心の理論>の機能が全壊したとしたら」ということであり、この点で読者は、自分が自閉症である場合も、あるいは身近で自閉症者と接している場合も、少なからぬ違和...
まず後ろの方の「監訳者解説」を読むのがよいと思う。 その解説の中で監訳者の一人の柴田先生が、「本書の前提はあくまで、「かりに<心の理論>の機能が全壊したとしたら」ということであり、この点で読者は、自分が自閉症である場合も、あるいは身近で自閉症者と接している場合も、少なからぬ違和感を覚えるであろう。」と断りつつ、「しかし本書の戦略は、この極端な前提からの一切の妥協なしに倫理的含意を引き出そうとするものであり、この点で言わば一種の思考実験の様相を呈していると言っても過言ではない。」と書かれている。 これを踏まえた上で、序論と第1章を読んで、とりあえず著者が「心の理論欠如仮説」をいたく気に入っているのはよくわかったけど、その仮説を採用することにした展開がいまいち理解できず、結局そのまま話が進められることを受け入れることができず、それ以上読み進めることが私にはできなかった。 その後、柴田先生のお話を直接聞くことができた。 http://www.ic.nanzan-u.ac.jp/ISE/news/140610.html そして本書に書かれている残りの部分についてと、本書の結論は「自閉症者には自閉症的完全さの権利がある、つまり「完治(治癒)」されずに自分の人生をおくる権利がある」ということなのだということは理解したのだけど、それがその極端な前提を置かなければ導き出されない結論なのかというところが理解できなかった。 そこは私が哲学的な思考実験というものに不慣れだからということもあると思うので、そういうのが得意な人が読むと刺激的でおもしろい本なのかもしれない。
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自信あるわけではないけどおそらくダメな本。著者の弟が自閉症らしいけど、その人を典型例として考えすぎている? いろんな哲学者の名前が出てくるけど、その解釈も正しいのかどうかあやしい。っていうかあきらかにおかしいのもけっこうある。
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