釣師・釣場 の商品レビュー

井伏鱒二【著】

2014/02/27

友人が井伏鱒二の「川釣り」を薦めてくれたのを、僕が覚え間違えて、読むことになった。

日本各地の釣りの名人や釣りの名所を訪ねた紀行文である。
エピソードやちょっとした挿話などはなかなか面白いものであったが、僕が釣りを全く心得ていないために、釣り名人や井伏鱒二の釣りについての解説を記した部分の意味が分からず、そこについては退屈であった。
しかし、戦後直後の釣り師の在り方というのは、現代に生きる僕からはとても想像し得るものではなく、とても興味深かった。いわゆる達人や名人のイメージに近かった。また、釣りの素人でありながら、釣り文化の変化も感じられて面白かった。
また、夢枕獏の解説が面白く、是非とも新潮版の開高健の解説も読んでみたいと思った。