黒田如水 の商品レビュー
古臭さを感じさせない文体、さすが吉川英治だと思った。 最近流行の黒田官兵衛が黒田如水になる前の話。伊丹城での幽閉から救出がメインだった。愚直なまでに誠実、話せば何とかなるという胆力は読んでいても清々しい。参謀としての活躍よりも、参謀までの道のりが描かれている。本作を初めとし、様々...
古臭さを感じさせない文体、さすが吉川英治だと思った。 最近流行の黒田官兵衛が黒田如水になる前の話。伊丹城での幽閉から救出がメインだった。愚直なまでに誠実、話せば何とかなるという胆力は読んでいても清々しい。参謀としての活躍よりも、参謀までの道のりが描かれている。本作を初めとし、様々な黒田官兵衛が書かれている著作を読むのには良いのかもしれない。 荒木村重を描いた、遠藤周作の「反逆」も併せて読みたい。
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ミーハーな理由で読了。黒田官兵衛の忠心を世に示す美談を描く。 ちなみに官兵衛がまだ30代だから「如水」になって無い時代のお話。 これを起点にもう何冊か読もうと思います。 内容的にはちょっと演出が臭い感じがしますが、戦国時代の主従関係は案外こんなふうにベタベタだったのかもなぁとおもいます。 最近は腐女子という言葉が一般的にもなったせいか、そういう風にも見えるようになってしまいました。
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黒田如水 吉川英治著 昭和18年の作品で改版されてます。※70年以上前の作品 勘兵衛、秀吉、竹中半兵衛と出逢うシーン 夏の夜はみじかい。殊に、巡り合ったような男児と男児とが、心を割って、理想を談じ、現実を直視し、このときに生まれ合わせた歓びを語りあいなどすれば、夜を徹しても興...
黒田如水 吉川英治著 昭和18年の作品で改版されてます。※70年以上前の作品 勘兵衛、秀吉、竹中半兵衛と出逢うシーン 夏の夜はみじかい。殊に、巡り合ったような男児と男児とが、心を割って、理想を談じ、現実を直視し、このときに生まれ合わせた歓びを語りあいなどすれば、夜を徹しても興は尽きまい ここからの友情、裏切り、武士の生き様と、戦国の世の無情さと。 何となく、ベンチャー界隈の武将の方々にオススメです! さすがに言い回しが古いなと感じますが、清張氏とは違った面白さです。
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官兵衛が幽閉されていた頃の話がメインだった。期待していたのは、官兵衛の智略や戦略を生かし秀吉に貢献したところだった。そういう点では、やや退屈なストーリーだった。
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大河ドラマ化されるとの事でやたらと見かけますが、歴史小説と言えば、という事で吉川英治氏の作品に手を伸ばしました。 昭和18年の作品とな。 そう感じさせない作品に驚きつつ、黒田如水の壮絶な生涯に感銘を受けました。
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※このレビューにはネタバレを含みます
永遠の№2と呼ばれる黒田如水が主人公の物語。登場人物一人一人の心情が細かく描かれており、楽しく読めた。秀吉の如水への信頼感や、人間味あふれる信長の行動と後悔がとっても楽しかった。ただ、如水が秀吉と出逢う所から荒木村重に幽閉され、解放されるまでしか描かれていないのがとっても残念だった。もっと吉川先生の文章で読みたかった。本能寺の変や中国大返しなど面白そうな話題がいっぱいあるのに。 「三人寄れば文殊の智というが、それは少なくとも一と一とが寄った場合のことで、零と零との会合は百人集まっても零に過ぎない。時代の行くての見えない眼ばかりがたとえ千人寄ってみたところで次の時代を見とおすことは出来ないが、評議となって列座すれば、誰ひとりとして、(それがしは、めくらである)と、いう顔はしていない。そのくせ信念もなければ格別の達見も持ってはいないので、ただ自己をつくろうに詭弁と口舌の才を以てすることになる。従って、評議は物々しくばかりなって、徒らに縺れ、徒らに横道に入り、またいたずらに末梢的にのみ走って、結局、何回評議をかさねても、衆から一の真も生まれず、そしていつまでも埒はあかないという所に陥ちてしまうのだった。」(8ページ) この文章は、今の日本の政治家・議会に向けて描かれたものではないか、と思ってしまうぐらい政治における真実を描き出している一節だと思った。国づくりにおいても、戦国時代における身の処遇においても、未来を見据え、決断し、それを実行する事が大切なのであろう。
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