ウール(上) の商品レビュー
冒頭一行目から何?どういうこと?と興味を引かれ、どういう世界観の話なのか薄っすらわかってくる頃にはすっかり夢中に。 ディストピア小説はあまり読んだことがなく、これがよくある設定なのかわからないけど、まず設定が面白い。予想を次々と裏切る展開と魅力的なキャラクター、人間ドラマとしても...
冒頭一行目から何?どういうこと?と興味を引かれ、どういう世界観の話なのか薄っすらわかってくる頃にはすっかり夢中に。 ディストピア小説はあまり読んだことがなく、これがよくある設定なのかわからないけど、まず設定が面白い。予想を次々と裏切る展開と魅力的なキャラクター、人間ドラマとしても読み応えがある。 説明過多じゃないところも気に入った。まだまだ謎だらけなので早く下巻が読みたい。 どうやら下巻で終わるわけではなく、『ウール』『シフト』『ダスト』でサイロ三部作となっているらしい。 何年も前に気になってマークしていた作品で、ふと読む気になったのでとりあえずどんな感じかと今回読んでみたわけだけど…放置しすぎた…。サイロ三部作、ネットで探せる範囲ではどこも在庫切れのよう。 とりあえず図書館で続きは読めそうでホッとしたけど、なんとか重版もしくはKindleで翻訳出してほしいな。
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- ネタバレ
※このレビューにはネタバレを含みます
地下144階立てのサイロが物語の舞台。外には出られない。外に出るのは「清掃」の刑を言い渡された者のみ。そして清掃に出て帰ってきた者はいない。おもしろそうな設定だ。 序盤はなんとな~く読み進めるが、ジュリエットが登場してからおもしろくなる。サイロの外を知ろうとした者は、残らず清掃の刑を言い渡されたり死んでいったりするので、どうやら外には何かがありそうだが... いよいよこれからというイイところで上巻が終わる。下巻が気になる! IT部門が闇の権力者で黒幕っぽく描かれているのは珍しい?IT部門って虐げられているイメージ。 発電機のおもりをする機械屋さんの活躍が頼もしい。機械モノのメンテナンスに光が当てっているのは嬉しい。
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WOOL(ウール)(上)(角川文庫) 著作者:ヒュー・ハウイー 発行者:角川書店 タイムライン http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698 語ることさえ許されない地上の世界には・・・
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第1章を読んで、ガーンときた。 地下144階のサイロで暮らす人々。農場、牧場、機械、石油採掘、閉じた空間の人生。外界に出てレンズを磨きすぐ死ぬ「清掃刑」。 「外に出る」考えを禁じる慣習に怖さを感じる。その裏の真実とは何か。メールの制限、ポーターの存在、師弟制度、階段を上り下りする...
第1章を読んで、ガーンときた。 地下144階のサイロで暮らす人々。農場、牧場、機械、石油採掘、閉じた空間の人生。外界に出てレンズを磨きすぐ死ぬ「清掃刑」。 「外に出る」考えを禁じる慣習に怖さを感じる。その裏の真実とは何か。メールの制限、ポーターの存在、師弟制度、階段を上り下りする生活、夫婦のくじびき、独特の生活環境が書かれていることが面白かったけど、完結したサイロの仕組みがイマイチ書かれてないのと、人物の意識がツラツラ書かれてるだけなので(小説の技巧として?)、ディストピアとか思想面がなくてちょっと物足りない部分もある。 でも荒廃した外界や、丘に消えたジュリエット、星追い人の行方、気になります。
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とてもおもしろい。先にのこるのは決断だけ。決断というのは今このときの生き方と近しい。何が正しい、正しくないかは分からないけれど、決断することからは逃げたくない。 何を書いてもネタバレになりそうな、視野が狭かった、広がった感覚を追体験できる。
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何かおかしいと感じながらも、今の状況を壊したくないから、そこから目を逸らしてしまうことがある。 身近な所でいうと職場や学校生活、人間関係でそういうことはあると思う。 おかしい事に対して違うのではと言える勇気、事実を確かめるために行動を起こせる人を尊敬する。 この物語では、迷いなが...
何かおかしいと感じながらも、今の状況を壊したくないから、そこから目を逸らしてしまうことがある。 身近な所でいうと職場や学校生活、人間関係でそういうことはあると思う。 おかしい事に対して違うのではと言える勇気、事実を確かめるために行動を起こせる人を尊敬する。 この物語では、迷いながらもおかしな状況に異議を唱え、真実を伝えることに挑む人達の姿勢が印象的だった。意志は受け継がれて、無駄にはならないということもこの物語から感じた。
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おもしろい! ジュリエットが出てくるまでややスローペースだけど、ミステリーな要素もありどんどん読み進められる
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荒廃した世界、サイロの中以外の外の世界は毒の風邪が吹き荒れる。サイロのレンズを磨く清掃人が時々送られ、彼らは帰って来ない。清掃を言い渡されるのは罪人だから。サイロの中は階段で行き来する100階からなる構造で、市長は最上階に住んでいる。数年前、保安官の妻が清掃人として出て行き、保安...
荒廃した世界、サイロの中以外の外の世界は毒の風邪が吹き荒れる。サイロのレンズを磨く清掃人が時々送られ、彼らは帰って来ない。清掃を言い渡されるのは罪人だから。サイロの中は階段で行き来する100階からなる構造で、市長は最上階に住んでいる。数年前、保安官の妻が清掃人として出て行き、保安官もまた、妻の後を追う様に自ら清掃人となる道を選ぶ。次期保安官職に絡み、密室殺人とも呼べる事件が起こり、最下層の機械部でその熱心な仕事ぶりで仲間内から絶大な信頼を得ている若い女性・ジュリエットが次期保安官に選ばれて…と言う、死滅した世界の後で建物に押し込められて狭い世界を築いている人間の物語。加え、閉鎖空間であるからこその陰謀・謎などミステリ要素も加わり、序盤を抜けると人間社会の凝縮した物語がじわじわ湧き出してくる感じで、ジュリエットはどうなってしまうのか、彼女はどんな行動を取るのか、と考えるだけで面白い。 『土星マンション』と設定は似ているのだが、土星マンションの「それでも人間は生活を営んでいる、と言う希望に向かっている感じは皆無なので、とにかく読み始めから「灰色」と言うイメージがまとわりつき、陰鬱な話だなぁ、と思って読み進むのに気が重い感じがしていたのだが、上巻の後半部分からそれがするっと抜けて、俄然面白くなって来る。
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地上奥底まで伸びるサイロの中で外の世界の存在を知らないまま生きることを余儀なくされた人たち。プロットは結構興味深くて引き込まれる感はあるものの如何せん登場人物に魅力を感じない。彼らが命を賭して戦ってるのにまったくハラハラしない^^; でも一応下巻は読む。 「サイロ」というと、とに...
地上奥底まで伸びるサイロの中で外の世界の存在を知らないまま生きることを余儀なくされた人たち。プロットは結構興味深くて引き込まれる感はあるものの如何せん登場人物に魅力を感じない。彼らが命を賭して戦ってるのにまったくハラハラしない^^; でも一応下巻は読む。 「サイロ」というと、とにかく恐怖のイメージが想起されるのは私だけなのか・・・?昔「サイロ」が重要な役割を果たすホラー的な映画を見たような気がする
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始まりはなんだか歩みが遅く、もっさりとした感じがしていたのだけれど、ジュリエットが最上階に出てきたあたりからだんだん惹きつけるチカラが強くなってきている気がする。 特に、ジュリエットが外に出てからは続きはどうなるんだ、早く読みたいという気持ちが強まってきた。 150710
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