挑戦 の商品レビュー
日本を代表するコンサルタント、大前研一の日本への提言集。 しかし、実際には氏の運営するビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)の宣伝チックな内容が多かった。 本書の冒頭で触れられている、「ストリート・スマート」という概念は興味深い。 今の正解のない時代において、答えがない問題...
日本を代表するコンサルタント、大前研一の日本への提言集。 しかし、実際には氏の運営するビジネス・ブレークスルー大学(BBT大学)の宣伝チックな内容が多かった。 本書の冒頭で触れられている、「ストリート・スマート」という概念は興味深い。 今の正解のない時代において、答えがない問題を考える力は必ず必要となる。 「アカデミックなスマートさも兼ね合わせながら、偏差値なんかにとらわれず、俺はどこまでもやれるというアンビション(大志)を持った人間」こそ、今まさに求められているリーダー像だろう。 しかし、本書にも書いてあるように、松下幸之助や本田宗一郎、川上源一などは小学校卒や高校中退で大学を出ていない。 大前氏が掲げる「大学でストリート・スマートを教育する」という理念と、氏がやっているBBT大学に、どうしても矛盾を感じてしまう。 本当の意味で「ストリート・スマート」を持った人間は、大学や大学院(MBA)に行って時間を無駄にせずに、とっとと実社会に出て価値を生み出していくものなのではないだろうか。 「エアキャンパス」で、どこまで現場・現実に則した実践的な教育ができるのであろうか。 また、大学教育について、大学は「稼ぐ力を身に就ける」場所というのは、どうだろうか。 「稼ぐ」というのが長期的な社会への貢献を指すのであれば、そのとおりだと思うが、短期的なリターンを指しているのであれば、それは違うと思う。 その後段で教育費用の回収に触れているので、恐らくは後者しか考えていないのだろうが。 本来ならば大学で「合コンなんかやったりしている暇はない」と書いているが、そこで培う人脈やコミュニケーション能力こそが、「ストリート・スマート」を養うのではないだろうか。 教育に関するもの以外の大前氏の提言については、とても興味深いものが多かった。 道州制について、ただのコスト低減ではなく、統治機構の変更によって「地域国家」を形成することが目的としたのは興味深い。 エネルギー政策について、ロシアからパイプラインによる天然ガスだけではなく、サハリンで発電した電力を超高圧直流送電で輸入するなど、ロシアとの経済協力を進めるべきという提言はもっとも。 自民党政権は「中央集権」体質であり、属人的であるため、政権交代には向かないという論もおもしろかった。 その自民党政権の体質も含めて道州制を考えていけば、おもしろいかもしれない。 全体的に、読み物としてはおもしろいが、自腹を切ってまで買う価値があるかというと、疑問。 大前氏のファンか、BBT大学の学生は、買っても後悔しないかもしれない。 あと、電子書籍だと少し安いみたいなので、上記以外の人も買ってもよいかもしれない。 ※あとで調べたら、BBT大学って通信制の学校なのですね。(MBAコースは通学制?) 通信制であるならば、なおさら「ストリート・スマート」とは程遠い教育に思えるのですが・・・。 大前さんには、せめて今の大学教育の代替か、できれば小中学のうちから自分で考える力を身につける場として、新しい学校を設立してほしいです。
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自分のコメントが掲載されたので記念に頂いた。 今の日本が失った勢いは、アベノミクスが解決してくれるのか。実は戦後の高度成長期に国民を統治するための、偏差値教育が阻害要因となってきている。挑戦という成長という大切な感性を取り払ったことで、ソニーやパナを作ったストリートスマートが出て...
自分のコメントが掲載されたので記念に頂いた。 今の日本が失った勢いは、アベノミクスが解決してくれるのか。実は戦後の高度成長期に国民を統治するための、偏差値教育が阻害要因となってきている。挑戦という成長という大切な感性を取り払ったことで、ソニーやパナを作ったストリートスマートが出てきにくい環境になった。では、どうするか。道州制をひいて教育を独自色をもってやるべしというのが、本書の主張であり大前研一のポリシーでもある。国民は何も考えずにすむいまの体制を変えたいのか。変化しないと沈む危機感をもっている人が、どう動くのか。シンガポールやスイスのようなクオリティ国家の仲間入りしないと、後退しいつかお隣の国に統合されるというリアルな事態にあることに、早く気がつかないといけない。
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※このレビューにはネタバレを含みます
チェック項目11箇所。この混乱の時代に求められるのは、これまで日本が育ててきたようなアカデミック・スマートではない、現実の中で自ら考え、答えのない問いに自分なりの答えを見つけ出していくストリート・スマートである、ストリート・スマートは、実社会で経験を積んでのしあがってきた人をさす、人間関係の構築が得意で、失敗してもへこたれず、道なき道を独自の嗅覚で突破していく、北欧が経済の低迷から脱却できた理由は、まさにストリート・スマートを生み出す教育にあった。米国には、世界トップレベルの大学が揃っている……極く一部の人だけが育つ仕組み。本当に変えると韓国でも5年後、フィンランド・デンマークでも5年後に変わっています、教育システムが変わると5年間で意外に代わるんですね、親も変わり、企業も変わる。21世紀に求められる能力を学校で育てるにはどうしたらよいのか、答えは簡単で、「教えない」ということに尽きる。「答え」のない時代に求められるのは、「突破力」、つまり、問題の本質がどこにあるのかを素早く見極め、それを解決するための自分なりの最適解を生み出す力、そしてそれを実行して絶えずフィードバックを得、学びながら解決に向け突き進む力なのです。答えがない状況で戦うためには、知識や経験、頭の使い方・考え方、人脈などの「武器」が必要なこと、もちろん、「武器」を持っていれば答えが見つかるという訳ではないですが、武器を持つことで答えが見つかる、または答えに辿り着く時間が短縮されたり、確立が高まったりしたとは思います。武器を持つことは重要ですが、単に持っているだけは足りない、常に磨き、高めることが必要だと思います、磨くことによって新たに見えてくる世界があると思います。
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レビュープラスさんからの献本です、ありがとうございます。 今回の本は、頭の中にある既成概念や抵抗勢力を払いのけて、答のない現代を生き抜いていくことが重要と説いている。 教育に関して、「アカデミック・スマート」から「ストリート・スマート」への転換することを提唱している。欧米...
レビュープラスさんからの献本です、ありがとうございます。 今回の本は、頭の中にある既成概念や抵抗勢力を払いのけて、答のない現代を生き抜いていくことが重要と説いている。 教育に関して、「アカデミック・スマート」から「ストリート・スマート」への転換することを提唱している。欧米において前者は学校の成績が良いペーパーエリートを指し、後者は実社会大学という経験がモノを言うところで鍛えてきた人を指す。 日本の教育機関はほとんど「アカデミック・スマート」養成を目指して、文部科学省の方針に沿って答のある教育、みんな平等という教育を推進して「バランス感覚」のある人間形成をしている。そのため、一芸に秀でた人間は評価されない。 海外とこれから渡り合って行くには、教育力の高さがモノを言う。諸外国の教育事情を例に挙げて、日本のこれからの教育の在り方について論じている。 第2章は、ビジネス・ブレークスルー大学の宣伝が入っている。この特別保存版シリーズおなじみの構成だ。クリティカルシンキングを活用するとうのみしないで本当にそうかなと思ってみることも重要だ。 第3章は、問題解決への「思考」として、ロシアとの経済協力を進めるべきでありエネルギーに関しては再生可能エネルギー政策を考え直して、石炭火力を見直す。さらに日本で政権交代がスムースに行かない理由を述べている。 相変わらずビシビシ言う「大前節」炸裂だ。
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