1,800円以上の注文で送料無料

明け方に止む雨 の商品レビュー

4.1

19件のお客様レビュー

  1. 5つ

    6

  2. 4つ

    10

  3. 3つ

    2

  4. 2つ

    1

  5. 1つ

    0

レビューを投稿

2024/09/15

とても生真面目な裁判所事務官と隣人のお話、その同僚事務官を実弟の如く可愛がる書記官と一目惚れしちゃったんだろう刑事のお話、外国が舞台の絵を描くことが共通している立場の違う二人のお話。 どの登場人物もかわいい人だったな。 表題作に存在のみ登場する、実の兄に恋をして、完全に近い身...

とても生真面目な裁判所事務官と隣人のお話、その同僚事務官を実弟の如く可愛がる書記官と一目惚れしちゃったんだろう刑事のお話、外国が舞台の絵を描くことが共通している立場の違う二人のお話。 どの登場人物もかわいい人だったな。 表題作に存在のみ登場する、実の兄に恋をして、完全に近い身辺整理をしたのに想いを告げるメモをゴミ箱に遺して自らの命を絶った里村書記官実弟サイドのお話を読んでみたいです。 知られたくなかったのに、知ってほしかった想い… しんどいなぁ… それをとっさに隠した結城はその想いを背負って生きていかなきゃだ、と思う。 アレはどちらを想っての行為だったのか。 苦しい想いを抱えて亡くなったお仲間な弟を? そんなことは知らないのだろう兄を? どちらにせよ、頑張れ、結城。

Posted byブクログ

2021/01/11
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

真面目で融通がきかない裁判所事務官が怪しい隣人のタバコが大麻かと疑うことがきっかけでなんやかんやある話。 弟の自殺を信じられない裁判所書記官が理由を探すためにその理由を知ってて隠している刑事と二丁目をうろうろしてなんやかんやある話。 右のおふたりともが正しい人で、それは時として危ういものだけれど、それに気づけたのが事務官で、受け入れてくれる人がいたのが書記官ということであってるのかな。 行間を読ませる作風の作者さんなので、その行間を読むのが苦手な自分にはなんやかやとまとめるしかできないが雰囲気は好きなんです。 もう一つの連作短編は中世欧州っぽい時代もので、絵描きを夢見る領主三男坊が良くない噂で爪弾きにされている天才絵描きに魅せられて逃避行する話。 ポールへの救済があってよかったが、心理描写とは別のところでの行間が読めず(墓守の犯罪に加担している自覚はあったのか、じいさんのお金の出所はなんだったのかとか)、なんだか感情移入がしにくかったのが残念。 何度も読み込めばまた違ってくるかしら。

Posted byブクログ

2015/10/29

雰囲気すごく好きな一冊。 特に刑事×書記官のお話がいいな。 重いテーマを湿っぽくならずに仕上げてあってすごくいい。 画家同士の話もいい。 バーッと全部捨てて逃避行ってお話、好き!

Posted byブクログ

2015/06/14

事件ものが読めてとても嬉しい……事件より手前の人間関係が主だけどそれでいいです。歌わない鳥もすんばらしい。人と人とが胸の内を曝け出す瞬間てほんとうにいいですね。

Posted byブクログ

2015/05/17

短編集。 ①事務官とお隣さんのお話 ②警察官と裁判所職員の話 ③坊ちゃんと墓守り ②のお話が一番好きかも。 しかし、一つのCPを追いかけたい私には物足りず。 ③のお話はその後が気になるところ。 ボリューム的にもさっくりしててなんだか物足りない。 お話としては好きだけど、話に入り...

短編集。 ①事務官とお隣さんのお話 ②警察官と裁判所職員の話 ③坊ちゃんと墓守り ②のお話が一番好きかも。 しかし、一つのCPを追いかけたい私には物足りず。 ③のお話はその後が気になるところ。 ボリューム的にもさっくりしててなんだか物足りない。 お話としては好きだけど、話に入り込む前に終わってしまう。

Posted byブクログ

2014/07/15
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

相変わらず私には読み解くことが難しい作家さん。 題材は嫌いじゃないんだけどなぁ。 入り込むとこまで行きつけない、、、。難しい。 もっと分かりやすい表現をしてくれればなぁ、、、。

Posted byブクログ

2014/05/16
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

あまり草間作品読んだことないのですが、こんなにオリジナリティ溢れ、しっとり余韻の残る作品描くんですね。 最初の話。隣人が吸っている煙草が怪しいと、吸殻を勝手に大麻検査にかけるのに、だんだん隣人の人柄に触れ、本物の大麻だったらどうしよう~とパニクる真面目な事務官が可愛くて、人間味溢れててついシンクロしてしまいました。 弟の自殺の真相を追いかける兄の話は切なかった。 ひと昔?前の外国の絵描きの話も、攻めのお坊ちゃんが優男でトキメキました。

Posted byブクログ

2014/05/13
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

大きく、お話は3つ。 マンションの隣室に住む「怪しい男」との交流を描いた「夜更けに花降る」「小夜啼鳥の夜」。 上記にも登場する里村書記官と、彼の自殺した弟の捜査を担当した刑事・結城の話「明け方に止む雨」「少し戻って」。 外国が舞台の、殺人者の孫アーサーと地主の息子ジョゼの話「歌わない鳥」「風景画家と肖像画家」「鳥と木」。 どれもそれぞれ違う味わいでよかったな。 ひとつめの話はわりと軽いノリだったけど、「正しい人」っていうフレーズがやたら胸に刺さった。料理上手な男はいいですな。 ふたつめの話は真実がつらい…けど、里村さんデリケートそうに見えて案外強いね…という感じ。時系列というかひとつめの話とどっちが先なのかな? みっつめの話も好きだなあ。相手には自分の生い立ちを理解できないだろう、という鬱屈を抱えつつの前半がいい。

Posted byブクログ

2014/01/10
  • ネタバレ

※このレビューにはネタバレを含みます

タイトル通り、静かな夜のイメージが詰まった作品集。 最初の連作の自殺した弟さんの話が切ないです。 全くお兄さんは、そんな事思いもしなかったのですね。死なずとも良かったと思うのですが、もしかしてこれは死んでお兄さんの心に一生残る傷を付けたかったという事でしょうか。 その結果、別の男に寝取られてしまうのも、何とも皮肉で切ない。 巻末は草間さんでは初めて見た、外国の話。 草間さんの海外物もいいですね。 特にこの時代の空気が描ける方は貴重だと思います。 表紙の絵がとても好みなので、Wカバーじゃない特典を頂きました。

Posted byブクログ

2013/12/11

2013/12/06 【好き】3CP話収録。何か大事件が起きそうな雰囲気からスッと二人の世界に突入する感じが良かった。 表題作、刑事:結城×裁判所書記官:里村。 自殺した弟を通して関係する二人。 里村は厚かましいだけでなくしれっと変態だとカバー下漫画で確信した(笑)  他→『夜更...

2013/12/06 【好き】3CP話収録。何か大事件が起きそうな雰囲気からスッと二人の世界に突入する感じが良かった。 表題作、刑事:結城×裁判所書記官:里村。 自殺した弟を通して関係する二人。 里村は厚かましいだけでなくしれっと変態だとカバー下漫画で確信した(笑)  他→『夜更けに花降る』隣人:高天×裁判所事務官:山田。 怪しいと思っていた高天が実は真っ当な人だと知りあっさり口説かれる山田。 真面目で正し過ぎる山田の可愛さと里村にイビられてる高天をもう少し堪能したかった。 『歌わない鳥』絵描き:ジョゼ×アーサー。 逃避行というか駆け落ちというか。 ジョゼは気障な台詞をさらっと言える恥ずかしい(天然な)所が魅力だとアーサーは思っているはず(笑) 描き下ろしで喧嘩別れしたポールの救済話があってホッとした。

Posted byブクログ