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流星ひとつ の商品レビュー

4.2

73件のお客様レビュー

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    27

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2023/04/14

感想 言語の強みと限界。あまりに強い輝きはそのまま受け止められない。だから言語という枠に押し込み理解しようとする。だが失われるものは多い。

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2022/01/27

藤圭子と沢木耕太郎の会話のみで完結する新しいノンフィクション。 それまで私は藤圭子という歌手の名前は知りながらも、世代の違いからか曲を聞いたことがなかった。 しかし、流星ひとつで描かれてるナマの藤圭子の声が、あまりにも魅力的で興味を持つようになる。 スターであれど、1人の人間であ...

藤圭子と沢木耕太郎の会話のみで完結する新しいノンフィクション。 それまで私は藤圭子という歌手の名前は知りながらも、世代の違いからか曲を聞いたことがなかった。 しかし、流星ひとつで描かれてるナマの藤圭子の声が、あまりにも魅力的で興味を持つようになる。 スターであれど、1人の人間であることを強く感じさせられた。

Posted byブクログ

2022/03/20

藤圭子と沢木耕太郎の会話で、全てが成り立っています。 藤圭子のリアルが伝わってきて、好感が持てたし、 前川清さんの株が上がりに上がりました。 それと、曲の歌詞が良いです。 ♪前を見るよな 柄じゃない うしろ向くよな 柄じゃない よそ見してたら 泣きを見た 夢は夜ひらく ...

藤圭子と沢木耕太郎の会話で、全てが成り立っています。 藤圭子のリアルが伝わってきて、好感が持てたし、 前川清さんの株が上がりに上がりました。 それと、曲の歌詞が良いです。 ♪前を見るよな 柄じゃない うしろ向くよな 柄じゃない よそ見してたら 泣きを見た 夢は夜ひらく 【本文より】 「とにかくあなたは10年もやってきたんだから、すごいよ。藤圭子というスタートをひとりで運営してきた、いわば藤圭子産業の社長をやってきたんだからね。たったひとりの会社だとしても、藤圭子産業は巨大会社だったからね。大変な業務だったと思うよ。」

Posted byブクログ

2022/01/20

藤圭子さん。今ではもう同世代以上の方しか知らないでしょうけれど、宇多田ヒカルさんのお母さんで、70年代に一世風靡した天才歌手です。浪曲師だった両親とともに極貧の少女時代を過ごし、18歳でデビューすると、一躍スターに上り詰めます。そして28歳で突然の引退。 本書は、沢木耕太郎さん...

藤圭子さん。今ではもう同世代以上の方しか知らないでしょうけれど、宇多田ヒカルさんのお母さんで、70年代に一世風靡した天才歌手です。浪曲師だった両親とともに極貧の少女時代を過ごし、18歳でデビューすると、一躍スターに上り詰めます。そして28歳で突然の引退。 本書は、沢木耕太郎さんが引退直前の彼女と1対1で語り合った内容を収録しています。文章はすべて会話になっていて、あたかも二人が話しているのを傍で聞いているようです。語られている半生はちょっと一般人の想像を超えるような厳しさ、激しさに満ちています。貧困、歌、仕事、恋愛、結婚、両親、喜び、悲しみなどを淡々と語る彼女ですが、そのなんと純粋で真っすぐなことか。話し相手の沢木さんの反応はプロらしく鋭いのですが、同時に実に優しさにも溢れている。 沢木さんは、彼女の引退後の人生の邪魔になってはいけないと考え、本書の出版を中止したのだそうです。しかし、30数年後、彼女が自ら命を絶ったとき、世間がその死をあまりにも簡単に理解しようとしていることに違和感を感じ、あのとき28歳の藤圭子さんの姿を世に紹介することも意味があると考え、出版することにしたのだとか。 激動の人生を送った一人の若い女性の強さ、美しさを感じさせるノンフィクションです。

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2020/08/20

自分は彼女をリアルタイムでは知らない世代だが、宇多田ヒカルが彗星のように現れたとき、母が藤圭子と聞いて驚くと同時に血は争えないなと思ったのを覚えている。あれほど歌唱力のある女性歌手はそうそう出てこない。自殺したとき憶測であれこれ書かれたけれど、今も昔もマスコミと芸能界のデタラメさ...

自分は彼女をリアルタイムでは知らない世代だが、宇多田ヒカルが彗星のように現れたとき、母が藤圭子と聞いて驚くと同時に血は争えないなと思ったのを覚えている。あれほど歌唱力のある女性歌手はそうそう出てこない。自殺したとき憶測であれこれ書かれたけれど、今も昔もマスコミと芸能界のデタラメさは変わらないんだろうなと(昔の方がさらに悪い)このインタビューを読んで理解した。 あまりにも真っ直ぐな彼女は、虚飾な汚い世界に身を置いたことでだんだんと人間不信に陥ってしまったのではなかろうか。 沢木耕太郎もインタビュー時はまだ若く、風変わりな若きスターに体当たりしながら、なんとか本音を引き出そうとしてる姿が微笑ましい。後日出版を思いとどまることになったのは、ある意味正解であったわけであるが、まさか30数年を経てこんな形で世に出ることになろうとは。。

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2019/11/27

今はない、浅草国際劇場で、藤圭子ショーを見たけど、内容は覚えていない。 筆者が、インタビューして、かなり月日がたってからの出版というのを聞いて、興味津々、

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2019/10/06

最近になって、やたらと気になる「藤圭子さん」。歌唱力・美貌・知性に恵まれ、「宇多田ヒカル」という才能をこの世に生み出した方。その生活歴からは当然あったであろう、愛着障害がギャンブル依存・アルコール依存・関係依存を形成し、精神障害、自死 という結末に至ったのかもしれない。  彼女の...

最近になって、やたらと気になる「藤圭子さん」。歌唱力・美貌・知性に恵まれ、「宇多田ヒカル」という才能をこの世に生み出した方。その生活歴からは当然あったであろう、愛着障害がギャンブル依存・アルコール依存・関係依存を形成し、精神障害、自死 という結末に至ったのかもしれない。  彼女の デビュー、結婚、離婚、失恋、再婚、出産、子のデビュー、自死、子の結婚、離婚、再婚、、、etc これだけの人生を、メディアを通して多数の人間が垣間見ていることの不思議さも感じ、あらためて彼女の歌を聞くと、歌のうまさに今更ながら感服してしまった。  この本はインタビューをまとめたものでありながら、それだけでは終わらない、何か胸にズシンとくるものがあった。これを書いた沢木耕太郎氏にも非常に興味を持った。

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2019/01/04

僕らの年代だったら、知らぬ人はないと思うほどの凄い存在だった演歌歌手「藤圭子」。しかし、知っていたのは姿と歌のみで、人としての藤圭子は全く知っていなかったということを思い知らされた。「流星ひとつ」というタイトルが何ともピッタリで遣る瀬無い気持ち。。

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2018/04/08

表現力のある歌詞やキャッチーなメロディなどに曲を分解してもダメだと、彼女は示唆しています。 まず、人の心に引っ掛からなければ、そして、歌の持つ心が分からなければ、と言っています。 マーケティング主導でヒット曲が作られる現在とは真逆です。 抽象的過ぎて理解できないからといって...

表現力のある歌詞やキャッチーなメロディなどに曲を分解してもダメだと、彼女は示唆しています。 まず、人の心に引っ掛からなければ、そして、歌の持つ心が分からなければ、と言っています。 マーケティング主導でヒット曲が作られる現在とは真逆です。 抽象的過ぎて理解できないからといって、「演歌は日本人の心」の類の使い古された 浪花節だ、と切り捨てても良いのでしょうか? このように、この本での藤圭子の発言は鋭いし明確です。ただし、 「その時その時は本気でも、すぐに気が変わって忘れるので、人からは嘘つきと 言われる」と恩師を評価しています。そして、「みんなは、分からないって言うけど、あたしには理解できるんだ」とも。 デビューから例の事件までの彼女の発言や行動を考えると、まるっと藤圭子そのものではありませんか。 彼女が、この幻のインタビューを気に入っていたとか、嫌っていたとか、元旦那含めて色々な人が言っていますが、どれも真実だと思います。 どう生きようか、と少しでも悩んでいる人は、是非読んでください。 「昔は目標一途で頑張っていたけど、最近はパッとしないなあ」とか思っている人には、特におススメです。

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2017/08/19

正直、藤圭子のことはよく覚えていない。多分、私が子供の頃に 活躍した人だからだろう。楽曲も「圭子の夢は夜ひらく」くらいしか 記憶にない。 藤圭子から藤圭似子に改名したことは記憶にあるが、歌手として の彼女の歌を聴くことはあまりなかった。 そして、私の中では半ば忘れていた彼女の...

正直、藤圭子のことはよく覚えていない。多分、私が子供の頃に 活躍した人だからだろう。楽曲も「圭子の夢は夜ひらく」くらいしか 記憶にない。 藤圭子から藤圭似子に改名したことは記憶にあるが、歌手として の彼女の歌を聴くことはあまりなかった。 そして、私の中では半ば忘れていた彼女の名前が世間で取り沙汰 されたのは、今年8月22日。そう、彼女が自ら命を絶った日だった。 沢木耕太郎が33年前に出版を取り止めた藤圭子へのインタビュー を元にした本が緊急出版される。ニュースを耳にして、どうしても 読みたくなった。 それは藤圭子への興味からではなく、沢木耕太郎が好きな作家 だったから。でも、本書を読んでいる間、時々藤圭子の歌を動画 サイトで聴いた。 喉の手術をしていたことを知ったのも本書でだった。手術前と、 手術後の声が違うと彼女は話していた。聞き比べた。確かに 違う。手術前の歌声に鳥肌が立った。凄い声だ。この声のまま だったら、彼女は引退しなかったのだろうか。 地の文は一切ない。会話だけで書かれた本書は、読んでいる うちに聞き手である沢木氏に同化し、藤圭子の話をもっと聞きた い、話を聞き出したいと思えて来る。 子供の頃の話、東京に出て来てデビューするまでの話、時には 粘り強く質問を繰り返す沢木氏に対し、藤圭子も話にくかったで あろうことを口にするようになる。 最初の結婚相手だった前川清との、離婚後の話が素敵だった。 藤圭子と前川清、このふたりはお互いを歌い手として尊敬し合って いたんだろうな。 藤圭子が亡くなった時、娘であり歌手である宇多田ヒカルが出した コメントがあった。心を病んでいく母を見て来た…と。 今の娘・宇多田ヒカルと同じ28歳だった時の母・藤圭子の精神の 輝きを知って欲しい。その思いで今回の出版に至ったのだろう。 「水晶のように硬質で透明な精神」と沢木氏が表現した、28歳の 藤圭子が本書には凝縮されている。

Posted byブクログ