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金王朝「御用詩人」の告白 の商品レビュー

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2014/09/10

【金正日お抱え詩人はなぜ脱北したか】富裕層に生まれ、対南心理を操る若き詩人として将軍に謁見。やがて金王朝の秘密と故郷の惨状を知る。暗殺予告された脱北詩人の告発。

Posted byブクログ

2013/12/30

言葉にはなんと力があるのだろう。 北朝鮮の「苦難の行軍」時期の悲惨な様子を描いた詩集「わたしの娘を100ウォンで売ります」を読んで、そのあまりの筆力に驚いた私は、著者が韓国の脱北者メディア「ニューフォーカス」の代表であるということを知り、ニュースなどで彼が北朝鮮情勢について分析す...

言葉にはなんと力があるのだろう。 北朝鮮の「苦難の行軍」時期の悲惨な様子を描いた詩集「わたしの娘を100ウォンで売ります」を読んで、そのあまりの筆力に驚いた私は、著者が韓国の脱北者メディア「ニューフォーカス」の代表であるということを知り、ニュースなどで彼が北朝鮮情勢について分析する記事などを探して読むようになった。 「ニューフォーカス」が日本国内のメディアでも大きく取り上げられたのは、2013年6月に「北朝鮮が幹部にヒトラーの自伝『わが闘争』を贈った」というニュースを流したときだ。このニュースは世界中で報道され、同月、北朝鮮がその報道を激しく非難した。その後も何度も直接名指しされているのが、この本の著者である張真晟氏だったのだ。 はじめ私は「詩人」というものが、日本語でいう「詩人」だと思っていた。しかし、北朝鮮における「詩人」は少し違う。 北朝鮮においてすべての文学は、北朝鮮人民にトップに対する忠誠を誓わせ、韓国において韓国人が自国政府に不満を持つようにする、そんな「文学」のことをいうのだという。 彼は、そういった心理戦に携わる統一戦線事業部で「詩人」として働いていた幹部であり、金正日を称賛する詩を作って金正日に面会することのできた一握りの人間であり、また日本人拉致問題についても重要な資料や話を目にすることができたという。 そういった意味で、同書の内容は一つ一つがすべて興味深い。また、実力ある詩人だからだろうか、文章には力があり、訴える力がある。 これまで読んだ北朝鮮関係の書籍の中で一番の良書である。 これまで言葉を「工作のため」に使っていた著者が、韓国ではそのペンの力を本当の意味で「祖国のため」に使うことを望んでいる。

Posted byブクログ