死者の短剣 地平線(下) の商品レビュー
ファンタジー「死者の短剣」4部作も、ここでいよいよ完結しました! 最初はわからなかったことが次第に見えてきて、まったく不可能に見えたことにも道が開けていく‥ 感動的な結末でした。 地の民の娘フォーンは、湖の民のダグと運命的に出会い、命を救ったことから恋に落ちて、結婚します。 警...
ファンタジー「死者の短剣」4部作も、ここでいよいよ完結しました! 最初はわからなかったことが次第に見えてきて、まったく不可能に見えたことにも道が開けていく‥ 感動的な結末でした。 地の民の娘フォーンは、湖の民のダグと運命的に出会い、命を救ったことから恋に落ちて、結婚します。 警邏隊長としてひたすら悪鬼と戦ってきたダグだったが、ある事件をきっかけに、湖の民と地の民がまったく別な世界を築いていて交流もないような状態では、事態は解決しないと思うようになっていました。 医術の力が目覚めてきたダグは、師匠を求めて新月湖駐留地に滞在するが、地の民の治療をしたために追い出されることに。 このとき、なんと医術の匠アルカディも、二人を追って出て来るという決断をしてくれました。理解者になっていたんですね。 そんな彼らを追いかけて、駐留地からの許可を携えた若者達が合流。その中にはダグの姪で有能な隊員のスマックもいました。 たまたま出会った家族と一緒の旅が始まります。 ところが、その地域では珍しく、悪鬼が発生し、わずかな人数しかいない彼らが急速に成長した異形の悪鬼と対決することに‥! 冒険のシーンとその解決を毎回織り込み、若者たちの迷いや恋愛、成長も見逃せません。 こまやかに気を使う、小柄で生き生きしたフォーン。いざというときには勇気を示します。 地の民の娘で末っ子だったフォーンは、いずれ嫁に行く存在として軽く扱われ、家事をしながらも兄達にいじめられて泣きわめくしかない女の子だったのにね。 同行する兄のフィットも舌をまく女性に成長していたのです。 人生にやや疲れていたダグがフォーンに助けられ、キャリアを発揮して活躍。 新たな技術も生み出して、小さな革命を起こすのです。 決して諦めずに二人で細い道を切り開き、少しずつ理解者を増やして、二つの民族の架け橋となっていく‥ 二人の間の子供を育てながら、希望を抱いて仲間と暮らす結末。 作者の平和への願いがこもっていますね。 このあたたかさが得がたい作品でした。
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エピローグで語られる世界に納得。4部作で、前半2部がもったりしてた理由も理解。英雄の物語ではないんですね。しかしエピローグにこのキャラのこの話を持ってくるとは。
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